「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第91回 加藤純子さん
食と四季暦

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 食べることと季節は切っても切れない関係があります。今は旬の野菜や果物が一年中食べられ、意識しないとそうした季節を感じることも少なくなっています。けれど、四季暦を意識しながら食卓に料理を並べるのは自分の体にもいい影響をもたらすことは年齢を重ねるごとに実感します。
 春にはお店に出たばかりの「ウド」。皮はきんぴらにし、七味をかけて。あとは酢味噌和え。春のお味です。
 また夏には「冬瓜」。血圧や消炎作用などがあり、真夏の暑い日にとろみをつけた薄味のスープを飲むと体がホッとします。それと夏バテ予防には「ラタトゥイユ」。パプリカ、ズッキーニ、玉ねぎ、茄子などの夏野菜と、ミックスビーンズの缶詰も放り込みます。最後はトマト缶。ツナ缶をそこに入れることもあります。とにかく暑い夏との戦いです。「え〜い、かかってこい!」の気持ちで、もりもり食べます。汗をかきながら。
 秋には夏の暑さの疲れを取るために無塩のミックスナッツがおやつに欠かせません。サラダにアボカドを入れるのも私にとっては必須です。春菊の葉っぱと鯵の開きを焼いたものをほぐし、レモンとお醤油で作るドレッシングで食べる。これも私にとっては秋の一品です。
 冬はきのこ類をたくさん食べます。きのこ類のニンニク炒めは手軽で簡単です。お鍋にもきのこ類を入れます。こうして四季暦を楽しみながら、食と向き合う。
 実は私は、どなたもがご存知の健康オタクなのです。食べることと健康が切っても切れないものだということも知っています。ある時、中国人の友人が言いました。
「黒いものは、体にいいと中国では言われている」
キクラゲ、黒豆、黒ゴマ、黒酢、昆布…。それ以来、黒い食材も意識するようになりました。
 またお野菜は漢方薬の原料になっているものもあります。恥ずかしながら、健康オタクは漢方オタクでもあるのです(笑)。「生姜」「山芋」「牛蒡(ごぼう)」「人参」「陳皮(ちんぴ)」(温州みかんなどの皮)などなど…。
 四季暦を楽しみながら季節の野菜や果物を摂る。日本の四季を感じながら美味しいものを食べる、醍醐味の時間です。それこそが、日常を楽しみながらできる健康法でもあるのです。

第91回 加藤純子さん 食と四季暦
イラスト:はやしみこ

加藤純子(かとうじゅんこ)

児童文学作家。2001年『母と娘が親友になれた日』(ポプラ社)で産経児童出版文化賞受賞。単行本、伝記、監修多数。2012年から(一社)日本児童文学者協会副理事長を務める。主な作品に『初恋クレイジーパズル』『モーツァルトの伝言 少年から大人への階段』『家庭教師りん子さんが行く!』『アンネ・フランク』『ベートーベン』(ポプラ社)、『超高層マンション、暮らしてみれば……』(講談社)、『荻野吟子 日本で初めての女性医師』(あかね書房)、「仕事でハッピー!」シリーズ(そうえん社)、「勾玉伝説」シリーズ(岩崎書店)など。

加藤純子
『荻野吟子 日本で初めての女性医師』あかね書房
『荻野吟子 日本で初めての女性医師』
あかね書房
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
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