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地域固有のブランドを保護する【地理的表示(GI)保護制度】
ブランド価値とおいしさを守る“お墨付き”
地域に根差す特産品の品質を国が保証

「GI」とは、「Geographical Indication(地理的表示)」の頭文字で、「地理的表示保護制度」を指します。歴史ある特産物やその加工品などを国に登録し、知的財産として保護する制度です。世界100か国以上がこの制度を導入し、日本のGI制度は2015年にスタートして今年で11年目を迎えます。
どのような制度か、実例を挙げて解説します。

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地域と密接に結びついた特色ある特産品を登録

 日本には、京野菜の「賀茂なす」などの伝統野菜、「市田柿」や「八丁味噌」といった古くからその地域に伝わる方法で製造される加工品が数多くあります。こうした特産品の名称(ブランド)を、生産地・特性・生産方法等の基準とともに登録し、保護するのが地理的表示(GI)保護制度です。
 地理的表示は、①長年にわたって生産され、その地域ならではの特産品としての品質や評価を持つ、②名称から産地や特産品の特徴が分かる、③品質管理を生産者団体が行う、などの要件を満たすと登録され、販売時には富士山がデザインされた認証マークを付けることができます。
 ふるさと探訪で紹介した「山形ラ・フランス」を例に挙げると、大正時代に「ラ・フランス」栽培を始めた歴史があり、1988年には収穫期の予測や追熟技術を確立し、現在では出荷基準日を設けて産地追熟を徹底するなど、生産者側の管理体制が整っています。また、夏季の降水量が比較的少なく病害虫の被害が少ないこと、1日の気温差が大きいため果実に糖分が蓄えられやすいことなど、自然環境も栽培に適しています。山形県は、全国の「ラ・フランス」栽培面積の約9割を占めており、品質も、果肉が緻密で果汁が多く芳醇な香りがあって秀逸であることから、2020年に「山形ラ・フランス」がGIに登録されました。

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2020年にGI登録された「山形ラ・フランス」

不正や模倣からホンモノを守る

 特産品の知名度が上がると、類似品が出回ったり、ブランド名を無断で使用されたりするケースが発生することがあります。このような事態を未然に防ぐため、登録項目には生産地や品質基準などが含まれており、国が定期的に確認し、マークの不正使用や模倣品を取り締まり、罰則を科しています。生産者は、不安や訴訟といった負担を負うことなく、安心して栽培に専念できる一方、消費者はGIマークによってその特産品の特徴が分かり、味や香りなどを信用して購入することができます。知的財産として国が保護することで、特産品が持つ価値だけでなく、生産者と消費者双方の利益も守られるのです。
 制度は、15年に「但馬牛」、「夕張メロン」、「鹿児島の壺造り黒酢」など7つの特産品が第1号として登録されてスタート。順次、登録数を増やし、26年7月に新たに「日本茶」など3品が加わり、今では170の特産品が登録されています。
 GIは地域固有のブランドを保護する制度として世界でも認知が広がっており、例えばEUで登録されている特産品には、イタリアの生ハム「プロシュット・ディ・パルマ」、フランスのチーズ「カマンベール・ド・ノルマンディ」などがあります。さらにEUは日本と相互に保護する協定※を結んでいるため、日本のGI登録特産品も、国内と同様に保護の対象となります。
 GI登録によって国のお墨付きを得た特産品は、世界に向けて高品質をアピールできるだけでなく、差別化を図ることができるため、地域の活性化や国産農畜産物の消費拡大などが期待されます。地域の財産となるGI登録特産品を、みんなで応援していきましょう。

※経済連携協定(Economic Partnership Agreement):特定の国や地域同士で関税の撤廃・削減やサービス業の規制緩和、投資ルールの整備など経済的結びつきを強化する条約

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(日本地理的表示協議会)

https://pd.jgic.jp/register/