育苗のやり方には、セルトレイやポットにたねをまいて育てる方法と、畑に畝を立ててたねを直接まき、苗を作る「地床育苗」があります。
地床育苗は、育苗用の容器や培養土が不要で、根を広く深く張ることができるため、毎日水やりをする必要がありません。また、株間や条間を広くとることで、大きく丈夫な苗に仕上げることができます。地床で育てた大苗は、セルトレイ苗に比べて胚軸が太く、植えつけ後に風で胚軸が折れて枯れるリスクが少ないというメリットがあります(写真1)。このため、育苗にあまり手をかけられない人にもおすすめの育苗法です。
地床育苗は、タマネギ、ネギ、ニラ、キャベツなどでよく行われます。たねのまき方には、「すじまき」のほか、タマネギなどの単子葉植物では「ばらまき」も行われます。ここでは、すじまきのやり方を紹介します。

〇地床育苗のやり方
・畑の準備
たねをまく1~2週間前に、菜園の一角に肥料をまいて耕します。施肥量は、1m2当たり堆肥1kg、苦土石灰100g、化成肥料120gを目安とします。
たねまき前に、幅70~90cm、高さ5~15cmの畝を作り、畝面を平らにします(図1)。
・たねまき
畝の表面に、板切れなどを使い、条間10cm、深さ1cmの溝をつけます。タマネギ、ニラ、ネギなどの単子葉植物は0.5~1cm間隔、キャベツは1~2cm間隔でたねをまき、土を被せて表面を軽く押さえ、たっぷりと水やりします(図1、写真2)。
たねまき後、寒冷紗などでトンネル被覆しておくと、土壌の乾燥や虫害を防止できます。


・間引きと追肥
タマネギなどは本葉2枚の頃に、株間1cmを目安に混んだ部分を間引きます。育苗期間が長いので、間引き後には1m2当たり化成肥料20gを条間にまいて浅く耕します(図2)。タマネギの育苗期間は55~60日で、葉数4~5枚、太さ4~6mm、草丈30cmほどまで育てます(写真3)。
キャベツは本葉2、3枚の頃に間引きをし、株間を4~5cmにします。本葉5~6枚まで育てます(写真4)。
定植の際は、いずれの野菜もスコップなどで株を掘り上げ、菜園に植えつけます。これらの野菜は発根力が旺盛なので、多少根が切れても活着します。


