家庭菜園・きほんの「基」肥料編

サツマイモは「蔓ボケ」に注意!?

指導◎岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)イラスト◎かとうともこ

Q昨年サツマイモを植えましたが、コロコロ小さなイモばかりできてしまいました。大きなイモを収穫するにはどうしたらよいですか?

A サツマイモ栽培では、蔓ばかりが伸びてイモの肥大や品質が悪くなる「蔓ボケ」に注意が必要です。昨年のサツマイモは蔓ボケ気味だったのではないでしょうか?窒素肥料のやり過ぎで蔓ボケ状態になります。サツマイモの窒素成分の施用量は、1m2あたり2~3g程度と、他の作物に比べるとかなり少なめです。窒素含量8%の化成肥料なら30g程度です。また、通常追肥は不要です。
 サツマイモは適度に有機物を含み、通気性、排水性が良い土壌を好みます。有機物を補給するためには、完熟堆肥を作付けの1か月以上前に施用します。1か月以上の期間がとれなければ、前作の前に施用してもOKです。未熟堆肥の施用や、作付け直前の堆肥施用は、イモの表面の肌荒れやコガネムシ被害の原因となります。通気性・排水性を良くするためには、高畝栽培にします。マルチを張って初期の地温と土壌水分を確保し、発根を促進させることも、その後のイモの肥大のために有効です。無マルチ栽培ならば、苗挿しの30日後頃に土寄せをします。
 昔からサツマイモは「地力があって肥料気のない土で作れ」と言われています。今の言葉に言い換えれば「完熟堆肥で土づくりを行い、窒素肥料は控えめに」でしょうか。

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2020.06更新

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