アジア飯ブームを契機にタイ語のパクチーがすっかり定着しました。セリ科の一年草で生育適温は15~25℃です。丈夫で栽培スペースもとらないので畑はもちろん手軽なプランター栽培が人気です。太い根を1本伸ばす直根性の特性があるので、苗は移植をしないで直まきで育てましょう。プランターの場合は20cm以上の深めのものを用意します。
夏の暑さに強そうですが、日本の高温多湿な夏に弱いので、畑の場合は寒冷紗をかけて直射日光を避け、プランターの場合は風通しのよい涼しい場所で管理します。また、水はけが悪いと根腐れしてしまうので注意が必要です。
草丈40~60cmまで生長し、5~6月頃に白い花を咲かせます。花を咲かせると、葉に回る養分が減って新しい葉をつけなくなるので、長期間収穫を楽しむには花芽をすぐに摘み取りましょう。たねを収穫する場合は花を咲かせて最後まで育てます。
たねは硬い殻に覆われているので、板などを使ってこすって半分に割り、中のたねを一晩水につけて吸水させます。
15~20cm間隔に指先で軽くくぼみを作って、3~4粒の点まき。軽く土をかぶせて、たっぷり水やりします。幅60cmで容量20Lサイズのプランターで3~4株、鉢植えの場合は5号鉢に1株が目安です。
【発芽】14~20日で発芽します。
【間引き】葉が混みあってきたら間引き、本葉5~6枚で1本立ちに。間引き菜はスープやサラダに入れてどうぞ。
草丈が20cmくらいに育った頃に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)20g程度を施用し、株元に軽く土寄せします。生育を見ながら市販の液肥(8-6-5など)を500倍程度に薄めて、摘み取り後などに施用してください。土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
次々と枝分かれしながら株が大きくなっていきます。使う分だけハサミで収穫します。根も料理に使うことができるので、最後は引き抜いて収穫しましょう。
5~6月頃になると白い小さな花をつけます。花を咲かせると新しい葉をつけなくなるので、長く収穫したい場合は花芽がついたら根元から取り除きましょう。
花を咲かせると緑色の実ができます。茶色く完熟したたねは香辛料(コリアンダーシード)として利用できます。枝ごと刈り取って陰干し乾燥させ、たねだけはずして保存しましょう。たねは葉と違って甘い香りがします。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
たねまきの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100g(いずれも過去1年以内に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)50gを散布し、土に混ぜ込みます。
プランター栽培の場合は市販の野菜用の培養土を利用すると便利です。
●パクチーの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)