ジャガイモの生育適温は15〜20℃、新芽が霜に当たらない時期になったら早めに植えつけます。自家採りしたものや青果物として購入した種イモは、ウイルス病などの病害を広げる原因となるので、必ず検査に合格した種イモを使いましょう。品種がいろいろあるので、好みのものを選ぶ楽しみがあります。
大きな種イモは切り分けて、腐りにくくするために切り口を2〜3日陰干ししてから植えつけます。新しいイモは種イモの上にできるので、必ず土寄せをしてイモが土から顔を出して緑化するのを防ぐことがポイントです。
連作障害を防ぐため、ナス科野菜を3年は育てていない場所を選びます。また、気温と湿度が高くなると病気になりやすく、ナス科野菜に影響を及ぼすので、トマトやナスなどの近くは避けましょう。
種イモ用を購入し、大きいものは芽が均等につくように30~50gに切り分けます。小さなものは丸ごとでもOK。切った種イモは日陰で2~3日乾燥させます。
畝の中央に深さ10~15cmの溝を掘り、種イモを30cm間隔に切り口を下にして並べます。10cmほど土をかぶせて表面を平らにし軽く押さえます。
【左】芽が10cmくらいに伸びたら、元気の良い芽を2~3本残し、他の芽はかき取ります。芽をかき取ると大きなイモに育ちます。
【右】株元を押さえて残す芽を傷めないように抜きましょう。
芽かき後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8-なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し、株元に土寄せしてください。
子イモは種イモより浅い場所にできるので、土寄せが足りないとイモが日に当たって緑化し品質が低下します。芽かきをして追肥した後と、草丈が20cm程度になった頃の2回、土寄せをします。しっかり土寄せをしてイモができる場所を作りましょう。
下葉が黄色くなって枯れてきたら収穫時期です。試し掘りで確認してから、晴天が2~3日続いた後に収穫します。イモを傷つけないようにスコップで掘り起こし、土をつけたまま陰干ししてよく乾燥させてから、冷暗所に貯蔵しましょう。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)
種イモ植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgを散布し、深く耕しておきます。植えつけ直前の堆肥施用や未熟堆肥の利用は、イモの表面の肌荒れを起こすことがあるので、時間がない場合や良質堆肥が入手できない場合には、堆肥施用は省略してください。土壌がアルカリ性に傾くとそうか病が発病しやすくなるので、通常は石灰類を使用しませんが、過去1年以上石灰類を施用していない畑には、状況に応じて1m2あたり苦土石灰50~100g程度を、堆肥と同時に施用してください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を散布し、土に混ぜ込みます。
●ジャガイモの栽培スケジュール