夏に何日も雨が降らないと、野菜は水不足で茎葉(けいよう)がしおれ、障害が出たり、実つきが悪くなったりします。
例えば、ナスは梅雨明け後に着果しにくくなるため、家庭菜園では茎葉を切り詰めて株を休める更新剪定が一般的に行われます。しかし、水と肥料を定期的に与えることができれば、更新剪定をすることなく収穫を続けることができます。
また、収穫後に短期間で株が弱ってしまい、収穫を終えることが多いキュウリも、定期的に水と肥料を与えれば、草勢が維持され、品質の良い果実を長く採ることができます。
そこで今回は、長い夏を乗り切る水やりの方法を紹介します。
【表】 主な野菜の夏の水やりのポイント
野菜 | ポイント | 開始 | 頻度 | 方法 |
---|---|---|---|---|
ナス | 水不足にしなければ更新剪定は不要 | 梅雨明け後から | 2~3日おき | 1株3L程度を株元に。夕方、通路にたまるくらいかけてもよい |
トマト | 第3花房の開花までは水やりはしない | 第3花房が開花したら | 乾湿の差が大きくならないように、定期的に水やりをして適湿を保つ | 1株2~3L程度を株元に |
キュウリ | 水不足になると曲がり果や尻細り果の原因になる | 収穫が始まったら | 夏の間、晴れた日は毎日 | 1株2~3L程度を株元に |
スイカ | 収穫前に水やりをすると裂果することがあるので、水やりは収穫7~10日前まで | 着果した果実が鶏卵大になったとき | 雨が4~5日降らなければ水をやる | 1株2~3L程度を株元に |
トウモロコシ | 雌穂が出てきたら水切れさせない | 雄穂が出てくる頃から | 晴天が続いたら2~3日に1回 | 1株2L程度を株元に |
サトイモ | 梅雨明け後の水切れは厳禁 | 葉が5~6枚展開してから9月中旬まで | 晴天が続いたら5~7日に1回。砂質土壌では少量を頻繁に与える | 1m2当たり20Lを株元に |

〇夏の水やりは朝か夕方に
1日のうちで気温が高くなる12~14時頃が、植物の蒸散がもっとも盛んになります。この時間帯にしおれやすくなるので、午前10時までには水やりを終えて吸水させるとよいでしょう。気温が高い日中に水をやると、根にお湯をかけたようになることがあるので、朝に水やりできない場合は、夕方に行います。
〇水やりは株元にたっぷりと
水は太い根が集まる株元などに、たっぷり与えます。葉に直接水をかけると、病気や高温障害を招くので注意してください。