人工授粉のやり方は?

指導◎川城英夫(元JA全農 耕種総合対策部技術主管)イラスト◎かとうともこ

「わくわく菜園づくり」でおなじみの菜園田ファミリー。東京都内のマンションに住んでいた大地、若菜さん夫婦は美味しいものが大好きで、休日は二人で食べ歩きをしていました。子どもができたのをきっかけに素材の野菜作りから楽しもうと、東京都郊外の庭付き一戸建てに引っ越しました。娘のナナちゃんと息子のアグリくんも畑でのお手伝いが大好きです。
ナナちゃんは虫がちょっと苦手、アグリくんは何でも手づかみするいたずらっ子ですが、種まきや水やりがとても上手です。
これから家庭菜園を始めようというビギナーさん必見!野菜作りの基本のきを紹介します。マスターしたら、本誌の「わくわく菜園づくり」を参考にチャレンジしてね。

菜園田ファミリー
菜園田ファミリープロフィール
  • お父さん:大地(ダイチ)35歳
    お母さん:若菜(ワカナ)33歳
  • 長女:菜菜(ナナ)8歳
    長男:阿久利(アグリ)4歳
  • ペット犬:ユズ(♂)
    ペット猫:アズキ(♀)

Q人工授粉のやり方は?

A〇人工授粉はなぜ必要か?
 果菜類の多くは、形が良くて、おいしい果実をつくるためには、受粉によって受精し、種子が形成されることが大切です。そして、確実に果実をつけるために、人工授粉が行われます。
 ウリ科の野菜は、雌花と雄花が分かれている(「雌雄異花(しゆういか)」と呼ばれる)(写真1)ものが多く、ミツバチが受粉してくれますが、気温が低かったり、雨や曇りの日など、ミツバチの活動が鈍いときは、人工授粉が必要になります。

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【写真1】スイカの雌花(左)と雄花(右)

 一つの花の中に雌しべと雄しべがある「両性花」の野菜でも、人工授粉を行うことがあります。メロンやイチゴは、ミツバチが飛ばないときは、人工授粉をして着果させます。
 一方、キュウリ(写真2)や一部のナス(写真3)、ピーマンの品種は受精しなくても果実が肥大します。これを単為結果といいます。

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【左・写真2】受精しなくても果実が肥大するキュウリ
【右・写真3】受精しなくても果実が肥大するナスの単為結果性品種

〇人工授粉のやり方
・雌雄異花の野菜

 雄花を摘み取り、花弁をめくって、雄しべの先端にある葯(やく)を雌花の柱頭になすりつける。
 スイカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガンなど。

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スイカの人工授粉

・両性花の野菜
 筆で花を軽くなでて受粉する。
 メロン、イチゴなど。
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イチゴの人工授粉

 ウリ科野菜の人工授粉のポイント
①受精能力の高い朝10時までに受粉する。
②花粉はぬれると受精能力が無くなるので、雨にぬれていない花粉を使う。
③雄しべの先を爪にこすりつけて、花粉が出ていることを確認する。
④受粉日を記録する。
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2024.06更新

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