集中力&やる気の源【朝ごはんのチカラ】

朝ごはんが勉強、仕事、スポーツの成果に差をつける!?
しっかり食べて充実した1日をスタートさせましょう

朝ごはんを毎日食べていますか?
忙しいとつい抜いてしまいがちですが、朝ごはんには空腹を満たすだけでなく、1日のスタートに必要なエネルギーを補給し、脳を生き生きと活動させる大事な役割があります。
朝ごはんの効果に注目し、改めて朝ごはんの大切さについて考えてみました。

 朝ごはんを食べなかった日の午前中、集中できず仕事や勉強がはかどらなかったことはありませんか。脳のエネルギー源はブドウ糖です。ブドウ糖は体内に大量に蓄えておくことができず、すぐに不足してしまいます。寝ている間も脳や体はエネルギーを消費するので、目覚めた時にはエネルギー欠乏状態。朝ごはんでブドウ糖などの栄養を補給することが大切なのです。
 しかし、農林水産省の調査※1 によると、朝ごはんを「週に2~3日食べる」「ほとんど食べない」と回答した朝食欠食者は全世代で13.9%、20~39歳の若い世代では26.7%の人が欠食しています。朝ごはんを食べない若い世代を15%以下に減らしたいと、国も食育課題のひとつとして取り組んでいますが、あと10分寝ていたい…そんな毎朝の葛藤も分かりますよね。
 朝ごはんを食べない理由として多いのが「時間がない」「食欲がない」など。朝ごはんを食べないと、脳と体に必要なエネルギーが補給できず、やる気も出ません。ブドウ糖は炭水化物や果物に多く含まれていますが、おすすめは“お米”の朝ごはんです。ご飯は粒食なので、ゆっくりと消化、吸収され、なだらかに血糖値を上げて、長時間維持されます。まずはおにぎり1個から始めて食べる習慣をつけ、次は具だくさんみそ汁を追加、さらに栄養バランスのとれた朝ごはんへとステップアップできると良いですね。

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 朝ごはんを抜くとエネルギー不足になり血糖値は下がります。体は、昼食で補おうとして必要以上に栄養をとり入れるため、昼食後の血糖値は急上昇。糖を脂肪としてとり込んで体脂肪が増え、生活習慣病のリスクを高めます。朝ごはんは、1日の血糖値の変動をゆるやかにさせるなど血糖コントロールにもつながります。
 朝ごはんを食べる習慣がある人とない人では、勉強、仕事、スポーツ、メンタル面でも大きな差があります。毎日食べる人は、そうでない人と比較して、学力・体力や学習習慣が良好である、健全な生活リズムである、バランスの良い栄養素・多様な食品の摂取量が多い、ストレスを感じにくいなど、朝ごはんには、健康な食生活や規則正しい生活に良い影響があると報告されています。※2
 朝ごはんは工夫次第で手軽にとれます。夕食の支度のとき、あらかじめ切っておく、器に取り分けるなど、翌朝の調理の手間を省く準備をします。もちろん前夜の残り物でもOK。果物や牛乳・乳製品なら、そのまま食べられます。忙しい朝は冷凍ごはんも大活躍。卵かけご飯やおかかご飯にすると、脳を働かせる栄養素である必須アミノ酸のリジンをとり入れることができます。
 食後3時間で朝ごはんは消化されます。昼食から逆算すると9時までに朝ごはんを食べると、ちょうど良いタイミングでエネルギーが補給できます。朝起きてすぐに食べなくても、コンビニや駅の売店に寄って、始業前に自分の席で手軽に済ます朝ごはんでも良し! 「体がだるい」「食欲がない」と朝ごはんを抜いてしまうと、午前中のエネルギーが不足して、心身に不調をきたす負のスパイラルに陥ってしまいます。朝ごはんは1日を元気に過ごすためのスイッチです。毎日しっかり食べて脳と体を目覚めさせ、活動的に過ごしましょう。

※1 農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(2023年3月)
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki/r05/index.html

※2 農林水産省「朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/chosyoku.html

参考: 農林水産省「めざましごはん」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi.html

2024.03更新

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