【石川県小松市】

うま味がギュッ!生がおすすめの 春トマト

文◎編集部 撮影◎磯野博正

栄養たっぷりの万能食材「トマト」は、一年を通して食卓に欠かせない野菜の一つですね。
トマトは夏が旬と思われがちですが、本当は夏場の高温多湿が苦手です。
日光をたくさん浴びて、昼夜の温度差があり、比較的乾燥した気候でトマトは糖度を増し生長します。
そんな自然環境にピッタリ合った小松市は北陸3県最大のトマト産地として躍進し続けています。

50年以上の栽培の歴史

「難しいからこそチャレンジしがいがある」と頼もしい生産者、北大輔さん

「小松市は春トマトと夏秋トマトの産地として50年以上の栽培の歴史があります。とくに春トマトは、昼夜の寒暖差と春の太陽の日差しをたっぷり浴びて、皮が薄くて果肉がしっかりしていてみずみずしく、甘みと酸味のバランスがとれてしっかりとしたコクが味わえると評判です」と、JA小松市営農部園芸課の新瀧裕弥さん。
 早朝に収穫されたトマトは10時までにJAの野菜集出荷場に運ばれ、その日のうちに選別、箱詰め出荷されます。コンテナで運ばれてきたトマトをみると「まだ青い」という印象が否めませんが…
「品種は桃色系の“桃太郎はるか”です。特に春トマトは皮が薄く、これくらいの色で糖度も味ものっています。むしろこれ以上赤く熟すと輸送中に傷み、市場からクレームがきてしまいます」と新瀧さんは説明します。

 美味しいトマトの見分け方として、お尻の先からヘタに向かって白い放射状の筋がハッキリみえるものほど糖度が高く、美味しい証拠といわれます。まだ青いと思っていたトマトですが、よく見るとどのトマトにも白い筋がしっかり入っています。
「桃色系トマトは色よりも、ヘタが濃い緑色でピンと張りがあり、全体にツヤがある新鮮なものを選んでください」とのことです。

トマトで地域活性化

 野菜集出荷場を後にして、若手青年部の生産者・北大輔さんのトマトハウスに案内してもらいました。北さんはサラリーマンを辞めて後継者となり、春トマトは3反(約30アール)の栽培面積で約7000本を養液栽培しています。夏秋トマトも同規模で栽培しています。
「5月の連休明けに収穫が始まったばかりなので、一番下の段のトマトが色づいてきています。1段に4玉つくように摘果をして、7段目まで上に伸ばして収穫します。単純計算では1株で28個収穫できるはずですが、農業はそんなに甘くないです」と、苦笑いの北さん。
自然相手の農業はどうしても環境に左右されてしまいます。最近の気候変動は予測がつかないことが多く「去年と同じことをしていてはダメ。課題が多い」と難しさを痛感。そんな時、ハウス内に温度や湿度、日照量、炭酸ガス量などの環境データを計測するセンサーを設置し、データを「見える化」する農業ICT導入プロジェクトがあり、2014年から参加しています。

JAの野菜集出荷場で一つ一つ人の目で確認され、選別レーンにのせて規格ごとに選別、箱詰めします

「スマホでデータを見れば、ハウス内の状況がわかります。花が咲いた日、作業をした日もすぐ確認できます。きめ細やかな管理につながっています。春先の低温、夏場の高温時には神経を使います。夏場は30℃を超えないように遮光シートで被い、細霧冷房で冷やして、とにかく元気に育つように手をかけています」とのこと。さらに「ここは30代、40代の若い生産者が多く、情報交換にも積極的で活発な産地です。今後はミニトマトやミディトマトなどいろいろなこだわりのトマト作りもしていきたい」と、チャレンジ精神旺盛です。

 JA小松市の春トマトは5月から7月末頃まで出荷されます。皮が薄くて果肉がしっかりしているので、そのまま丸かじりするのがおすすめです。また、規格外品のトマトを利用したレトルトのカレーやケチャップなどの加工品が大ヒットするなど、トマトで地域が活性化し注目されている産地です。
(2018年5月下旬取材)

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JA小松市
【春トマト】生産概要
生産者:42名
栽培面積:約8ヘクタール
出荷量:約800トン
主な出荷先:北陸、関西

「サラダなど生で美味しさを味わってください」と、JA小松市の新瀧さん

2019.05更新