【兵庫県南あわじ市】

あまさ、やわらかさが絶品 淡路島たまねぎ

文◎編集部 撮影◎磯野博正

日本でも有数のたまねぎ産地として知られる淡路島。瀬戸内海特有の温暖な気候と豊富な日照量、島ならではの土壌と潮風に含まれるミネラル分が、甘みとコク、透明感のあるたまねぎを育てます。
冬を越してじっくりと生長したたまねぎを、風通しのよい吊り小屋でゆっくりと自然乾燥させれば、うま味が熟成し極上の美味しさに仕上がります。

貯蔵で熟成、美味しさが増します

「天気が続くと仕事もはかどります」と齋藤和久、弘子さん親子

 兵庫県を代表するブランド「淡路島たまねぎ」は、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)の3品種に大きく分けられます。
「早生種の収穫は4月上旬頃から始まり、5月、6月と中生、晩生の順に収穫、出荷されます。6月中旬頃までにたまねぎの収穫を終えると、すぐにそのほ場を水田にして米を作ります。ほ場に水を入れることが、たまねぎの連作障害や害虫予防にもつながっています」と教えてくれたのは、JAあわじ島八木支所営農指導員の古住彰梧さん。


風通しのいい「たまねぎ小屋」に吊るして自然乾燥させます

 9月に苗床に種まきをして、11月~12月に定植、冬を越して5~6月に収穫最盛期と、長い時間をかけてじっくり育てたたまねぎを最後にもうひと手間。それが「たまねぎ小屋」に吊るす作業です。


「掘り取ったたまねぎの葉を切り落とし、ほ場で1~2日乾燥させてから、10個前後を1束にして縛ります。これをほ場の隣りに建てられた小屋に吊るして自然乾燥させます。色つやがよくなって実が引き締まり、熟成して甘味ものってきます。手間はかかりますが、小屋で長期保存ができるので時期をみて需要に応じて出荷することができます」と、JAあわじ島たまねぎ部会の齋藤和久部会長。
 齋藤部会長は中生種のみを栽培し、たまねぎ小屋で乾燥貯蔵していますが、重いたまねぎを運ぶ作業は重労働で高齢者にはきつく、昔ながらのこうした作業をする人は年々少なくなっているといいます。

たまねぎは自動選果機で選別して大型コンテナに入れ、除湿乾燥して冷蔵保管します

「以前は収穫も手作業でしたが、ずいぶん機械化されています。さらにJAでは大型コンテナ(500kg入)を利用した省力化をすすめています。大型コンテナに収納したたまねぎを通風ファンで除湿乾燥し、冷蔵保管すれば長期にわたる品質管理ができます。生産者は選果場に根葉付きのままコンテナ出荷するだけでよく、負担の大きい収穫から出荷までの作業の省力化をはかり生産拡大につなげたいです」と、JAあわじ島の古住さん。
 早生種はみずみずしいフレッシュ感を楽しんでもらうため収穫後すぐに出荷されますが、中生・晩生品種はたまねぎ小屋に吊るすなど乾燥貯蔵して順次出荷します。7月~8月には冷蔵保管して、翌年3月まで(在庫がなくなるまで)長期出荷されるので、ほぼ一年を通して淡路島たまねぎが楽しめます。

パワーの源、健康野菜たまねぎ

 取材に訪れたのは6月初め、島を挙げてたまねぎの収穫真っ最中!という忙しい時でした。
「今年は3月~4月にかけて干ばつ気味で小玉傾向ですが、品質はいいですよ」と、齋藤部会長。露地栽培なので天候に左右されるのが心配のタネです。
「茎が根元から倒れて1週間後くらいが収穫適期です。梅雨の合間の晴天を狙って収穫し、次の米づくりの準備と、天候を見ながらの作業が続きます」とのこと。猫の手も借りたいこの時期、島を離れていた人たちも応援にかけつけると聞きます。

 齋藤部会長のお母さんの弘子さんは85歳の現在も元気で畑仕事に精を出します。
「たまねぎは毎日の味噌汁に入れます。あと薄く切って酢じょう油をかけてね。これが一番簡単で美味しいし、この時期カラダもシャキッとしますよ」と、笑顔で話してくれました。古代エジプトではピラミッドを築く労働者にたまねぎを精力野菜として食べさせていたという記録が残っているそうです。パワーの源はたまねぎといっても過言ではないでしょう。
 加熱調理すると甘みが増し、やわらかくて美味しさが倍増します。どうぞたくさんお召し上がりください。

●JAあわじ島
【たまねぎ】 生産概要
生産者 : 約2000名
栽培面積 : 約1300ヘクタール
出荷量 : 約175万箱(1箱20kg)(平成28年度実績)
主な出荷先 : 関西、関東など

「畜産が盛んなので堆肥をたっぷり入れた循環型農業をすすめています」と、JAあわじ島の古住さん

2017.10更新