コラム 記事一覧

ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

もっちり食感で愛され続ける加賀れんこん

文◎編集部 撮影◎磯野博正

加賀れんこんは、金沢市農産物ブランド協会が認定する「加賀野菜」のひとつです。
地元では郷土料理だけでなく普段の食卓に欠かせない人気食材で、出荷量の約7割は北陸3県で消費されています。
もっと全国に加賀れんこんのおいしさを広めたいと生産量の拡大などに積極的に取り組んでいるJA金沢市を訪ねました。

積雪地帯の風土が独特な粘りを育む

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「鮮度にこだわって育てている加賀れんこんの粘りともっちりした食味をお楽しみください」と、JA金沢市加賀れんこん部会の北 博之 部会長

「蓮根」の文字どおり、はすの地下茎を食べるれんこん。加賀れんこんは、約300年前、加賀藩5代藩主前田綱紀(つなのり)の時代に薬用として城中で栽培したのが始まりとされています。
「普通のれんこんと比べて節と節の間が短く小ぶりですが、肉厚なのが自慢です。粘土質土壌の深いところで育つので、土の重みをはね返すため密度が高まり、繊維のきめが細かくなります。また、夏は暑く冬は積雪する寒暖差の激しい気候によって、豊富なでんぷん質が蓄えられ、強い粘りのある食感に育つのも特徴です」と、JA金沢市アグリセンター中部松寺の高田雄介さん。

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 れんこんは冬野菜のイメージが強いですが、出荷時期は8月中旬から翌年5月までと長期間にわたります。
「4月中旬から5月上旬に種れんこんを植えつけると、8月には収穫できるまでに成長します。秋に葉や茎が枯れた後は休眠するので、そのままれんこん田において、収穫量を調節しながら長期出荷を行っています。表皮が茶色ですが、これは収穫直前まで葉や茎を刈り取らずに、自然に枯れるまで残したことで表皮に土の酸化鉄が付いたもの。収穫まで呼吸をしていた新鮮なれんこんの証なんです」と語るのは、JA金沢市加賀れんこん部会の北 博之 部会長。11年前から加賀れんこんの栽培を始め、現在は約2.7ヘクタールのれんこん田を手掛けるとともに、米、大豆、大麦も栽培しています。
 収穫は8月から始まりますが、うま味がのってくるのは9月中旬以降とのこと。
「出荷ピークの11~12月になると、蓄えられたでんぷん質が休眠中に糖に変化し、甘くもっちりした食感が出てきます」と、北 部会長。夏はシャキシャキ、秋はもっちり、冬は糸を引くほど強い粘りと、時期によっていろいろな味わいが楽しめるのも、加賀れんこんならではです。

手探りで1本ずつ丁寧に収穫

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大きな葉が茂り、緑色一面のれんこん田が先まで広がる河北潟

 金沢市と内灘町にまたがる広大な干拓地が、河北潟(かほくがた)です。収穫は、れんこん田の水を抜いて鍬で掘り出す伝統的な「鍬掘り」と、水を張ったままポンプの水圧で掘る 「水掘り」の2種類があり、河北潟は「水掘り」で行います。

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腰を落として屈みながら、手の感覚だけでれんこんを探して丁寧に引き抜きます

「他の葉より小さい『止め葉』ができると収穫時期です。ポンプの水圧で泥を吹き飛ばし、手の感覚だけで1本1本れんこんを探して丁寧に引き抜きます。連なる節の途中で折れたり、傷ついたりすると出荷できないため、手の力のかけ具合など慎重さが求められます」と、収穫の難しさを話す北 部会長。手元が見えない水中での作業は勘が頼りです。また収穫は、夏は深夜1時から、冬は朝6時から約5時間にわたって行われるので、何よりも根気と熟練の技が求められます。
「水深が60cmほどあり、泥土なので動きづらく、冬は雪や水面に張った氷を避けながらの作業となり大変です。でも毎年心待ちにしている人がいるので、部会一丸となって頑張っています」。

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茎にも穴があり、糸状の繊維質がびっしり。この穴を通って酸素がれんこんに届きます

 収穫したれんこんは、自宅の作業場で根などを切り取り、全体をチェック。大きさによってLから3Sまでの5段階に選別して5kg箱に詰め、17時までに集荷場へ出荷します。LやMが全体の7割を占め、多い時は1日50箱ほどになるといいます。

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1本4~5節が主流です。子れんこんと分別して自宅の作業場へ運びます

「全国規模の産地を目指して、栽培面積の拡大を図っていきたいです」と話す、JA金沢市の高田さん。研修制度など新規就農のサポート体制を確立して生産者を増やすとともに、全国の市場へPRを進めています。

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【左】規格外のれんこんを袋詰めで出荷する試みも行っています
【右】加賀れんこんのPRのため、加工品をキッチンカーで販売しています

 北 部会長のおすすめの食べ方は、弱火でじっくり焼いた厚切りれんこんステーキと、汁にすりおろしを落として作るすり流し汁。つなぎを必要としない粘りを生かした料理といえば、もっちり食感が楽しめる郷土料理のはす蒸しも有名です。れんこんは、食物繊維やビタミンCが豊富で、寒さで代謝が落ちる冬におすすめの食材。お正月料理だけでなく、日々の食卓でも活躍間違いなし。藩政時代から栽培されてきた加賀れんこんが持つ、独特の風味と粘りをぜひお試しください。

高田雄介さん
「多くの皆様に加賀れんこんのおいしさを伝えたいです」と、JA金沢市の高田雄介さん

●JA金沢市

【加賀れんこん】生産概要
栽培面積:45.8ヘクタール(2022年実績)
生産者:45名
出荷量:約578.7トン(2022年実績)
主な出荷先:北陸3県、関東、関西、中京

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読者のわが家の味を料理のプロが再現!

食感を楽しむれんこん料理れんこんのチヂミ

岐阜県・Qさん

1人分:約220kcal 調理時間:約30分

材料4人分

  • れんこん 300g
  • にら 50g
  • キムチ 60g
  • 1個
  • ピザ用チーズ 40g
  • 片栗粉 大さじ6
  • 少々
  • ごま油 大さじ2
  • 白いりごま、黒こしょう 各適量
  • だししょう油、ナンプラー 各適宜

作り方

  1. れんこんは皮をむき、100g分を薄いいちょう切りにし、残りは大きめのボウルにおろし金ですりおろす。

  2. にらは1~2cm幅に切り、キムチは1cm幅に切る。

  3. 1のすりおろしたれんこんに卵、片栗粉、塩を入れてよく混ぜ合わせ、いちょう切りのれんこん、2、チーズを加えて混ぜる。

  4. フライパンに油を熱して3を平らにのばし入れ、強めの中火で5分程焼き、裏に返して4~5分焼く。

  5. まな板に取り出し、食べやすく切って器に盛り、ごま、こしょうをふり、好みでだししょう油、ナンプラーを添える。

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食感を楽しむれんこん料理れんこんソテーオイスター風味

大阪府・青木孝子さん

1人分:約130kcal 調理時間:約25分

材料4人分

  • れんこん(太めのもの) 400~500g
  • オイスターソース 大さじ1.5~2
  • 小さじ2
  • しょう油 小さじ2
  • サラダ油 大さじ1~2
  • ごま油 大さじ1/2
  • 小ねぎ 4本

作り方

  1. れんこんは皮をむいて1cm厚さの輪切りにし、水でさっと洗って水気をふく。小ねぎは小口切りにする。

  2. フライパンにサラダ油を熱し、れんこんを並べて強めの中火で両面を色よく焼き、弱火にしてオイスターソース、酒、しょう油を加えてからめ、仕上げにごま油をふる。

  3. 2を器に盛り、小ねぎを散らす。

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食感を楽しむれんこん料理れんこんだんご汁

佐賀県・武富淳子さん

1人分:約215kcal 調理時間:約30分

材料4人分

  • れんこん 250~300g
  • しめじ 1袋
  • 白玉粉 約160g
  • だし汁 6カップ
  • 大さじ2
  • しょう油 小さじ2
  • 小さじ1
  • 小ねぎ 適量

作り方

  1. しめじは根元を切り、食べやすくほぐす。小ねぎは小口切りにする。

  2. れんこんは皮をむいてボウルにおろし金ですりおろし、白玉粉を入れて手でよく混ぜる。白玉粉の量を調整しながら耳たぶぐらいのやわらかさになるようよくこね、一口大に丸く形作る。

  3. 鍋にだし汁を煮立て、2の中心を指で押さえて入れる。すべて入れて浮いてきたら、しめじを加え、酒、しょう油、塩を加えて味を調える。

  4. 3を器に盛り、小ねぎを散らす。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

キッチンハーブ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

お茶やサラダに、肉料理の香りづけや臭い消しなど、ハーブは料理の味を引き立ててくれます。キッチンやベランダで育てれば、花の彩りや葉のグリーンを楽しめ、新鮮なハーブを必要なだけすぐに摘み取れます。

寒さに強く、ベランダや室内に置いて手軽に楽しめるハーブを紹介します。苗から育てるとすぐに収穫できますが、たねからの栽培も比較的容易に、間引きながら育てられます。大きめの鉢に寄せ植えすれば、いろいろなハーブが楽しめて便利です。

葉が混みあってきたら、こまめに摘み取って使いましょう。

冬におすすめのハーブ

⚫︎ミント類

寒さに強く丈夫。スッキリ爽やかな香りでスペアミントやペパーミントなどいろいろな種類があります。肉料理、麵料理、サラダのトッピング、スイーツの飾りなどに。

⚫︎ローズマリー

肉や魚、ジャガイモ料理との相性は抜群。たねから育てると時間がかかるので、苗や挿し木で育てるのがおすすめ。キッチンの窓辺など日当たりのよい場所で乾燥気味に育てましょう。

⚫︎タイム

肉料理の臭みを消し、コクと風味を与えます。ビネガーやオイル漬けなどにも。ベランダの風通しがよく日当たりのよい場所に置いて育てましょう。

⚫︎オレガノ

寒さや乾燥に強く丈夫。肉料理やトマトソースなどイタリア料理に欠かせないハーブです。根元から5cmくらいの所で切って乾燥保存して使いましょう。

⚫︎パセリ

料理の付け合わせに欠かせない定番ハーブ。葉が縮れたモスカールドパセリと平たいイタリアンパセリがあります。窓辺の日当たりのよい場所に置いて、水切れしないように管理しましょう。

用意するもの

好みのハーブのたねや苗
素焼きやプラスチックの鉢、プランターなど
ハーブ用の培養土
鉢底ネット、鉢底石(大きめの赤玉土など)、移植ゴテ(シャベル)
水差しや霧吹き、園芸用ハサミ

土入れ

鉢の底の穴に鉢底ネットを敷いて、深さの5分の1まで鉢底石を入れてならし、その上に培養土を入れます。


たねまき

細かいたねは古いハガキなどを使ってばらまきにします。薄く土をかけて霧吹きなどでやさしく水やりします。発芽するまで土が乾かないように新聞紙などをかぶせておくとよいでしょう。

間引き

発芽したら、混んでいるところを間引きます。本葉3枚くらいまで順次間引き、それぞれのハーブにあった間隔で1本立ちにします。

水やり

ハーブは多湿を嫌うので、土の表面が乾いたら、底から水が流れるくらいたっぷりあげましょう。冬場は暖かい日中に与えます。葉や茎に直接水が当たらないように根元にかけましょう。

1. 若い枝を7~10cm切り取る。

2. 切り口をナイフで斜めに切る。

3. 下の方の葉(3分の1程度)を取り除き、コップの水に1時間程浸けておく。

4. 土にさして水やりし、2~3日日陰に置いてから日当たりのよい場所で育てる。

5. 根がでてきたら別の容器に植えつける。


タイム、セージ、バジル、ローズマリー、ミント、レモンバームなどは挿し木で増やせます。

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家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(JA全農耕種総合対策部テクニカルアドバイザー) イラスト◎かとうともこQ.どのように防寒したらよいか? ―野菜の耐寒性と防寒対策―

 晩秋になって霜が降りると、野菜に寒さの害や凍害が発生します。朝の気温が3~5℃になると霜が降りやすく、霜害が発生する危険があります。寒害や凍害を防止するためには、野菜の耐寒性に応じた防寒対策を講じることが大切です(表)。
 秋冬どり野菜の多くは耐寒性が強く、弱い霜では被害を受けません。タマネギやラッキョウなどは、マイナス8℃の低温に耐えることができるので、厳寒期でもこれといった防寒対策を必要としません。
 キャベツやレタスのような結球野菜は結球すると耐寒性が弱くなります。たとえば、レタスは、結球前はマイナス4℃まで耐えますが、結球するとマイナス2℃が限界です。
 また、徐々に気温が低下すれば耐えられても、暖かい日が続いてのびのび生育しているところに、急に寒い日がくると寒さの害が発生しやすくなります。
 野菜の種類や生育の状態などに応じて、必要な防寒対策を行いましょう。

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「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第60回 千住真理子さん
卵かけご飯

著者のプロフィールはこちら

 生卵を毎朝3つ、ガラスのコップに割り入れて呑む。喉越しでその卵の美味しさがわかる。この食べ方が出来るのは日本の新鮮な卵、だけだ。
 15年ほど前からこれをやるようになって風邪を全くひかなくなった。
 コレステロールを心配される方もいらっしゃるが、私の場合は定期的血液検査で全く問題ない。むしろ様々な値が優等生になっている。
 「生卵呑み」は15年ほど前から始めた。きっかけは体調を崩したことだった。演奏会当日、点滴を受けながら演奏する日々に、なんとかもっとしっかりした身体を作れないかと考えた末、思い付いたことだった。
 卵の栄養のおかげで私はみるみる健康になっていった。それからというもの演奏活動に卵は欠かせなくなった。
 この「生卵」というのがポイントだ。何より、どんなに時間のない朝でもサプリメントの如く一瞬で栄養が摂れる。茹で卵にすると茹で時間も食する時間もかかってしまう。
 もちろん時間があれば半熟やオムレツ、卵焼き、卵炒飯など出来るが、私は時間が無い時のほうが多い。時間があったとしてもせっかち故、いかに素早く栄養を摂るか、と考える。だから「生(なま)」がいい。
 でも、本当は「卵かけご飯」が最も好きだ。
 少し時間があれば、炊き立てのご飯を待って生卵を割り入れる。炊き上がったお釜の蓋を開ける瞬間、ワクワクする。お米の炊き立ては何もなくても美味しいし、ただお塩をかけただけでも充分に満足なのだが、卵かけご飯とくれば、この上なく贅沢だ。
 炊き立てほかほかご飯の真ん中を少しへこませて、そこに新鮮な生卵を割り入れ、かき混ぜ過ぎずささっと混ぜてお醤油を垂らし、ジュルジュルッと食べる。お醤油の濃いところ、かかってないところの変化、白身の喉越し、黄身の濃厚な旨み、その口当たりの違い……何杯でも食べられる。
 お醤油のかわりに、瓶のほぐしシャケを入れたり、なめ茸を入れたり、海苔の佃煮を入れたり、納豆を混ぜれば最強の旨さだ。
 自分がこの世を去る最後に、食べたいのが「卵かけご飯」…… うわっ、今すぐ食べたい!

イラスト:はやしみこ

千住真理子(せんじゅ まりこ)

ヴァイオリニスト。2歳3ヵ月よりヴァイオリンを始める。NHK交響楽団と共演し、12歳でプロデビュー。1977年第46回日本音楽コンクール優勝、など受賞歴多数。2002年秋、ストラディヴァリウス「デュランティ」との運命的な出会いを果たし、話題となる。コンサート活動以外にも、講演会やラジオのパーソナリティを務めるなど、多岐にわたり活躍中。
<公式HP>
https://marikosenju.com/

千住真理子(せんじゅ まりこ)
撮影 kiyotaka Saito(SCOPE)
「千住家、母娘の往復書簡 母のがん、心臓病を乗り越えて」千住文子共著
文春文庫
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

部位ごとの味わいを楽しむ【鶏肉】
部位を使い分け、特徴を生かして
もっとおいしく楽しみましょう

鶏肉は脂肪が少なく低カロリー、良質なたんぱく源です。
煮る、焼く、蒸す、揚げるなど、さまざまな方法で調理できる家庭料理の万能食材。
ササミ、ムネ、モモ、手羽先、手羽元などに分かれますが、それぞれおすすめの調理方法があります。
知っているようで知らない鶏肉の部位の魅力を探ります。

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 コクがあって、うま味の強いモモ肉、煮込むとコラーゲンが溶け出す手羽など、鶏肉は部位によって肉質に特徴があります。皮を除くと低脂肪でたんぱく質を多く含み、低カロリーなので健康志向の高まりとともに、幅広く利用されています。特にムネ肉には、抗酸化作用のあるカルノシン、アンセリンといったイミダゾールジペプチドが多く含まれています。これらは、食肉や魚肉に含まれる機能性成分のひとつ。渡り鳥や回遊魚は長時間連続して運動できますが、その骨格筋に多く含まれています。イミダゾールジペプチドは、疲労感の軽減が期待できると注目の成分です。
 鶏の羽の付け根部分が手羽元、関節から羽先までが手羽先です。手羽先の先端部分(チップ)を外したものは手羽中といい、手羽中の2本の骨に沿って2つに割ったものが「手羽中半割」や「手羽中ハーフ」、「スペアリブ」として販売されます。骨が1本なので食べやすく、火の通りが良いことから、人気の部位です。手羽先、手羽元どちらも骨付き部位なのでうま味成分が強く、ほどよい脂肪と深みのある味わいが楽しめます。手羽元はお酢を使った煮込みに、手羽中はパエリアや、フライパンやグリルで手軽に焼いてどうぞ。手羽先は、丸ごと楽しめる唐揚げやサムゲタン風スープが向きます。手羽先の先端部分(チップ)は、骨や皮が多くコラーゲンたっぷりなので、スープや炊き込みごはんを作るときに一緒に加えると味がグッと際立ちます。
 モモ肉は1羽から2枚取れます。運動量の多い筋肉の部分なので、味にコクがあります。唐揚げや照り焼き、ソテーと何にでも合う万能部位。骨付き肉ならローストチキンやワイン煮など、ハレの日のご馳走にもなるボリューム感が魅力です。
 ムネ肉も1羽から2枚取れ、高たんぱく質で低脂質。味は淡白ですが、うま味成分はしっかりあります。あっさりとしたムネ肉は、竜田揚げや鶏ハムで楽しみましょう。鶏ハムは一口大に切ったムネ肉で作れば、沸騰したお湯に入れ、火を止めて4~5分置くだけでできるので、意外と簡単。ムネ肉は、照り焼きや煮物、蒸し物など幅広い料理に利用できますが、火を通し過ぎるとパサパサしてしまうので、火加減に注意してください。
 形が笹の葉に似ているササミは、ムネ肉の内側に隠れている肉で、1羽に2枚。たんぱく質が最も多く、脂肪が少なく、やわらかな肉質です。サラダや和え物のほか、硬い筋を除き、開いてカツにするとジューシーな鶏のうま味が楽しめるほか、バンバンジーにも向いています。
 部位ごとにおいしさが違うのが鶏肉の魅力。普段は買わない骨付き肉を使ったレシピにチャレンジするなど、部位の特徴を生かした調理法でそれぞれのうま味を味わい、鶏肉を丸ごと楽しんでみてはいかがでしょうか。

手羽先の先端“チップ”で作る!スープベースレシピ

材料を煮込むだけでできる簡単なスープのだしです。
そのままスープにしても、カレーや煮物に使ってもOK。コクが出ます。


----- 材料 ------
チップ(手羽先の先端部分)・・・10~20本
水・・・1,000ml
酒・・・大さじ3
長ネギ(青い部分)・・・1~2本分

------ 作り方 -----
1 鍋にすべての材料を入れ、沸騰させる。
2 弱火にし、アクを取りながら1時間程度煮る。
3 2をザルでこす。

全農チキンフーズのホームページ 鶏肉の部位別レシピはこちら▼

プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

骨つき鶏もも肉を2つに分けて賑やかに楽しみますフライドチキン2種とポテト

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

1人分:約965kcal 調理時間:約60分(下味をつける時間除く)

材料4人分

  • 骨つき鶏もも肉 4本(1本約300g)
  • じゃがいも(メークイン) 4個
  • 小麦粉 適量
  • 少々
  • 揚げ油 適量
  • フリルレタス、ミニトマト 適宜

A:シンプルチキン

  • 鶏もも肉(足先の部分) 4本(約600g)
  • レモン汁 大さじ2
  • しょうが汁 大さじ1
  • 白ワインまたは酒 大さじ1
  • しょう油 大さじ1
  • 小さじ1
  • こしょう 少々

B:スパイシーチキン

  • 鶏もも肉(上の部分) 4本(約600g)
  • たまねぎのすりおろし 1/4個分
  • おろしにんにく 1片分
  • おろししょうが 大さじ1/2
  • 白ワインまたは酒 大さじ2
  • オールスパイス 大さじ1/2~1
  • タイム(乾燥) 小さじ1
  • バジル(乾燥) 小さじ1
  • シナモンパウダー 小さじ1/2
  • ナツメグ 小さじ1/4
  • チリパウダー 大さじ1/2
  • 小さじ1と1/4
  • こしょう 大さじ1/2

作り方

  1. 鶏肉は皮目を下にして関節から半分に切る。足先の部分は骨に沿って縦に3本程浅く切り込みを入れる。(A)シンプルチキンにする。

  2. 上の部分は骨に沿って切り込みを入れて骨を取り、皮目を下にして筋を切るように浅く3本程切り込みを入れる。(B)スパイシーチキンにする。

  3. ボウルを2つ用意し、A、Bそれぞれの調味料、鶏肉を入れて手でよく揉み込み、30分~1時間程、途中上下を返しながら室温に置き、下味をつける。

  4. じゃがいもは皮のまま洗って縦6等分のくし形に切り、水でさっと洗って水気をふく。

  5. 中華鍋などに油を入れて中温に熱し、4を入れて全体を混ぜ、弱火で5分程揚げ、竹串を刺してすっと通ったら高温にし、色よくカリッとしたら取り出し、塩を軽くふる。

  6. 3のAの鶏肉の水気をふき、小麦粉を全体にまぶして余分な小麦粉をはたく。4本すべて5の油に入れて混ぜ、弱火にして途中上下を返しながら15分程ゆっくり揚げ、最後に強火にして色よく、カリッと揚げて取り出す。Bの鶏肉もAと同様に揚げる。

  7. 56を器に盛り、レタス、ミニトマトを添える。

※スパイシーチキンのスパイスは、すべてそろわなくても作れます。

ココがポイント

揚げ油が汚れないよう、味の薄いものから順に揚げていきます。
低温でゆっくり揚げ、最後に高温にして、ジューシーに仕上げます。

料理の基本

切り方・煮方・揚げ方など調理の基本をプロが伝授

黒豆の煮方

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

おせち料理に欠かせない黒豆は、コツをつかめば難しくありません。
シワがなく、ふっくらやわらかく煮る方法をマスターしましょう。

作り方

  1. 煮汁につける

    鉄鍋に煮汁の材料を入れ、中火にかけて煮立たせて溶かし、さっと洗った黒豆を加えてふたをして8時間~ひと晩おく。

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  2. アクをとる

    中火にかけて煮立ってきたら弱火にし、白いアクを丁寧にとる。

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  3. 差し水

    水で濡らして固く絞ったガーゼをかぶせ、ふたをして豆が踊らない程度の弱火にして4~6時間ほど煮る。豆が煮汁から出るようなら差し水をする。

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  4. 仕上げ

    豆が好みの硬さになったら火を止め、そのまま冷まして味を含ませる。

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●鉄鍋がない場合は、市販の鉄玉などを入れて煮ると、きれいな黒色になります。

黒豆

全量:約2127kcal 調理時間:4~6時間(豆を浸しておく時間除く)

材料作りやすい量

  • 黒豆 300g
  • 煮汁
    • 約8カップ
    • グラニュー糖 150~300g
    • しょう油 大さじ1

作り方

  1. 上記を参考に豆を煮る。

*砂糖の量はお好みで調整してください。砂糖が多い方が、保存がききます。
*豆が煮汁から出て空気に触れるとシワがよるので、ガーゼやクッキングペーパーで落としぶたをし、差し水はそのまま上から足します。
*煮上がりは豆を指でつぶしてみて、指からスルッと抜け出てしまうようならまだ硬いので、豆全体がつぶれるくらいやわらかくなるまで煮て仕上げます。