家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(元JA全農 耕種総合対策部技術主管) イラスト◎かとうともこQ.台風通過後の対処法を教えてください

 台風は、畑の野菜に甚大な被害を与えます。被害を防ぐための台風襲来前の対策としては、寒冷紗などによるべたがけ、水はけをよくするための畝立てや溝切り、株元の土寄せなどが行われます。
 今回は、台風が過ぎ去った後の対策を紹介します。

〇被害状況をチェック

 台風が通過したら、まず、畑の様子を見回り、被害をチェックします。
 畑が冠水して、野菜が水に浸かっていれば、すぐに溝を切って、排水します。
 潮風を浴び、そのままにしておくと、浸透圧で葉から水分が奪われ、しおれてしまいます。これを防ぐため、葉が乾く前に真水で塩分を洗い流します。潮風が吹いた後に高温・強日射にさらされると被害が大きくなるので、早めに対処することが大切です。

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〇倒れた株のケア

 台風前にベたがけをした場合は、被覆資材をとり除きます。
 畑の表面が乾いたら、倒れた株を立て起こします。草丈の低い野菜は、自然に起き上がるのを待ってもよいでしょう。
 ネギやダイコンは倒れたままにしておくと、曲がりの原因になるので、株を戻し、株元に土を寄せておきます(写真1~3)。

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【写真1】台風で倒れたネギ。そのままにしておくと曲がりネギになる
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【写真2】台風で倒れたダイコン。そのままにしておくと曲がり根になる
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【写真3】立て直して、株元に土を寄せる

 スイートコーンの場合、雄穂が出る前であれば、たいてい数日もすれば自力で立ち上がります(写真4)。無理やり立て起こすと根を切りかねず、かえってよくありません。雄穂が出てから倒れた場合、そのままでは受粉できないので、雌穂に花粉がかかるように、ていねいに立ち上げます。

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【写真4】風で倒れたスイートコーン。このくらいの大きさであれば、そのままでよい

〇病気の予防と追肥

 特に注意したいのは、傷ついた茎葉から病気が多発することです(写真5)。
病気を予防するため、早めに殺菌剤を散布しておきましょう。

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【写真5】台風で茎葉が傷ついたニンジン。早めに殺菌剤を散布すれば、被害を減らせる

 多量の雨が降ると、土の表面が硬くなったり、肥料が流れるので、土の表面が乾いたら追肥を行い、浅く耕します。水に浸かって根が弱っているようであれば、液肥を規定の濃度に薄めて葉面散布するのが効果的です。

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