土づくりのための堆肥や石灰は、いつ頃施用したらよいですか?
土づくりのための堆肥や石灰の施用は、野菜の作付けの2週間以上前に行い、施用後は深く耕して土によく馴染ませておいてください。これは堆肥や石灰が効果を発揮するまでには、ある程度の時間を要するからです。
堆肥は畑に撒かれると、土の中の微生物のエサとなり、作物の生育に有用な微生物が土の中で増殖し、それらの微生物は病害虫の侵入から根を守り、土壌の団粒化を促して通気性や排水性を確保するなど、健全な作物生育に繋がる様々な効果を発揮します。また、微生物により分解された堆肥の成分は、作物の生育に必要な肥料成分に変わり、肥料としての効果も発揮します。
水に溶けにくい石灰は、有効成分として含まれるカルシウムが土の中で徐々に溶けながら作物に養分として吸収され、また土壌の酸性を改良するなどの効果をじわじわと発揮します。これらの時間を考慮して、堆肥や石灰は基本的にたねまきや植えつけの2週間以上前に施用します。
ただし、この間隔は地温によっても変わります。地温が低い時期は長めにとる必要があり、逆に高い時期は短めでもOKです。
また、作物の種類によっても変わり、例えばダイコンやカブなどの根菜類を栽培する場合は、更に時間をおき、できれば作付けの1か月以上前に堆肥や石灰を施用して、土づくりを行うほうが安心です。これは未分解の堆肥や石灰が、根菜類の収穫物である根に直接触れることにより、根の表面に「肥料焼け」と呼ばれる肌荒れを起こし、品質が悪くなることがあるからです。逆に、トマトやキャベツなどの、栽培期間が長く比較的多肥を好む作物の場合、畑の都合により2週間以上の間隔がどうしても取れないようなときには、作付け直前に堆肥や石灰を施用しても、障害が発生することは比較的少ないです。