【岡山県岡山市】

とろける果肉、あふれる果汁、魅惑の 岡山白桃

文◎編集部 撮影◎磯野博正

岡山が全国に誇るブランド「岡山白桃」(※)は、なめらかな食感と甘味はもちろんのこと、気品のある白い肌が特徴です。「白桃」という品種は明治34年(1901年)に誕生。以降、品種開発が進み、「清水白桃」などたくさんの白桃系品種が栽培され、人気となっています。
「岡山白桃」は、袋掛栽培で生産された岡山県産の白い桃の総称です。白さにこだわった岡山の桃づくりを探ってみました。
※JA全農おかやまの登録商標(地域団体商標)です

明治から受け継がれる「白い桃」

【写真左】生産者の小山健生さんと奥様の和子さん、息子の俊幸さん(左端)、研修生の赤木良光さん(右端)
 桃は淡いピンク色をした果実というイメージですが、岡山で桃といえば「白」です。
「岡山で桃の栽培が本格的に始まったのは明治8年といわれています。明治34年に『白桃』が誕生し、他の産地では見られない白さと姿形、甘さ、なめらかな口当たりなどが評価され、名産となりました。さらに、昭和7年に『清水白桃』が誕生すると、柔らかく上品な味はこれまでになく美味しく、岡山を代表する優良品種として栽培の中心となりました」と、JA岡山高松営農センター主査の武田祐一さん。

【写真左】白い姿にわずかに薄紅がさしている「白鳳」。手のひらでそっと包んで収穫します
 桃の栽培は、土作り、枝の剪定、摘蕾(てきらい)、摘花、摘果、袋掛けと、一年中絶えず手をかけて育て、やっと収穫を迎えます。なかでも岡山白桃自慢の美しい白肌は「袋掛栽培」で作られます。
「選りすぐった桃の実がピンポン玉くらいに育ったら一玉ずつ袋をかけていきます。品種によって大きさや形が違うので、それぞれの桃専用の袋をかけていきます。うちは約200本で、6万枚強くらい袋掛けをします。収穫するまで袋を取らずに、デリケートな桃を風や雨、害虫などから守り、白くてきれいな肌に仕上げます。日光を遮断することで、繊維質の発達を抑え滑らかな口当たりになります」と、JA岡山一宮選果場果樹部会の小山健生さん。清水白桃の発祥地である岡山市北区一宮(清水)地区で40年以上も桃栽培を行う小山さんの農園では、中生種の白鳳の収穫が最盛期でした。

出荷のための選別作業も優しくていねいにスピーディーに
「うちでは7品種の桃を栽培していて、メインは清水白桃です。桃の収穫は時間との勝負。収穫適期が一斉に訪れるので、どんどん収穫しないと待ってくれません。かといって乱暴に扱っては指のあとがつくだけで変色してしまうし、出荷のための選別作業にも追われ、この時期はどれだけ時間があっても足らないよ」と、小山さん。
 上品な甘さととろけるような口当たりが魅力の清水白桃は栽培が難しく、2割は落果したり、デリケートな実は打ち身やキズで規格外となってしまうなど、全体の6~7割が出荷できればいいといわれるほど、手間がかかる生産者泣かせの品種だそうです。

光センサー選果機で厳選出荷

選果場では光センサー選果機で1個ずつ糖度を測定して厳選、箱詰め出荷します

 岡山県では6月下旬から日川白鳳、加納岩白桃、紅清水、白鳳、清水白桃、おかやま夢白桃、川中島白桃などの品種が9月中旬までリレー出荷されています。
「一宮選果場では光センサーを導入して、一つ一つ糖度を測定し、厳しく品質管理をしています。デリケートな桃はなるべく触らずに優しく箱詰めし、その日のうちに出荷します。それぞれの品種は2週間くらいで出荷が終わってしまうので、見逃さずにお楽しみください」と、高松営農センターの武田さん。
 岡山の桃栽培は瀬戸内海に面した温暖な気候と土壌、明治から大切に受け継がれているこだわりの栽培技術で、一人ひとりの生産者がプライドをもって作り続けています。
 好みの品種を今か今かと待ちわびる期待感、食べたときの満足感や幸福感…、桃には不思議な魅力がいっぱい詰まっています。岡山の夏を代表する白桃の美味しさをたくさん味わってください!
(2017年7月中旬取材)

●JA岡山
【岡山白桃】生産概要
生産者:350名
栽培面積:約95ヘクタール
出荷量:約500トン(2017年度実績)
主な出荷先:関西、関東、中京など

案内してくれたJA岡山高松営農センターの武田祐一さん

2018.07更新