家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(元JA全農 耕種総合対策部技術主管) イラスト◎かとうともこQ.人工授粉のやり方は?

〇人工授粉はなぜ必要か?

 果菜類の多くは、形が良くて、おいしい果実をつくるためには、受粉によって受精し、種子が形成されることが大切です。そして、確実に果実をつけるために、人工授粉が行われます。
 ウリ科の野菜は、雌花と雄花が分かれている(「雌雄異花(しゆういか)」と呼ばれる)(写真1)ものが多く、ミツバチが受粉してくれますが、気温が低かったり、雨や曇りの日など、ミツバチの活動が鈍いときは、人工授粉が必要になります。


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【写真1】スイカの雌花(左)と雄花(右)

 一つの花の中に雌しべと雄しべがある「両性花」の野菜でも、人工授粉を行うことがあります。メロンやイチゴは、ミツバチが飛ばないときは、人工授粉をして着果させます。
 一方、キュウリ(写真2)や一部のナス(写真3)、ピーマンの品種は受精しなくても果実が肥大します。これを単為結果といいます。


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【左・写真2】受精しなくても果実が肥大するキュウリ
【右・写真3】受精しなくても果実が肥大するナスの単為結果性品種

〇人工授粉のやり方

・雌雄異花の野菜

 雄花を摘み取り、花弁をめくって、雄しべの先端にある葯(やく)を雌花の柱頭になすりつける。
 スイカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガンなど。

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スイカの人工授粉

・両性花の野菜

 筆で花を軽くなでて受粉する。
 メロン、イチゴなど。

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イチゴの人工授粉

 ウリ科野菜の人工授粉のポイント

①受精能力の高い朝10時までに受粉する。

②花粉はぬれると受精能力が無くなるので、雨にぬれていない花粉を使う。

③雄しべの先を爪にこすりつけて、花粉が出ていることを確認する。

④受粉日を記録する。

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