果菜類は苗を購入する方法もありますが、苗を作るところから始めるなら、楽しみがいっぱいです。果菜類の育苗時期はまだ寒いので、育苗には保温が必要です。
〇たねまき適期を知る
果菜類のたねまき時期は、定植時期から育苗日数をさかのぼって決めます。定植時期は遅霜の心配がなくなってからで、一般平坦地では5月上中旬からになります。そこから育苗日数を差し引くと、2月下旬から4月が果菜類のたねまき時期になります(図1)。

〇温度と水分管理のコツ
発芽をそろえ、徒長させず、がっしりとした苗に仕上げるためには、温度と水管理を適切に行うことが大切です。温度計を用意して、しっかり温度管理を行いましょう。また、寒い時期は日中も夜間も、基本的にトンネルの中で育苗します。
果菜類の多くは発芽適温が25~30℃にあるため、トンネルや家庭用の簡易な育苗器で保温して発芽させます。
たねをまく2~3日前に育苗箱やポットに土を詰め、水やり後にポリフィルムなどで覆い、地温を高めておくと発芽がスムーズになります。たねまき、覆土後にぬるま湯をさっとかけ、乾燥防止のため新聞紙をかぶせます。
発芽が始まったら新聞紙を取り除き、日中はできるだけ日光に当て、30℃以上にならないようにトンネルを換気します。夜間はトンネルを閉め、保温マットなどを使用して温度が低くならないようにします(図2)。
【図2】 育苗中の管理

【下】夜間は、保温資材のトンネルや保温マットなどを使用して保温する
・温度設定ができる保温マットなどを使用する場合
表1のように生育に伴って夜温を徐々に下げると徒長を防ぎ、がっしりした苗に仕上げることができます。

・水は晴天の午前中にやる
育苗中の水やりは、晴天の午前中、温度が上昇した頃に行います。植えつけ適期が近づいてきたら、戸外の条件に順応させるため、徐々に水やりを控えめにします。