台風は、畑の野菜に甚大な被害を与えます。被害を防ぐための台風襲来前の対策としては、寒冷紗などによるべたがけ、水はけをよくするための畝立てや溝切り、株元の土寄せなどが行われます。
今回は、台風が過ぎ去った後の対策を紹介します。
〇被害状況をチェック
台風が通過したら、まず、畑の様子を見回り、被害をチェックします。
畑が冠水して、野菜が水に浸かっていれば、すぐに溝を切って、排水します。
潮風を浴び、そのままにしておくと、浸透圧で葉から水分が奪われ、しおれてしまいます。これを防ぐため、葉が乾く前に真水で塩分を洗い流します。潮風が吹いた後に高温・強日射にさらされると被害が大きくなるので、早めに対処することが大切です。

〇倒れた株のケア
台風前にベたがけをした場合は、被覆資材をとり除きます。
畑の表面が乾いたら、倒れた株を立て起こします。草丈の低い野菜は、自然に起き上がるのを待ってもよいでしょう。
ネギやダイコンは倒れたままにしておくと、曲がりの原因になるので、株を戻し、株元に土を寄せておきます(写真1~3)。



スイートコーンの場合、雄穂が出る前であれば、たいてい数日もすれば自力で立ち上がります(写真4)。無理やり立て起こすと根を切りかねず、かえってよくありません。雄穂が出てから倒れた場合、そのままでは受粉できないので、雌穂に花粉がかかるように、ていねいに立ち上げます。

〇病気の予防と追肥
特に注意したいのは、傷ついた茎葉から病気が多発することです(写真5)。
病気を予防するため、早めに殺菌剤を散布しておきましょう。

多量の雨が降ると、土の表面が硬くなったり、肥料が流れるので、土の表面が乾いたら追肥を行い、浅く耕します。水に浸かって根が弱っているようであれば、液肥を規定の濃度に薄めて葉面散布するのが効果的です。