なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

田んぼから消費者に届くまで【お米の供給網】
作る人と食べる人をつなぐ
お米の生産・流通ルートを紐解く

小麦、とうもろこしとともに世界三大穀物のひとつ、お米。
お米はどのように作られ、どのような経路をたどり消費者に届くのでしょうか?
田んぼから消費者に届くまでの各プロセスを、全農グループは安定的につなぎ、安全・安心なお米が消費者へ届くように支援、調達、販売などを行っています。
今回は、お米の流通経路と全農グループの役割を紹介します。

米づくりを支える営農支援と資材調達

 米づくりは、苗づくりから始まります。春の初めの3~4月頃、ビニールハウスなどで種籾(たねもみ)から苗を育てます。田んぼではトラクターなどで土を耕してから水を張り、さらに水と土をかき混ぜて土を平らにならし、田植えに向けて準備します。4~5月頃に田植えをし、稲の成長とともに草取りや追肥、防除などを行います。一方で、苗づくり等が不要な「乾田直播(かんでんちょくは)」と呼ばれる田んぼに種籾を直接播く栽培方法も普及しつつあり、新しい栽培方法の取り入れも行われています。
 稲穂が黄金色に色づく9月頃に稲刈りをし、収穫された稲は籾と藁(わら)に分けられます。収穫後の籾は、水分値が高いため一昔前は天日干しで乾燥させていましたが、現在は各地域に設置されたカントリーエレベーター、ライスセンターと呼ばれる乾燥調製施設や生産者自前の乾燥設備などで乾燥させます。

1
乾燥調製施設「カントリーエレベーター」

 籾は、乾燥調製施設などで適した水分量になるまで乾燥させてから籾殻を取り除いて玄米にし、紙袋やフレコンに詰めて倉庫に運び保管します。気温が高くなる頃は、定温倉庫で15℃以下に保管することで、玄米の呼吸作用を抑制して食味低下などの品質劣化を抑え、害虫やカビの発生も防止しています。
 全農グループは、トラクターなどの農業機械、ビニールハウス等の資材や肥料などを調達し、JAを通して生産者へ供給することで米づくりを支えています。

※  フレキシブルコンテナバッグ。粉末や粒状の荷物を保管・運搬するための大型の袋

輸送も工夫 精米の販売や輸出も

 流通面でも全農グループは多様なかかわりを持っています。
 倉庫から出荷された玄米は、全農パールライスなどの米穀卸の精米工場に運ばれます。輸送時も一工夫。玄米輸送を担う全農物流では、一部の輸送において、パレットによる一貫流通を行う全農パレチゼーションシステムを実施しています。これまでドライバーが手作業で玄米袋を倉庫のパレットからトラックに積み替えていたものを積み替えなくて済むよう、物流にかかる負担軽減に取り組んでいます。

1

 精米工場では玄米の表面にあるぬかの層などを取り除き精米にします。普通の精米だけではなく無洗米など用途に応じ、さらに5kgや10kg単位などに袋詰めして製品化します。
 製品化されたお米は、小売店や飲食店はもちろんのこと、全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」での販売やJA全農インターナショナルなどを通じて海外にも輸出されています。また、JA全農ラドファなどのパックごはん工場や(株)煌(きらめき)などの炊飯工場でも使用され、パックごはんやお弁当などさまざまな姿になって消費者に届きます。
 全農グループはお米の生産から流通の各段階にかかわり、生産者が大切に育てたお米を安全・安心に消費者の元へと届けています。お米の産地や銘柄などの情報を見て、お米のふるさとを思い浮かべながら、おいしくいただきましょう。

▼全農HP「米流通に関するファクトブック」
米の生産・流通などについて解説しています。

https://www.zennoh.or.jp/ricefactbook/