ここ数年、夏が極端に暑くなっています。高温と強い日差しによって土壌も乾き、さまざまな野菜で生育障害や発芽不良が見られます。どのような対策があるか紹介します。
〇夏野菜への対策
対策の一つは、暑さに強い野菜を作ることです。熱帯地方原産のオクラ(写真1)、ゴーヤー(写真2)、クウシンサイ(写真3)、モロヘイヤ、スイカに加え、スイスチャードなどは猛暑でも元気に育ちます。



生育中の野菜には、敷わらをすると地温が下がり、土壌水分の蒸発も防げます。定期的な水やりも欠かせません。

〇秋冬野菜への対策
秋冬野菜の多くは、夏の暑い盛りにたねまきや苗づくりを行うため、猛暑や少雨によって発芽や苗づくりで失敗する人が少なくありません。
育苗する場合の対策の一つは、発芽するまで涼しい場所で管理することです。レタスは30℃、キャベツやブロッコリーなどは35℃を超えると発芽不良を起こします。このような野菜は、芽が出始めるまでは軒下に置くか(写真4)、遮光資材で被覆するなどして、発芽適温に近づけます(写真5)。翌朝にかけて気温が下がる夕方にたねをまくことも効果的です(写真6)。



じかまきするニンジンやダイコンなどは、土を手で握って開いたときに崩れるほど乾いていたら、たねまき前に1m2当たり20~30Lの水をやり、深いところまで土を湿らせます。
夏にマルチをして苗を植えるレタスやたねをまくダイコンなどは、地温の上昇抑制と土壌水分保持効果がある白黒のマルチフィルムがおすすめです。

また、耕うんや畝立て、苗の植えつけは、暑い時間帯に行うと(土壌水分が蒸発して)土が乾きやすく、苗もしおれやすい(激しく蒸散をする)ので、気温も地温も下がり、日差しが弱くなる夕方に行うようにします。植えつけ前後には苗にたっぷり水やりをします。
