家庭菜園 記事一覧

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

たねのまき方

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

野菜作りの基本作業「たねまき」の方法は大きく3通りあります。
まき方次第で、発芽率やその後の間引き作業、収穫量などにも関わってくるので、どんな野菜にどのまき方が向いているのか確認しておきましょう。

たねまきの方法

たねまきをしてたねが発芽するためには、それぞれの野菜に適した温度(発芽適温)があります。育てたい野菜のたね袋に記載されている「発芽適温〇度」を必ず確認し、適温に合わせて以下の方法でたねまきをしましょう。

⚫︎すじまき

平らにした土の表面に支柱や板などを押し当ててまき溝を作り、たねが重ならないようにできるだけ均一にまきます。溝の両側の土を指でつまむようにして、たねに土をかぶせます。たねと土が密着するように手のひらで軽く押さえ、たっぷりと水やりしましょう。
★ホウレンソウ、コマツナ、シュンギクなど葉物やニンジン、カブなど

⚫︎ばらまき

平らにならした土の表面にたねをまきます。板などを使って軽く押さえるか、網目の細かい園芸用のふるいで均一に土をかけます。たねが流れないように優しく水を与えましょう。水やり後にたねまきしてもOKです。プランター栽培する葉物や間引き菜を楽しむなら、ばらまきが適しています。
★ベビーリーフ、リーフレタス、サラダ菜、ラディッシュなど

⚫︎点まき

ある程度の株間が必要な野菜やたねの大きな野菜に向いています。空き瓶や缶の底を利用して深さ1~1.5cmのまき穴を作り、たねの間隔をあけてまきます。土をかぶせて手で押さえてから水やりします。
★エダマメやインゲンなどの豆類、トウモロコシ、ダイコン、ハクサイなど

栽培方法の違い

⚫︎直まき栽培

たねを畑やプランターなどに直接まいて育てる方法です。移植を嫌う性質のものや短期間に育成する野菜が向いています。
★ニンジン、コマツナ、ホウレンソウ、シュンギク、カブ、ハクサイなど

⚫︎移植栽培

ポリポットや育苗トレイなどで苗を育ててから畑に植えつける方法です。直まきでは管理しにくい野菜、育苗期間が長い野菜、植える株数が少ない野菜などに適しています。植えつけ適期に生長したら畑やプランターに移植しましょう。
★キュウリやカボチャなどウリ類、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、キャベツなど

好光性(こうこうせい)種子と嫌光性(けんこうせい)種子

野菜のたねには光があった方が発芽しやすい「好光性種子」と、光がない方が発芽しやすい「嫌光性種子」があります。かぶせる土の厚さはたねの直径の2~3倍が目安といわれていますが、好光性種子の場合はごく薄く土をかけましょう。
★好光性種子:ニンジン、シュンギク、レタス、セロリなど
★嫌光性種子:トマト、キュウリ、ナス、タマネギなど

発芽率アップのコツ

オクラやニガウリなど皮が硬いたね(硬実種子)は、一昼夜水につけて吸水させてからまくと発芽がよくなります。また、温度が高い時期(25℃以上)にレタスやホウレンソウなどのたねをまく場合は、一昼夜水につけた後、冷蔵庫に2~3日入れて「芽出し」をしてからまきましょう。

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ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

やさしい甘みが詰まった純白の花野菜カリフラワー

文◎来栖彩子 撮影◎磯野博正

名前に「キャベツの花」の意味があるカリフラワー。
食用としているのは蕾(つぼみ)の集合した花蕾(からい)部分で、ブロッコリーが突然変異で白くなったものといわれています。
日本には明治初期に渡来し、戦後の洋食文化の広がりとともに需要が高まり、ホワイトアスパラガス、セロリとともに「洋菜の三白」と呼ばれ、広く親しまれるようになりました。
徳島市川内町(かわうちちょう)地域はカリフラワー栽培70年以上の歴史があるこだわりの産地です。

川内ブランド「華てまり」

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「品質で勝負しています」と、生産者の多田和宏さん

 吉野川の堆積平野に位置する徳島市では、肥沃な土壌に恵まれ、温暖で雨の少ない瀬戸内式気候を生かして多種多様な農作物が生産されています。
「カリフラワーは、昭和26年(1951年)頃に川内町地域で米の裏作として導入されました。当時はまだ新しい野菜で試行錯誤しながらも、導入当初から白く美しい高品質のカリフラワー作りにこだわってきました」とJA徳島市東部営農経済センターの小谷拓也さん。
 栽培から収穫、出荷までのすべての段階で“白さ”を追求して作業を徹底することで、全国から「川内のカリフラワーを」と求められ、川内ブランドを築きあげました。
 JA徳島市川内カリフラワー部会では、とくに品質の高いものを「華てまり」のブランド名で出荷しています。出荷期間は9月下旬から翌年6月中旬まで。収穫最盛期は12~2月、4~5月となります。
「今では全国各地にカリフラワーの産地がありますが、川内カリフラワー部会は、カリフラワー栽培の先駆者として培った70年の経験とこだわり、さらなる栽培技術の向上で、どこにも負けない純白のカリフラワーをお届けできるよう努めています」と小谷さん。
 とくに12月から2月の冬場のカリフラワーは「光を放つような際立つ白さで、蕾がかたく締まって食感もよく格別」だそうです。
 また、カリフラワーは鮮度が命。鮮度を保ったまま届けられるよう、午前中に収穫し、集荷場で真空予冷をかけてから当日中に出荷。保冷トラックで輸送するコールドチェーン体制が確立されています。

慎重に丁寧に扱い白さを守る

 7月初旬に種まきが始まり、20日~1ヵ月かけて苗を育て、畑に植えつけます。
「玉に日光が当たると黄色く色づいてしまいます。白さを保つために葉を大きく育てて遮光します」と話す生産者の多田和宏さんは、後を継いで2年目、24歳の若手生産者です。水田から転作した畑と米との二毛作の田んぼの約3ヘクタールでカリフラワーを栽培しています。
「祖父の時代に川内でカリフラワーの栽培を始めることになり、祖父、父と川内ブランドを作り上げて繋いできました。カリフラワーはデリケートな作物なので手間がかかりますが、丁寧に扱って手をかけただけきれいなカリフラワーができるのが嬉しいですね」。
 花蕾がピンポン玉くらいの大きさになったら、葉を中に折り込んで日除けをします。湿気がこもると傷みが出るので折り込んだ葉をまた戻したり、葉と玉が擦れないようにしたりと、常に一つひとつの玉の様子を確認しながら作業します。
 植えつけてから収穫まで1~2ヵ月。時期によって生長するスピードが違うので、9〜6月まで出荷し続けられるよう、品種を選び、畑をずらしてタイミングを合わせながら2~3週間ごとに種まき、植えつけをし、収穫も同時進行していきます。
「最後まで花蕾に触れないよう丁寧に扱います」と多田さん。

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収穫して大きな外葉を落として運搬と、すべての作業を手早く慎重に行います

 収穫はひと玉ずつ茎の根元を鎌で切り、まずその場で簡単に外葉を落とします。花蕾が擦れないように自宅へ運び、土などの汚れは霧吹きで落とし、再度、丁寧に外葉を調整して選別し、箱詰め。少しでも擦れたり押されたりすると変色するため、箱の中で動くことのないよう詰めます。最盛期は朝5時半から1日に1500個ほど収穫し箱詰め、約200箱を午前中のうちに出荷します。
「受け継いだブランドを守りつつ、さらに品質をあげて生産量を増やし、もっとたくさんの人に川内の純白のカリフラワーをお届けしたい」と、土壌分析を行って土づくりをしたり、新しい技術の導入や調整作業を効率化するなど、積極的にチャレンジしています。

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【写真左】内葉は手で除き、外葉は花蕾の頭よりやや上で高さをそろえて調整します【写真右】鮮度保持のため、予冷をかけてから出荷

 生食やさっとゆでてコリコリとした食感を楽しむのはもちろん、グラタンや煮込み料理などでも大活躍のカリフラワー。「天ぷらにするのがとにかくおいしい!ホクホクとして優しい甘みがあります。酢の物や、1玉丸ごと逆さに入れて、鍋にして食べるのもおすすめ」とのことです。
 白く美しいカリフラワーは食卓を一段と明るくしてくれます。幅広くいろいろな料理にアレンジしてみてください。

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(取材:2022年5月上旬)
小谷拓也さん
「購入したらすぐ、新鮮なうちに食べて欲しい」と、JA徳島市東部営農経済センターの小谷拓也さん

●JA徳島市

【カリフラワー】生産概要
生産者数:約70名
栽培面積:約43ヘクタール
出荷量:約1200トン
主な出荷先:関西、関東、中四国

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カリフラワーを使った料理カリフラワーと鶏肉のとろみ炒め

京都府・びびあんさん

1人分:約210kcal 調理時間:約25分

材料4人分

  • カリフラワー 1個(約500g)
  • 鶏もも肉 200g
  • 白菜 2枚
  • 大根 3cm分
  • にんじん 3cm分
  • しょうが 1片
  • 小ねぎ 1/2本
  • A
    • 酒、しょう油、片栗粉 各小さじ1
    • 塩、こしょう 各少々
  • B
    • 砂糖 大さじ1
    • しょう油 小さじ2
    • 酒、オイスターソース 各大さじ3
  • 3/4カップ
  • 水溶き片栗粉
    • 片栗粉 大さじ1
    • 大さじ1
  • 塩、こしょう 各少々
  • ごま油 小さじ2

作り方

  1. 鶏肉は一口大に切り、Aをもみこむ。

  2. カリフラワーは一口大の小房に分け、薄力粉少々(分量外)を加えた熱湯でゆでる。

  3. 白菜はざく切り、大根、にんじんは短冊切り、しょうがはせん切り、小ねぎは小口切りにする。

  4. フライパンに油を熱し、1を入れて表面の色が変わるまで炒め、水、白菜、大根、にんじん、しょうがを加えて中火で5分程煮る。

  5. Bを合わせて4に加え、塩、こしょうで味を調える。2を加えて、水溶き片栗粉でとろみをつける。

  6. 器に盛り、小ねぎを散らす。

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カリフラワーを使った料理カリフラワーと豚肉のかき揚げ

大阪府・岸本多美子さん

1人分:約255kcal 調理時間:約25分

材料4人分(約12個分)

  • カリフラワー 1/2個(約250g)
  • 豚薄切り肉 200g
  • にんじん 1/2本
  • しいたけ 2個
  • 薄力粉、片栗粉 各大さじ5
  • ベーキングパウダー 小さじ1/2
  • 冷水 3/4カップ
  • 適量
  • 揚げ油 適量

作り方

  1. カリフラワーは小さめの小房に分ける。にんじんは3cm長さのせん切り、しいたけは薄切りにする。豚肉は2cm幅に切る。

  2. ボウルに薄力粉、片栗粉、ベーキングパウダーを入れ、冷水を加えて混ぜる。

  3. 21を加えて混ぜ合わせる。

  4. 揚げ油を170度に熱し、3をスプーンで一口大ずつ落とし入れ、途中で返しながら4~5分、カリッとするまで揚げる。

  5. 器に盛り、塩を添えていただく。

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カリフラワーを使った料理カリフラワーとカリカリ豚のさっぱり和え

東京都・千代さん

1人分:約140kcal 調理時間:約15分

材料4人分

  • カリフラワー 1個(約500g)
  • 豚バラ肉 100g
  • 小ねぎ 3本
  • おろしにんにく 小さじ2
  • レモン汁 大さじ2
  • しょう油 小さじ1
  • 塩、黒こしょう 各適量

作り方

  1. カリフラワーは小房に分け、2~3分塩ゆでする。

  2. 小ねぎは小口切りにする。豚肉は太めの細切りにする。

  3. フッ素樹脂加工をしたフライパンに豚肉を入れ、中火でカリカリになるまで焼き、脂が十分に出たら、ねぎ、塩少々を加えてさっと炒め、火を止める。

  4. 3ににんにく、レモン汁、しょう油を加えて混ぜる。1を加えて和え、黒こしょうをふる。

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家庭菜園Q&A 肥料編

肥料・土づくりのよくある質問に先生が回答

指導◎岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管) イラスト◎かとうともこQ.野菜に適正な養分を吸収させるポイントを教えてください

 植物の根は水を吸うことで水に溶けた養分を同時に吸収します。根が水を吸うためにはエネルギーが必要です。このエネルギーは根が呼吸をすることで得られます。すなわち、作物が養分を吸収するためには、根の周りに養分を溶かすための水と、呼吸に必要な空気(酸素)が必要です。このため、水分と空気の両者を保持することができる団粒構造(2022年9月号参照)の土を作ることが、野菜に適正な養分を吸収させるポイントの第一点目です。
 次に重要なのは、そもそも養分が水に「溶ける」必要があるということです。養分の水への溶けやすさは、言い換えれば植物への吸われやすさ(養分の「可給性」といいます)です。養分の可給性は土壌条件、とくに土壌pHの影響を大きく受けます。このため、たとえ土壌中で量的には足りていても、土壌条件によっては水に溶けにくくなる(可給性が低下する)ため植物が吸収することができなくなります。多くの養分は弱酸性(pH6.5程度)で最も水に溶けやすくなり、植物に吸われやすくなります(繰り返しますが植物の根は水に溶けた養分を水と一緒に吸うので)。逆に極端な酸性やアルカリ性では養分が水に溶けにくくなり、植物に吸われにくくなります。土壌が極端な酸性やアルカリ性にならないように、普段からの注意が重要です。堆肥には土壌pHの急激な変化を和らげてくれる効果(緩衝能といいます)があるので、堆肥の施用による普段からの土づくりは有効です。しかし、雨が多い日本では石灰類が降雨により下層に流されて作土層(2022年8月号参照)が酸性になる傾向があります。これを矯正するため、石灰類を年に一度程度は施用して、土壌pHを養分が最も溶けやすい弱酸性に維持する必要があります。ただし、土壌pHが高すぎても養分が水に溶けにくくなり、植物が吸うことができなくなるので、酸性矯正のための石灰類は過剰施用にならないようにも注意が必要です。
 作物の生育に必須な養分のうち窒素、リン酸、カリを肥料の三要素と呼びます。これらは作物を栽培するために必要とする量が多いので多量要素とも呼びます。自然の土壌や雨水や堆肥などにも含まれていますが、それだけでは作物には不足しがちなので、肥料として適量を施用する必要があります。これに対して、ホウ素、マンガン、鉄、銅、亜鉛、モリブデンなどの養分を微量要素と呼びます。微量要素はその名のとおり作物が必要とする量が微量なので、自然の土壌や雨水や堆肥に含まれる微量要素だけでも、通常は不足することはありません。とくに、堆肥には作物に必要なほぼすべての微量要素が比較的豊富に含まれているので、堆肥による土づくりを普段から行っていれば、微量要素が不足することはほとんどありません。野菜類を商業的に連作している専業農家などの場合を除けば、家庭菜園等では微量要素入りの肥料は特別に意識して施用する必要はありません。
 このように堆肥による土づくりは、堆肥そのものが野菜に必要なすべての養分の供給源になることに加え、野菜が養分吸収しやすい団粒構造の土壌を作り、また土壌pHの急激な変化から守ってくれるなど、多面的に養分吸収を助けます。普段からの適量の堆肥による土づくりが、野菜に適正な養分を吸収させる重要なポイントといえます。

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「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第49回 真山 仁さん
「農業」が日本を救う!?

著者のプロフィールはこちら

 農業は、謎だらけだ。
 たとえば、小学校の授業で、日本の第一次産業は衰退しており国が支えていると習ってしまうので、「農業は、守らなければならない産業」だと思っている人が多い。
 だが、2013年に発表した食と農業をテーマにした小説『黙示』で取材をした時、「農業は、最後の成長産業だ」と確信した。
 国土の七割が山林のため農地面積が限られているのに、約1億2500万人に主食のコメや野菜、果実などを供給している。
 しかも、味が良く、安全性が高く、供給が安定している。まるで、工業製品を作るような精緻さで、農産物が日々出荷されている。
 そして、年々、農産物の輸出も増えている。経済成長著しいシンガポールや香港を含む中国などでは、高値がついても日本の農産物を買い求める人が大勢いる。
 『黙示』で取材した時、農地がほとんどない香港では、中国大陸のキャベツが一個400円なのに対して、日本のキャベツは1000円以上した。なのに、圧倒的に日本のキャベツが人気だった。
 食糧自給率が、ピンチ!と長年言われている。だが、調べてみると釈然としない数字だと分かった。
 なぜなら、現代では三食白飯を食べている日本人は極めて少ない。なのに、今なお日本政府も多くの日本人も「主食は、お米」だと信じてる。
 朝、パンをかじり、お昼はラーメンを啜り、夜はピザやパスタを食べるような食生活の人がどんどん増えている。小麦由来のものばかりだ。だとすれば、「日本人の主食は、小麦です」と言われる時代が近いかも知れない。
 にもかかわらず、必死で小麦を生産しようとはしていない、気がする。専門家に尋ねると、「日本の風土では、美味しい小麦ができない」らしい。だが、亜熱帯植物のコメを豪雪地帯の新潟や極寒の北海道で栽培し、「おいしい!」と人気のコメを生み出した日本の農業の力を思えば、その発言には疑問が残る。
 改めて「農業って何?」「現状はどうなっているの?」と問い直す時が来ているのではないだろうか。
 農業関係者だけではなく、国民を巻き込んで、農業について深く考えていこう。
 そうすれば、農業は、これからの日本を元気にする可能性に満ちた産業だと気づくのではないだろうか。

イラスト:今井夏子

真山 仁(まやま じん)

小説家 1962年大阪府生まれ。同志社大学卒、新聞記者、フリーライターを経て2004年『ハゲタカ』でデビュー。同シリーズのほか、『当確師』『当確師 十二歳の革命』『レインメーカー』『墜落』など、幅広い社会問題を現代に問う作品を発表している。最新刊は、シンガポールを舞台に光量子コンピューター開発の近未来を描いた『タングル』。
<公式HP>
http://www.mayamajin.jp

真山 仁(まやま じん)
「岩波ジュニア新書957 “正しい”を疑え!」 岩波書店
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

素材のおいしさを活かす【だし】
うま味たっぷり「だし」の魅力を再発見

2013年、ユネスコの世界無形文化遺産に和食が登録されました。
「だし」は、和食のおいしさを生み出すベースです。「だし」から抽出される「うま味」は1908年に日本人によって昆布から発見され、甘味・酸味・塩味・苦味とともに五味の1つとして、今や世界でも「UMAMI」で知られています。
野菜だしや水だしなど、素材の組み合わせや抽出方法などのアレンジも広がっている「だし」。
その種類やうま味成分などについて改めて探ってみました。

 うま味の三大成分は「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」で、これらはさまざまな食品に含まれています。グルタミン酸は昆布や野菜などに、イノシン酸は魚や肉類に、グアニル酸は干しきのこ類に多く含まれますが、すべての食材から「だし」は取れます。食材を煮詰めてうま味を引き出し、煮だした汁がだしです。うま味がたっぷり染み出た汁を料理に活用すると、味が複雑になっておいしさがアップするうえ、塩分や調味料を減らすことにもなり健康的です。
 和食では、昆布、かつお節、煮干しなどが定番のだし素材です。だし用の昆布は、懐石料理の椀物などに使われる利尻昆布、柔らかく関東以北で使われる日高昆布など、種類によって味わいが違います。かつお節は鰹を煮て燻しながら乾燥させた荒節を削ったもの。地域によっては、サバやムロアジ、あご(飛魚)もだし素材として使われています。
 また、乾しいたけは香りと豊かな風味が和食にも中華料理にも合います。野菜では、コクが出るごぼうは煮物などに向き、ネギやニラは味の引き締め役です。甘みの出るタマネギや人参は調味料を使わない離乳食でよく使われています。大豆、かんぴょう、切り干し大根などは淡い甘みのあるだしが取れるので、精進料理に欠かせません。
 野菜のヘタ、芯、皮、種など、普段捨てている部分にも注目。まとめて煮だすと複数の野菜のうま味が合わさった野菜だしに変身します。タマネギや人参の皮、ピーマンのヘタや種、セロリの葉、トウモロコシの芯やヒゲなどを冷凍しておき、ある程度たまったら煮だしてカレー、汁物、煮物などに使いましょう。野菜を無駄なく使うことで食品ロス削減にもつながります。
 うま味成分は組み合わせることで、うま味が一層高まります。お正月料理の煮しめなどは、このうま味の相乗効果を上手に活かした料理です。
 だしを取るのは面倒と思われがちですが、耐熱ガラスのポットにだしを取る食材を入れて電子レンジにかけたり、水に入れて一晩置いたりするだけでもおいしいだしが取れます。カット野菜と昆布を水に浸しただしは、料理に合わせやすくまろやかな風味が特徴です。
 寒さが身に染みる冬、具材のうま味を活かした煮込みや鍋を手始めに、だしをもっと身近にとり入れる生活を始めてみませんか。

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プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

柔らかくやさしい味で体が温まります鶏もも肉の参鶏湯(サムゲタン)

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

1人分:約605kcal 調理時間:約50分(肉を室温に戻す時間、なつめを戻す時間除く)

材料4人分

  • 鶏もも肉(骨つき) 小4本(約1kg)
  • もち米 1/2カップ
  • にんにく 4片
  • しょうが 1片
  • ドライなつめ(種なし) 12個
  • 8~10カップ
  • 1/3カップ
  • 小さじ2
  • こしょう 少々

作り方

  1. 鶏肉は関節の部分から半分に切り、20~30分程置いて室温に戻す。ドライなつめは水に20分程浸して戻し、硬いヘタなどを取る。

  2. にんにくは薄皮を取り、しょうがは皮をむいて薄い輪切りにする。しょうがの皮はとっておく。

  3. もち米は洗ってザルにあげ、水気をきる。

  4. 土鍋などに1の鶏肉、水を入れて強めの中火にかけ、煮立ってきたら、火を弱めてアクを取り、酒を加え、1のなつめ、2(しょうがの皮も)、3、塩を入れて混ぜ、時々底から混ぜながら、蓋をしないで40分程煮込む。最後にしょうがの皮を取り出す。

ココがポイント

韓国料理の参鶏湯を手軽にアレンジしました。
煮立てず弱火でじっくり煮ることで、肉が柔らかく仕上がります。

料理の基本

切り方・煮方・揚げ方など調理の基本をプロが伝授

半熟オムレツの作り方

料理◎大森いく子 撮影◎黒部徹

半熟オムレツは、ふんわりとした口あたりととろける味わいが魅力です。
中はふわとろなのに、きれいな形にまとまるコツを紹介します。

作り方

  1. 卵液を流し入れる

    卵をボウルに入れ、塩、こしょうをし、菜箸を手早く前後に動かして白身を切るように混ぜ、牛乳を加えて混ぜる。フライパンに油を入れて中火にかけ、十分温めたら卵を一気に入れる。

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  2. 半熟状に火を通す

    中火のままフライパンをゆすりながら、菜箸で手早くかき混ぜて半熟スクランブルエッグ状態にする。火の通りが早いので、一旦火から離して余熱でかき混ぜても良い。

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  3. 手前からたたむ

    へらで手前から中心に向かって、卵を折りたたむように寄せていく。

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  4. 余熱で形を整える

    火を止めて、奥の卵の縁も手前にかぶせるように折りたたみ、フライパンのカーブを使って形を整える。オムレツを手前に返して、皿に盛る。

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●フッ素樹脂加工の直径18cm程の小ぶりなフライパンがおすすめです。慣れないうちは、フライパンを適宜火から離しながら作ると、半熟状態のまま仕上げることができます。

オムライス

1人分:約750kcal 調理時間:約30分(炊飯時間は除く)

材料

  • オムレツ(1人分)
    • 3個
    • 牛乳 小さじ2
    • ひとつまみ
    • こしょう 少々
    • サラダ油 小さじ2
  • チキンライス(2合分)
    • 2合
    • 鶏もも肉 1枚(250g)
    • たまねぎ 大1/2個(150g)
    • バター 15g
    • 固形コンソメスープの素 1個
    • 小さじ2
    • 小さじ1/4
    • こしょう 少々
    • ケチャップ 大さじ5
    • パセリ 適宜
    • *簡単手軽な炊き込みごはんのチキンライスです。

作り方

  1. 米は洗ってザルにあげて水気をきる。

  2. 鶏肉を一口大に切り、酒、塩、こしょうで下味をつける。

  3. たまねぎはみじん切りにする。

  4. フライパンを中火にかけてバターを溶かし、3を入れて炒め、透明になったら2を加えて表面の色が変わるまで炒める。ケチャップを加えて全体を混ぜ合わせ、火を止める。

  5. 炊飯器に1、コンソメの素、水を2合の目盛りより少なめに入れ、4を上にのせる(のせるだけで混ぜ合わせない)。

  6. 普通に炊き、炊きあがったら全体を混ぜ合わせ、器に盛る。

  7. 上記を参考にオムレツを作り、6の上にのせ、ケチャップ(分量外)をかける。好みでパセリをのせる。