June

セロリ(セルリー)

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

独特な香りと歯触りの良さでサラダなど生食はもちろん、マリネや炒め物、スープなど幅広く利用される香味野菜です。
高温と乾燥に弱く、こまめな水やりが栽培のポイントです。

 和名は「オランダミツバ」といい、ニンジンやセリと同じセリ科で、発芽適温は18~20℃、15℃以下や25℃以上になると生育が悪くなります。一度低温にあってから高温・長日になるとトウ立ちするので、「初夏まき・秋冬どり」が作りやすいです。
 乾燥に弱く、水はけが悪い畑では根腐れを起こしてしまいます。畝を高くするなど水はけ、水もちのよい畑で、土が乾かないようこまめに水やりをして夏を上手に乗りきりましょう。畑をマルチで覆うと、乾燥を防げ、泥はねなども防げます。アブラムシ防除のためには苗を植えつけたあと、1カ月くらい寒冷紗を被せるとよいでしょう。
 大株のセロリはたねまきから収穫まで半年くらいかかるので、プランター栽培などでミニセロリやスープセロリなど小さな株や細い品種を育てるのも楽しいです。
 連作障害があるため、同じ畑の栽培は3~4年あけましょう。

たねまき.発芽・間引き

【たねまき】ポリポットに培養土を入れて、4~5粒のたねをばらまきして薄く土をかぶせます。
発芽までは直射日光のあたらない明るい場所におき、乾燥させないように水やりします。
【発芽・間引き】10日程で発芽します。本葉2~3枚になったら間引いて、葉と葉が触れ合わない程度にして本葉7~8枚になるまでに1本立ちにします。
※夏の高温時期には、たねまきからの育苗は難しいので苗を購入して8月中旬~9月上旬に植えつけるのがおすすめです。

植えつけ

畑は乾燥防止のためにマルチングすると生育がスムーズに進みます。植穴を掘って、根鉢を崩さないようにポリポットから取り出し浅めに植えつけます。株元を押さえて根と土を密着させ、たっぷりと水やりしましょう。

追肥・水やり

植えつけ4週間後から1m2あたりNK化成(16-0-16)40gを株間にまいて軽く土寄せします。マルチの場合は植穴から施します。その後2~3週間ごとに同量の追肥を行います。晴天が続く場合はこまめな水やりを。水やりが多くなると肥料が流出しやすくなるため肥切れしないよう注意します。

わき芽かき

中心の葉がしっかり立ち上がってきたら、株元から発生するわき芽や変色した下葉は順次取り除きましょう。

収穫

草丈が40~50cmになったら、外葉からかきとるか株ごと切り取って収穫します。外葉からかきとると長期間収穫できますが、採り遅れると茎にスが入るので注意しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
水やりが頻繁なセロリには保水性と通気性、保肥力のある土が適します。このような土づくりには完熟堆肥が欠かせません。植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kgを施用します。また石灰が不足すると葉の縁や芯が黒変する縁腐症や芯腐症が発生することがあるので、同時に苦土石灰100g(前作に石灰類を施用していれば不要)も散布し深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり油かす(5-2-2など)200gと化成肥料(8-8-8)100gを土に混ぜ込みます。セロリは肥料が不足すると茎が筋っぽく食感が悪くなるため、施肥量は他の野菜よりやや多めです。また、速効性の化成肥料に油かすなどの有機肥料を組み合わせて長く効かせることもポイントです。

●セロリの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
セロリの栽培スケジュール

2022.06更新

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