【秋田県大仙市】

香りと甘み、うま味が濃厚 秋田えだまめ

文◎編集部 撮影◎磯野博正

秋田県では2010年から「えだまめ日本一」を目指して、生産技術の向上や面積の拡大、オリジナル品種のブランド化など、県とJAグループ、生産者などが「オール秋田」としてタッグを組み、高品質なえだまめの生産に取り組んでいます。その結果、2015年、2016年と2年連続で東京都中央卸売市場において取扱量日本一(7~10月)を達成するなど、着々と地位を確立しています。
秋田が誇る「うんめ~えだまめ」の秘訣を探ってみました。

夏から秋まで品種リレー

「私たちが丹精こめて育てたえだまめをたくさん食べてください」と、笑顔が絶えない高橋康子さん
 秋田はいわずと知れた米どころ。美味しいお米と同じ肥沃な土地で育つえだまめの市場評価は年々高まっています。「えだまめ日本一」の中心的産地のひとつ、大仙市のJA秋田おばこを訪ねました。
「管内では1960年代後半からえだまめ栽培が始まり、81年に生産部会が結成されました。栽培の特徴は7月中旬から10月中旬までの長期間切れ目なく出荷をするために、極早生(ごくわせ)から中生(なかて)、晩生(おくて)までの作型と、それに合う品種をうまく組み合わせた作付けを行っています。美味しい時期を逃さず収穫、鮮度を保ち品質管理を徹底して出荷をしています」と、JA秋田おばこ営農経済部園芸販売課の佐藤広海係長。極早生品種は4月下旬にたねまき、7月中旬から収穫。晩生品種は6月下旬たねまきで10月収穫と、15~20品種も作付けするといいます。

「特に8月下旬から10月にかけては、秋田のオリジナル品種“あきたさやか”“あきた香り五葉”“あきたほのか”の3品種と“秘伝”などが収穫のピークを迎え、『秋豆シリーズ』として出荷しています。9月に入ると昼夜の寒暖差が大きくなり、風味や甘みがグッと増して濃厚な味わいが楽しめるので、ぜひ食べ比べてみてください」と佐藤係長。
 夏のイメージが強いえだまめを秋まで美味しく品種リレーしています。

オール秋田で品質、パッケージを統一

 JA秋田おばこ管内で大規模にえだまめ生産をしているのは、女性が主体となって栽培管理をする営農組合でした。
「2005年に同じ集落のお母さんたちと野菜生産組合を立ち上げ、約2ヘクタールの畑を4人で運営していました。翌年に館ノ内集落営農組合(農家12戸で水稲中心の複合経営)が設立され、その園芸部門として、現在、えだまめ約4ヘクタールを栽培しています」と、館ノ内集落営農組合園芸部門代表の高橋康子さん。畑を訪ねると、収穫機を器用に扱い、えだまめを地際からヒュンヒュンと刈り取っていきます。

収穫したえだまめを作業場に運び、脱莢機で莢をもぎ取り、ひと莢ごと選別してから洗い、袋詰めをして出荷となります

「実の入り具合など完熟度合を見極めて収穫するのが難しく、収穫適期は3日間しかないから時間との勝負です。うちでは“おつな姫”や“湯あがり娘”秋田オリジナルの3品種など16品種を作付けしています」とのこと。これだけ多くの品種を栽培管理していることに驚きです。「2017年からJAが共選を始めたので、収穫量が増えて防除作業も重なる8月は、選別作業が追い付かないので、JAへコンテナ出荷できるのはとても助かる」といいます。
「畑は米や大豆などと3年ごとにローテーションしています。この辺りは粘土質で肥沃な土壌です。土の力に頼りながらも負担をかけないようにしっかり土作りをして、品質のよいえだまめを生産していきたいです」と高橋さん。

2017年からJAの選果場が稼働し、農家の出荷作業が軽減されました
秋田産えだまめはブルーのパッケージですが、「秋豆シリーズ」はオレンジに入っています

 豊かな大地でじっくりと育った秋田産のえだまめは「オール秋田」として、同じパッケージに入っているのも特徴です。
「何かクレームがあれば全体責任ですから、出荷産地のJAが集まって目ぞろえ会を頻繁に行い、品質を徹底しています。今後も県全体で質・量ともに高めて、『えだまめ日本一』を揺るぎないものにしていきたいです」と佐藤係長。
 近年の健康志向や日本食ブーム、冷凍技術の普及などにより、海外でも「EDAMAME」と呼ばれ、塩ゆでしたえだまめが人気だといいます。良質なタンパク質やビタミン類など多くの栄養素を含み、新陳代謝やアルコールの分解を促すといわれ、ゆでるだけで美味しいえだまめは、夏バテ防止や健康増進にうってつけの野菜です。
(2017年9月中旬取材)

●JA秋田おばこ
【えだまめ】生産概要
生産者:300名
栽培面積:約200ヘクタール
出荷量:約750トン(2017年度実績)
主な出荷先:関東、中京、関西など

「暑さにあたると急激に品質が落ちるので、購入したらすぐ食べてください」と、JA秋田おばこの佐藤広海係長

2018.08更新