近年、温暖化によって害虫の発生時期が長くなっており、虫害で収穫皆無になる菜園が少なくありません。害虫防除の方法はいろいろありますが、家庭菜園で取り組みやすい方法を紹介します。

【右】アオムシの食害を受けたキャベツ
1.害虫が発生しにくい環境を作る
前作の残渣(ざんさ)や雑草は、害虫のすみかになりやすいので、作付け前にきれいに片づけるようにします。

2.害虫を飛来させない、侵入させない
光を反射するシルバーマルチや銀色のテープを張ると、反射光を嫌うアブラムシ類やアザミウマ類の飛来を抑制できます。

【右】シルバーポリでマルチをしてアブラムシ類の被害を防ぐ
野菜のたねまき後や苗の植えつけ後に、防虫ネットや割繊維不織布などを被覆すれば、アオムシやキスジノミハムシ、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)、カメムシ類などの被害を防げます。

3.早めに見つけて対処する
害虫の多くは卵を産みつけ、そこからかえった幼虫が茎葉を食害します。発見が早ければ、卵を産みつけられた葉を取り除くだけで被害を抑えられることもあります。
日頃から菜園をよく観察し、小さな幼虫を見つけたら殺虫剤を散布していくと、高い防除効果が得られます。

使いやすい土壌施用粒剤
薬剤成分が根から吸収される粒剤タイプの浸透移行性殺虫剤を利用すれば、水で薄めたり、散布器具を使わずに、手軽に害虫を防除できます。
たねまきや植えつけ前に粒剤を株元や植穴に散布することで、3~4週間害虫の被害を抑制できる薬剤もあります。
農薬を使用するときは事前にラベルを見て、その作物に使用できることや使用法を確認してください。
