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ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

守り、育み、受け継ぐ、極上の味丹波大納言小豆たんばだいなごんあずき

撮影◎磯野博正

丹波大納言小豆は丹波栗、丹波黒大豆とともに丹波市特産物として知られています。400年以上前から兵庫県丹波地方で栽培され、粒が大きく俵型、鮮やかな濃赤色で光沢があり、皮が薄いのに煮ても破れにくいのが特徴です。
古くより和菓子屋から求められてきた人気と品質で、小豆の最高峰と言われる、丹波大納言小豆発祥の地を訪ねました。

400年の歴史と一粒へのプライド

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「手をかけて丁寧に育てた小豆の大粒で自然な甘味をじっくり味わってください」と、(株)アグリサポートたんばの奥野 誠さん

 古来より、小豆の赤い色には魔除けなど神秘的な力があると信じられ、赤飯やぜんざい、おはぎなどとして、子どもの成長や長寿などを祝う慶事や行事食に使われてきました。大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ品種は「大納言」と呼ばれます。
「切腹しないで済む公卿の官位『大納言』に例えて名付けられたと言われています。丹波市春日町には『大納言小豆発祥之地』の記念碑があり、江戸時代にはすでに栽培されて、朝廷や幕府に献上されてきた歴史ある特産品です」と、胸を張るJA丹波ひかみ営農経済部営農振興課の山本健太さん。「あん」の原料として、全国の和菓子屋から高い評価を得ており、その品質はお墨付き。しかし、近年は生産者の高齢化や異常気象などの影響もあり、生産量が伸び悩んでいます。
「小豆は天候に大きく左右される上、手のかかる作物です。天候不順で種まきや収穫時期が遅れたり、病害虫が発生したりすると、どうしても手が回らなくなってしまいます。そこで、JAでは出荷場に色彩選別機を導入。手作業で時間のかかる選別作業を引き受け、収穫に専念してもらっています」と、JA丹波ひかみの山本さん。
 また、JAの子会社である(株)アグリサポートたんばでは、高齢のため続けられなくなった生産者の栽培の請け負いや、機械化できていない生産者の作業を一部手伝うなど、伝統ある丹波大納言小豆の栽培面積を維持・拡大するためのサポートを行っています。

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丹波市春日町にある「大納言小豆発祥之地」と記された記念碑

排水対策が一番のポイント

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高畝なので刈り取り機のバランスを見ながら収穫を進めます
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熟成して茶色くなった莢の中に赤い小豆が並ぶ

 収穫作業真っ只中の小豆畑を訪れ、(株)アグリサポートたんばの奥野 誠さんにお話をお聞きしました。
「当社では現在、小豆をはじめ米、小麦、いちご、黒ごまなど約30ヘクタールを6名の社員で管理しています。小豆は100~200アールから始めて現在、510アールまで栽培面積を広げてきました。小豆の栽培で一番肝心なのが排水対策です。小豆は水分に弱く、長雨が続くと根腐れして苗が全部ダメになってしまいます。7月中旬の種まき時期は、梅雨と重なるので、雨水が溜まらないようにしっかり高く畝立てすることが大切です」とのこと。雑草対策や天候不順による病害虫防除などに気を配りながら成長を見守り、11月中旬~12月中旬にかけて成熟したものから順次収穫していきます。
 機械で株を収穫して莢(さや)から豆を取り出す脱粒(だつりゅう)作業、その後は豆の水分が17%以下になるまで乾燥機などに入れて乾燥させ、ゴミや形の悪いものなどを手選別してから出荷となります。この細かくて手間のかかる選別作業をJAが一手に引き受けて作業の省力化が図られました。

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色彩選別機によって色の鮮やかさまで細かくチェック。色合いが良く、積み上げられる俵型の粒が良いとされています
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【左】未熟な軽い粒を取り除く比重選別
【右】3種類の網を通して粒の大きさを2L、L、Mに選別

「畑の周りは山で、この辺は鹿が多い。電気柵を張り巡らせているけど、荒らされてしまいます」と獣害を嘆きます。それでも「この地でしか栽培できない伝統の特産品だから、しっかり守り受け継いでいきたい。2022年からは種子用の栽培も行っています」と、奥野さん。品種改良はせず、良質のものを選抜しながら翌年の種子用にしています。
 全国の小豆生産量の90%以上が北海道産です。丹波大納言小豆は1%に届くかどうかという生産量。伝統の味を知って受け継いでもらうために、丹波市では小・中学校の給食で小豆料理を提供しています。市内でも大納言小豆を使ったぜんざいを供するお店が増えるなど、小豆のおいしさや価値を再認識してもらうよう地域全体でアピールしています。
 手間がかかり難しそうな赤飯も、炊飯器を使えば自宅で簡単に作ることができます。小豆を煮ると煮汁が赤くなりますが、赤い色はポリフェノール。食物繊維やサポニンなども含まれています。丹波大納言小豆は希少ですが、日々の暮らしに小豆を取り入れてみませんか。

(取材:2023年11月下旬)

山本健太さん
「サポート体制を強化し、効率化を進めて収量を上げていきたいです」と話す、JA丹波ひかみの山本健太さん

●JA丹波ひかみ

【丹波大納言小豆】生産概要
生産者:約900人
栽培面積:約280ヘクタール
出荷量:200トン弱
主な出荷先:京都など

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うま味を味わうきのこ料理きのこのバルサミコ酢マリネ

東京都・いおりんさん

1人分:約95kcal 調理時間:約20分(冷ます時間は除く)

材料4人分

  • しめじ、まいたけ、マッシュルーム、エリンギ 合わせて400g
  • にんにく 2片
  • 小さじ2/3
  • ドライハーブ(ローズマリー、オレガノ、バジル) 各小さじ1
  • オリーブ油 大さじ2
  • <マリネ液>
    • たまねぎ 1/8個(30g)
    • バルサミコ酢 大さじ1
    • レモン汁 大さじ1
    • はちみつ 大さじ1/2
    • マスタード 大さじ1/2
  • リーフレタス、ハーブ 適宜

作り方

  1. マリネ液を作る。たまねぎはみじん切りにしてボウルに入れ、他の調味料を混ぜ合わせておく。

  2. しめじは根元を落としてほぐし、まいたけは食べやすい大きさに切り分ける。マッシュルームは十字に4等分に切り、エリンギは長さを半分にして、さらに縦半分に切って3mm厚さの短冊切りにする。にんにくはみじん切りにする。

  3. フライパンに油を中火で熱し、2のきのこを入れて炒め、油が回ったら時々混ぜながら焼き色がつくまでじっくり焼く。きのこが最初の半量程度になったら塩とにんにくを加える。にんにくの香りがしたら火を止め、ドライハーブを混ぜ合わせる。

  4. 3を熱いうちにマリネ液のボウルに入れてあえ、冷まして味をなじませる。

  5. 器に盛り、リーフレタスやハーブを添える。

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うま味を味わうきのこ料理きのこたっぷり餃子

埼玉県・うにさん

1人分:約240kcal 調理時間:約35分

材料4人分(24個)

  • 豚ひき肉 130g
  • えのきたけ 1パック(100g)
  • しいたけ 1/2パック(50g)
  • まいたけ 1/2パック(50g)
  • にら 1〜2本
  • 白いりごま 大さじ1と2/3
  • 餃子の皮 24枚
  • 小さじ1/3
  • こしょう 少々
  • しょう油 小さじ2
  • ごま油 大さじ1/2
  • サラダ油、水 各適量
  • タレ(酢、しょう油、ラー油など) 適宜

作り方

  1. えのきは根元を切り落としてみじん切り、しいたけは石づきを切り落としてみじん切り、まいたけとにらもみじん切りにする。

  2. ボウルに豚ひき肉を入れ、塩、こしょう、しょう油、ごま油の順に加えてよく混ぜ、さらに1とごまを加えて粘りが出るまで混ぜる。24等分にして餃子の皮で包む。

  3. フライパンに油大さじ1をひいて餃子を並べ、中火で3分程焼いて焦げ目がついたら水1/2カップを加えて蓋をし、水分がなくなったら蓋をとって1分程焼く。同様に2~3回に分けて焼く。

  4. 器に盛り、酢じょう油などお好みのタレを添える。

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うま味を味わうきのこ料理きのこみそ

栃木県・いちごさん

全量:約560kcal 調理時間:約20分

材料作りやすい量

  • エリンギ 2パック(200g)
  • えのきたけ 2パック(200g)
  • しめじ 2パック(200g)
  • しいたけ 1パック(100g)
  • 大葉 10枚
  • 白いりごま 大さじ1
  • 小さじ1/4
  • 砂糖 大さじ1と1/2
  • みそ 大さじ3と1/2
  • ごま油 大さじ2

作り方

  1. しいたけは石づきを切り落とし1cm角に切り、エリンギも1cm角に切る。えのき、しめじは根元を落として1cm長さに粗く刻む。大葉も1cm角にする。

  2. フライパンに油を中火で熱し、1のきのこを入れて軽く炒め、塩を加える。さらに炒めてしんなりして水分が出てきたら砂糖とみそを加えてよく混ぜる。

  3. 2の水分がなくなったら、ごまと大葉を加えてひと炒めして火を止める。

  4. 器に盛り、大葉(分量外)を添える。
    ※ご飯や豆腐などにのせてどうぞ。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ミツバ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

水やりをこまめに行えば、半日陰でも元気に育ちます。プランターでも簡単に栽培できます

 1本の茎に3枚ずつ葉が付くことから「三つ葉」。セリ科の多年草で、数少ない日本原産の野菜です。市販されているのは「糸ミツバ(青ミツバ)」「切りミツバ(白ミツバ)」「根ミツバ」。糸ミツバは根元まで緑色で、遮光して軟白栽培したのが切りミツバ。春まきして1年間育てた株元に土寄せをして新芽が伸びてきたら掘り出すのが根ミツバで、根も食べます。家庭菜園では、軟白させない糸ミツバが栽培しやすくおすすめです。
 生育適温は15~20℃で冷涼な気候を好みます。半日陰や水はけの悪い場所でも育ちますが、高温・乾燥が苦手。発芽率が良くないので多めにまいて間引きしながら育てます。購入したミツバに根が付いていたら、水に挿したり土に植えたりして栽培できます。連作障害対策で同じ畑は2~3年あけましょう。

たねまき

支柱などを使って深さ5mm程度のまき溝を作り、すじまきにします。好光性種子なので、うすく土をかぶせて軽くおさえ、水やりします。芽が出るまでは、土の表面が乾く前に水やりしましょう。寒さが心配なら、保温のためにビニールトンネルをかけると良いでしょう。

発芽・間引き

7~10日で発芽します。芽が出そろったら、混み合っているところを間引きます。本葉4~5枚の時に株間が4~5cmになるように、生育に合わせて数回間引き、土寄せしましょう。

水やり・日除け・霜除け

乾燥を嫌うので、株元にワラや刈り草などを敷きましょう。土の表面が乾いたら水やりします。晴れた日は朝と夕方にたっぷり水やりしてください。夏には黒寒冷紗などで日除けを、冬はべたがけやトンネルで防寒します。

追肥

根ごと抜き取って1回で収穫する場合には不要です。葉を刈り取りながら、根を残して収穫を続ける場合には、市販の液肥(6-10-5など)を500倍程度に薄めて、水やりを兼ねてジョウロなどで株の上からかけてください。生育をよく観察して、葉の色が淡くなったり、茎の伸びが弱くなったと感じた時が、追肥のタイミング。ただし、あまり肥料を効かせすぎても、葉が硬くなり食感が悪くなるので、注意してください。

収穫

草丈が15~20cmになったら、根元から2~3cmのところで必要な量だけ切り取ります。収穫したてのミツバは香りが抜群に良いので、卵とじやサラダにしたり、お吸い物や鍋物に入れて楽しみましょう。ミツバは切ってもまた新芽が出てきて、何回か収穫できます。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

ミツバは見かけによらず丈夫な野菜で、土をあまり選びませんが、過去1年以上、堆肥や石灰類を施用していない場合には、たねまきの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100gを散布し、根が深く張れるように深く耕しておいてください。
元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し、土に混ぜ込んでください。ミツバのたねは細かいので、肥料を混ぜ込んだ後に大きな土の塊がある場合には、ザックリとほぐしておいてください。

●ミツバの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

栽培スケジュール

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家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(元JA全農 耕種総合対策部技術主管) イラスト◎かとうともこQ.野菜の病気の予防と対策は?

 良質な野菜をつくるためには、病気から野菜を守ることが必要です。そこで今回は、病気が発生する要因と防除のポイントを紹介します。

〇病気発生の3つの要因

 糸状菌(カビ)や細菌、ウイルスなどの病原体があるだけでは、病気は発生しません。病気は、原因となる病原体に加えて、発病しやすい環境、病気にかかりやすい野菜の性質という3つの条件がそろったとき、初めて発生します(下図)。それぞれに対策を講じ、要因を1つでも取り除くようにします。

【図】病気発生の3つの要因
【図】病気発生の3つの要因

⚫︎病原体要因を取り除くには
・ウイルス病を媒介するアブラムシ類などを防除
・マルチで泥の跳ね返りを防ぐ
・土壌消毒をする
・殺菌剤を使う

⚫︎環境要因を取り除くには
・有機物を施用し、土壌微生物を増やす
・雨よけ栽培をする
・土の水はけを改善する
・整枝や適切な栽植密度で、通風と日当たりを確保する

⚫︎作物要因を取り除くには
・水はけの良い土づくり、健苗(健康な苗)の育成、適期定植、施肥・整枝を適正に行うことなどによって、健康的な野菜を育てる
・接ぎ木苗を使う
・耐病性のある品種を選ぶ

〇病気の防除

 病気を防ぐ対策の基本は、3つの要因がそろわないように、それぞれの対策をとって、発病リスクを減らすことです。
 たとえば、根こぶ病が出た畑ならば、アブラナ科野菜を栽培しない、栽培するなら抵抗性品種を選ぶ、土壌pHを6.5以上にする、水はけをよくして菌を活動しにくくする、根こぶ病菌を防除する適用農薬を使用する、といった対策をとります。
 病気を引き起こすおもな病原体の特徴と防除方法は、表のようになります。

表 野菜に寄生するおもな病原体の種類の特徴と対策

病原体の種類 特徴 種類 対策
糸状菌 植物の病気の8割程度を占め、かびまたは菌類ともいう。菌糸と、その一部に胞子という繁殖器官をつくる。菌糸は植物の表皮を突き破って侵入できる。 ナス科、ウリ科、ユリ科野菜の疫病。野菜全般に発生するべと病、うどんこ病、菌核病。ウリ科野菜のつる割病、つる枯病。ハクサイなどアブラナ科野菜の根こぶ病など。 雨よけや、畑の水はけを良くする。抵抗性品種を利用する。土壌病害には輪作をする※。適用農薬を使用する。
細菌 作物体内への侵入は、作物の表面にできる傷口や気孔、水孔、皮目などの自然開口部から行われる。水を好み、降雨後に発生することが多い。 野菜全般に発生する軟腐病、黒斑細菌病。トマト、ナスなどナス科野菜の青枯病。キュウリなどの斑点細菌病など。 泥はねを防ぐ、作業で茎葉を傷つけない。畑の水はけを良くする。抵抗性品種を利用する。土壌病害には輪作をする※。適用農薬を使用する。
ウイルス 光学顕微鏡で見えないほど小さい。作物どうしの接触、傷口、アブラムシやアザミウマなど、昆虫を媒介して伝染することが多い。予防・治療薬がなく、一度感染すると治らない。 野菜全般に発生する各種モザイク病。トマトの黄化葉巻病など。 防虫ネットなどで被覆し、アブラムシなどの昆虫の飛来を防ぐ。抵抗性品種を利用する。

※ 土壌病害とは、土壌中に生息する病原によって引き起こされる病気をいう。輪作することで、病原体が増殖するのを抑え、菌密度が高まって発病を引き起こさないようにする予防効果がある

〇よく見られる病気と対処法
 家庭菜園でよく見られる病気と対処法をご紹介します。

①トマトの疫病(糸状菌)
 水がしみたような黒褐色の病斑ができ、かびが発生する。多湿下で発生するので雨に当てず、マルチで泥はねを防ぐ。降雨前後に適用農薬を散布する。

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②タマネギのべと病(糸状菌)
 葉が黄変したり、灰色のかびを生じたりする。多雨で発生しやすい。マルチで泥はねを防ぎ、肥え切れさせない。降雨前後に適用農薬を散布する。

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③キャベツの菌核病(糸状菌)
 腐敗し、白いかびのようなもので覆われ、やがて黒い菌核が発生する。高畝にして水はけを良くする。結球する前に適用農薬を散布する。菌核が土壌に残るとほかの野菜にも伝染するので、発病株は早めに畑の外で処分する。

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④ダイコンの軟腐病(細菌)
 地際や根が腐敗して溶ける。土壌中の細菌が傷口などから侵入して発病させる。栽培中、株を傷つけないようにする。台風前後に適用農薬を散布する。

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⑤ソラマメのモザイク病(ウイルス)
 葉が縮れ、モザイク状のまだら模様になる。アブラムシ類が媒介する。銀色マルチやトンネルがけをしてアブラムシ類の飛来を防ぐ。

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[投稿]わが家の菜園

読者の家庭菜園の写真とエピソードをご紹介

わが家の菜園11月

あなたが育てている作物をスマホなどで撮影して送ってください!畑やプランターでの栽培の様子、どんなエピソードでも大歓迎。皆さまのわが家ならではの菜園体験談をお待ちしています。

『人参のプランター栽培』福島県 おっきいオカアチャン

種まきから間引きまでは一生懸命やりましたが夏の暑さで人間も参ってしまい、その後何もやりませんでした。なので人参は長さ20センチあるかどうか位の出来損ないです。
今晩は金平でいただきます。

『7粒が1キロに!大豊作?』神奈川県 マミコさん

7つの可愛い芽が出たのが5月。株のまわりを耕し土寄せしたせいか順調に育ちました。7月に黄色い花は地中に潜っていきました。やっと涼しくなった9月のお彼岸に掘り起こしたら、なんと1キロ超えの落花生に。すぐに実を取り、茹でました。今日はうれしい日になりました。

『今年も玉ねぎは種から』大分県 らびひすいかさん

お店の前のプランターなので、おしゃれな菜園を目指して、玉ねぎの収穫が終わらない内に、枝豆の種を植えて、鳥よけにペットボトルでカバーしたら大成功でした〜、実験菜園もまた楽し!

今月もご応募いただきありがとうございました。
庭先の畑や貸し農園はもちろん、プランターで育てた作物をまずは撮影してください。
たくさん採れた!こんな形になってビックリ!など、楽しいエピソードを写真に添えて、気軽にご応募ください。
次回もたくさんの投稿をお待ちしています。

エプロン編集部より

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料理のポイント

おいしく作る料理のポイントを写真付きで解説

きれいに色づけて、炊飯器で手軽においしく作ります。赤飯

料理◎太田晶子 撮影◎武井優美

1人分:約330kcal  調理時間:約35分(小豆を冷ます時間、米を炊く時間は除く)

材料5〜6人分

  • もち米 3合
  • 小豆 60g
  • 大さじ2
  • 大さじ1/2
  • ごま塩 適量

作り方

  1. もち米を洗う

    もち米は洗って浸水させる(30分したらザルにあげて、10分程しっかり水気をきっておく)。

    Point
    ポイント

    ●もち米の水気をしっかりきると、豆のゆで汁をよく吸って色よく仕上がります。

  2. 小豆をゆでこぼす

    小豆をボウルに入れて2〜3回水を替えて洗い、たっぷりの水と一緒に鍋に入れて中火にかける。沸騰したら火を弱めて10分ゆで、ゆで汁が赤くなったらザルにあげ、ゆで汁は捨てる。

    Point
    ポイント

    ●小豆はアクが強いので、ゆでこぼして苦みや渋みを取ります。これを渋きりと言います。

  3. 小豆をゆでる

    2を洗った鍋に戻し入れ、水5カップを注いで中火にかける。沸騰したらゆっくり対流する程度に火を弱めて13〜15分、硬めにゆでる。1粒取り出して少し力を入れて指でつぶれる位が目安。ゆであがったら、豆の皮が破れるのを防ぐため鍋ごと水に浸けて粗熱をとる。ゆで汁に指を入れられる位に冷めたらザルにあけ、小豆とゆで汁に分けて、それぞれ常温に冷ます。

    Point

    ●ゆで汁が熱いままだと、米の芯が残るなどおいしく炊けないので冷まします。また、ゆで汁は空気にふれると発色がよくなり、米がきれいに色づきます。

    ポイント
  4. ごはんを炊く

    炊飯器の内釜に1を入れ、小豆のゆで汁440ml、酒、塩を加えてよく混ぜ、上に小豆をのせて白米と同様に炊く(設定があれば、おこわモードで炊く。内釜におこわの目盛りがあれば、先に酒を入れて線までゆで汁を注ぐ)。

MEMO

蒸して作るのが昔ながらのやり方ですが、炊飯器でも水加減に気をつければ、ふっくらもちもちに炊きあがります。

「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第71回 嵐山光三郎さん
茄子漬け物の活け造り

著者のプロフィールはこちら

 漬け物の基本は塩漬けである。『東大寺正倉院文書』、平城京木簡(もっかん:荷札)に塩漬け奈須(なす)の記載があり、当時の市場ではかなり高価な野菜であったことがわかる。
 平城京は、いまは土の中だけれど、あの京址に茄子を植えたらいかがであろうか。
 夏の終りに奈良を旅すると、沿道の畑に黒光りする茄子がなっていて、しゃがみこんで見とれてしまう。茄子の漬け物が好きで、自分で漬けてマルゴト食べてしまう。
 ぼくが師事していた深沢七郎オヤカタは埼玉県菖蒲町でラブミー農場を経営していた。深沢さんはタケノコが好きで、はじめて会ったときは、物干し竿をかじっていた。ステテコを干している竿のはじっこがボロボロになっていました。深沢オヤカタは『楢山節考(ならやまぶしこう)』という小説でデビューした小説家で、以前は日劇ミュージックホール(ストリップ劇場)でギターを演奏していた。
 自給自足の生活をする異色の小説家で、ぼくも物干し竿のもうひとつのはじっこをかじらせてもらった。前歯が折れそうになった。
 そのお礼に茄子の漬け物を持っていくことにした。深沢オヤカタは物干し竿をかじりすぎて、歯が欠けていたので、ヌカ漬けの茄子の活け造りにした。これは江戸時代の高級和食店が客に出した。茄子の実を、枝になったまま漬け物にして客に出したという。
 茄子は山形産の小茄子を使う。山形県の親しい農家へ行き、小茄子の苗を七本買い、一本ずつ鉢に植えた。農家から畑の土も七鉢ぶん貰ってきた。鉢に苗を植えて一カ月ほどたつとスクスクと育ち、茄子の花が咲いた。茄子の実が五つつき、形のいい茄子ひとつを選んで育てた。やがて全長五センチほどの実がなった。ビニール袋にヌカをつめて茄子の実を包んでなったまま漬け物にした。
 最初の鉢はヌカドコの塩分が強すぎて萎れてしまった。塩分を調整して茄子の実を乗せる小さな台も作った。三鉢めにうまく漬かった。茄子の漬け物の横に一輪だけ花が咲いているのも風流だ。茄子漬け物の活け造りをダンボールの箱に入れて、朝一番の電車に乗って、ラブミー農場までお届けいたしました。四十五年前の思い出です。

イラスト:はやしみこ

嵐山光三郎(あらしやま こうざぶろう)

1942年、静岡県生まれ。『太陽』『別冊太陽』(平凡社)編集長を経て作家活動へ。『素人庖丁記』で第4回講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑―全紀行を追いかける』で第9回JTB紀行文学大賞を受賞。『悪党芭蕉』は、第34回泉鏡花文学賞、第58回読売文学賞 評論・伝記賞をダブル受賞した。ほかに『追悼の達人』『文人悪食』『「世間」心得帖』『枯れてたまるか!』『超訳 芭蕉百句』など著書多数。

嵐山光三郎(あらしやま こうざぶろう)
『老人は荒野をめざす』
ちくま文庫
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

食べよう、守ろう【こんにゃく】消費減少で産地が苦境に
手間ひまかかるこんにゃくづくり

おでんや煮物に欠かせない食材のひとつ、こんにゃく。
原料は、東南アジア原産でサトイモ科の植物、こんにゃくいもです。
それを粉に加工し、全国の工場や店舗で板こんにゃくやしらたきなどの製品になります。
国産こんにゃくいもの収穫量の9割以上を占めるのは群馬県。
中山間地域の基幹作物として生活を支える重要な役割を担っています。

 こんにゃくいもはシュウ酸という強烈なエグミがあり、ゆでたり、焼いたりしただけでは食べられません。いもをすり下ろし、アルカリ性の凝固剤を入れて練るとようやく食べられます。日本には、飛鳥時代に仏教とともに薬として伝来しましたが、庶民に広まったのは江戸時代。常陸国(ひたちのくに:現・茨城県)の農家、中島藤右衛門がこんにゃくいもを水車で粉にする製法を発明し、一気に全国へ広まりました。

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掘り起こされたこんにゃくいも

 こんにゃくいもは、天気や病害などの影響を受けやすいデリケートな作物です。栽培は種いもづくりから始まります。5月にこんにゃくいもの赤ちゃん(生子・きご)を植え、10~12月に畑から掘り起こします。これが種いもとなり、いもから伸びた生子(次の種いも)とともに、温度管理した貯蔵庫で冬を越します。それを、翌年また畑に植えて…というサイクルを繰り返すと、親指大だった生子が2~3年でカボチャ大(1500g)ほどに成長。1年目のいもは貯蔵、2年目のいもは大きさにより貯蔵または出荷、3年目のいもは出荷と、時間と手間をかけ作られているのです。

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 プルプルした独特な食感は、水溶性の食物繊維グルコマンナンがたくさん水を含み凝固することで生まれたもの。こんにゃく粉を水で溶き、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムなどの凝固剤を加えて練り、成型し、40~50分ゆで、水にさらしてあく抜きしたら完成です。生いもをすり下ろして作る昔ながらの「生いもこんにゃく」も全流通量の1割程度あります。
 こんにゃくは昔から「おなかの砂おろし」とも呼ばれ、腸を整え、健康や美容に良いとされていました。最近はこんにゃく麺や、米に混ぜて炊くこんにゃく米なども開発されています。 (一財)日本こんにゃく協会では、腸内環境改善や便通改善効果、超低カロリー食品としてダイエット効果などをPRしています。
 そんなこんにゃくですが、昨夏の猛暑と少雨でこんにゃくいもが不作となり、資材価格の高騰と販売価格の下落も加わった「三重苦」に生産者は直面しています。総務省家計調査によると1998年のこんにゃく製品の支出金額は、一世帯当たり3229円でしたが、2023年は1660円と25年間で約半減、過去最低となりました。家庭だけでなく、コロナ禍による飲食店需要の減退や、コンビニがおでんの店内販売をやめたことなどが影響したとみられています。こんにゃく粉は長期保存できるため、この需要減で年々在庫量が増加。1年分の需要量が賄える水準まで積み上がり、こんにゃくいもの取引価格は3割ほども下落しました。
 出荷まで数年がかり、貯蔵庫や農機具なども必要なこんにゃくいも栽培。一度途絶えると復興が厳しい作物です。おでん、煮物だけでなく、チャプチェやカレーなどに入れてもおいしく、アイデア次第でレシピは広がります。全国民が日常的にさまざまな料理で食べているのは日本だけだとか。伝統のこんにゃく食文化、大切に守りたいですね。

参考:農林水産省「こんにゃく」(こんにゃくをめぐる事情 2024年7月)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/konnyaku.html

▼手作りこんにゃくセット販売中!
JAタウン

プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

フライパンで手軽に作れます カラメルとソースで味わい深く焼きりんごのアングレーズソース

料理◎太田晶子 撮影◎武井優美

1人分:約305kcal 調理時間:約30分

材料4人分

  • りんご 2個
  • クルミ(無塩) 40g
  • 国産レモン輪切り 4枚
  • グラニュー糖 大さじ2〜3
  • バター 20g
  • シナモンパウダー、タイム 適宜
  • <アングレーズソース(作りやすい量)>
    • 卵黄 2個分
    • グラニュー糖 20g
    • 牛乳 140ml
    • ブランデー 大さじ1/2

※ブランデーの代わりとしてバニラエッセンス2〜3滴でも可

作り方

  1. アングレーズソースを作る。ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れて泡立て器で白っぽくなるまですり混ぜる。牛乳を小鍋に入れて沸騰直前まで温めたら、ボウルに少しずつ注ぎ入れながら混ぜ、洗った小鍋に移す。

  2. 1を強めの弱火にかけ、ゴムベラで底をなぞるように混ぜながら加熱し、ゴムベラについたソースに指で線が引ける位のとろみがついたら、火から下ろしてさらに1〜2分混ぜる。ブランデーを加えてボウルに移し、氷水に当てて冷ます。

  3. りんごは4つ割りにして芯を取り除き、1.5cm厚さのくし切りにしてクルミと一緒にボウルに入れ、レモンの輪切りを軽く絞ってまぶす。皿にグラニュー糖を広げてりんごの切り口を押し付け、クルミと絞った後のレモンにもまぶしつける。

  4. フライパンにバター10gを中火で溶かし、泡が立ってきたら3の半量を入れる。強火にして2分程焼き、焦げ目がついて表面がカラメル状になったら上下を返して同様に焼いてオーブンペーパーの上に取り出す。途中クルミとレモンも焦げ目がついたら取り出す。フライパンを拭き、残りも同様に焼く。

  5. 皿にりんごをずらして並べ、レモンとクルミを散らして2をかける。お好みでシナモンパウダーをふり、タイムを添える。

ココがポイント

アングレーズソースとはカスタード風味のソース。より丁寧に作る時や、温度が上がってダマができた場合には、ザルでこしてから氷水に当てて冷ましましょう。

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いつか口にしてみたい

 8月号表紙の、薄紫色の茄子の花に目を奪われました。ふるさと探訪を読んで、越の丸茄子、初めて目にする茄子。まん丸で、思わずかわいいと思うくらい艶やかで、でも作るのにとても手のかかる品種だと分かりました。サイズを測る器具で一つひとつ計測する大変さ。きれいに箱詰めされた越の丸茄子。関西ではなかなか目にできないのでしょうか。「茄子の大トロ」、いつか口にしてみたいなぁ…。
(兵庫県・中村三千代さん)

大満足!

 いつもエプロン誌を楽しく読んでいます。8月号は、わが家の味の「パパっと作るビールのつまみ」のページに目が留まりました。実は、主人は大のビール好きです。掲載されていた「エスニック春巻き」を書かれているままの材料で作って食べさせたら、普段の倍くらいビールを飲んで「つまみ、おいしかった」と言われました。大満足いたしました!!
(熊本県・中島京子さん)

  • 徳島県・岩田ちえ子さん
  • 愛媛県・山中慶子さん
  • 東京都・針貝則子さん
  • 大阪府・西岡由紀子さん
  • 東京都・宮﨑立子さん