作土層とは何ですか? 野菜に適した作土層の深さはどのくらいでしょうか?
作土層とは、鍬(くわ)や耕運機などを用いて人が肥料や堆肥などを混ぜ込んだ土の層のことで、地表からの深さで表します。人手によって混ぜられた土の層とも言えます。作物が根を伸び伸びと張るためには、作土層は深いほうが良いです。しかし、必要以上に深くすると、表層に貯えられた肥料分が薄まったり、病害虫が拡散されたりするので、適度な深さにすることが肝心です。一般的な野菜の畑であれば、作物の根が最も多く張る深さである15cm~25cm程度が、標準的な作土層の深さです。根の深く張るダイコン、ホウレンソウ、トマト、ナスなどを栽培する場合には深めに、根張りの浅いニンニク、タマネギ、ミツバ、イチゴ、キュウリなどの場合には浅めにします。作物の根が最も多く張っている深さに肥料が混ざれば、必要以上に深くまで混ぜ込む必要はありません。
「作土層」に対して、あまり聞きなれない言葉ですが「有効土層」という言葉があります。これは作物の根が自ら入り込むことができる層のことで、作土層と同様に地表からの深さで表します。作物の根は人間が肥料を混ぜる作土層よりも、更に深い層まで張ることができるので、多くの作物では作土層よりも有効土層のほうが深くなります。根が深く張ることで、より安定した生育を得ることができます。有効土層を深くする、すなわち作物の根を深く張らせるためには、作土層よりも下の硬い層に、スコップなどで所々に切れ目を入れればOKです。土全体を混ぜる必要はありません。