【福島県大沼郡会津美里町】

彩りを活かし、様々な料理で楽しめる さやいんげん(ビックリジャンボいんげん)

文◎編集部 撮影◎磯野博正

さやいんげんは、いんげん豆を若採りしてさやごと食べる野菜です。
沖縄から北海道まで日本各地で栽培され、一年中見かけますが旬は「夏」です。
夏場の出荷を支えているのが大産地の福島県。
一般的な長さ15~17cmの丸さや種のさやいんげんが主流ですが、10年程前から平さや種の「ビックリジャンボいんげん」の栽培が始まり、食味の良さと生産の省力化とが相まって栽培が増えています。

5月から11月まで長期出荷

インゲン・豆類部会長を務める長嶺利春さんと恵子さんご夫婦

 さやいんげんは手頃で和え物や天ぷら、炒め物、煮物などのほか、鮮やかな緑色を活かして付け合わせなど彩としても使える、とても重宝する野菜です。
「この辺りは40年程前からいんげん栽培が始まった産地です。しかし、生産者の高齢化が進み、小さないんげんを1本1本手摘みして選別・箱詰めするのはとても手間がかかり、負担になってきました」と、JA会津よつば高田営農経済センター営農課の佐藤和幸主任。

1本1本、長さを確認しながら収穫します

 ビックリジャンボいんげんはその名の通り、驚くほどジャンボサイズ。丸さや種の5倍くらいあり、平さや種でよく知られている「モロッコインゲン」より大きく、さやの長さは20~25cm、幅2cmもあります。
「個々の農家で選別して2kgの段ボール箱に詰めて出荷してもらいますが、ジャンボいんげんは大きいので収穫も箱詰め作業もやり易いという利点があります。重いキュウリからさやいんげんに品目を変えて頑張ってきた高齢の生産者が、さらに省力化が図れる品種を作れば、生産を続けることができます。『ビックリジャンボいんげん』は10年程前に導入し、年々生産量が増えています」と、佐藤主任。

 3月まきのハウス栽培のさやいんげんは5月下旬から出荷が始まり、露地栽培にバトンタッチ、さらに8月まきハウス栽培とリレーします。会津盆地の平場と山間地の標高差や気象条件、ハウス栽培や露地栽培、それぞれに合うように品種や種まきの時期を組み合わせて、5月下旬から11月上旬までの長期出荷を実現しています。
 旬の夏場に出荷ピークを迎えながら、長期出荷を行っているJA会津よつばのいんげんは、筋がなくて柔らかく風味があると市場の高い評価を得ています。

防虫ネットを被せて減農薬

目の細かな防虫ネットですっぽり覆われた畑

 この産地の露地栽培は防虫ネットをすっぽりと被せているのが特徴です。
「30年ほど前に導入された栽培方法で、害虫の侵入を防ぎ、農薬を減らすことができます。風でさやがすれるのも防げます。ジャンボいんげんは昨年から栽培していますが、夏の暑さにも強く作りやすいですね。花落ちが少なく、花が咲けばすべて実になるので、収量アップが見込めます。さやは曲がりが少なくて大きいので収穫がラクだし、選別・箱詰め作業も手早くできていいですね」と、JA会津よつばみどり地区インゲン・豆類部会長の長嶺利春さん。

JAの出荷場に農家が運んできたさやいんげんを一箱ずつ品質チェック

 ジャンボいんげんは「作りやすいので新規就農の人にもすすめやすい」と、長嶺部会長。丸さやのいんげんの生産も維持し、ジャンボいんげんも広めて生産者の高齢化に対応しつつ、いんげん産地としてさらなる飛躍をめざします。

【左】15〜17cmの普通サイズのさやいんげん 【右】20~25cmとジャンボな「ビックリジャンボいんげん」

 さやいんげん、ジャンボいんげんともに柔らかくて甘みがあり、クセがないので和洋中とさまざまな料理で楽しめます。大きいと堅いイメージですが、柔らかく、食感のいいジャンボいんげんは、素揚げをして生姜醤油で食べるのがおすすめだとか。
 東北を代表するいんげん産地、福島県の「さやいんげん」「ビックリジャンボいんげん」を見つけたら、ぜひ食べてみてください。

●JA会津よつば みどり地区
【さやいんげん】生産概要
生産者:90名
栽培面積:約8ヘクタール
出荷量:約130トン(2018年度実績)
主な出荷先:関西、関東

「予冷庫に入れて鮮度を保ち出荷しています」と、JA会津よつばの佐藤和幸主任

2019.07更新