人工授粉のやり方は?
〇人工授粉はなぜ必要か?
果菜類の多くは、形が良くて、おいしい果実をつくるためには、受粉によって受精し、種子が形成されることが大切です。そして、確実に果実をつけるために、人工授粉が行われます。
ウリ科の野菜は、雌花と雄花が分かれている(「雌雄異花(しゆういか)」と呼ばれる)(写真1)ものが多く、ミツバチが受粉してくれますが、気温が低かったり、雨や曇りの日など、ミツバチの活動が鈍いときは、人工授粉が必要になります。
一つの花の中に雌しべと雄しべがある「両性花」の野菜でも、人工授粉を行うことがあります。メロンやイチゴは、ミツバチが飛ばないときは、人工授粉をして着果させます。
一方、キュウリ(写真2)や一部のナス(写真3)、ピーマンの品種は受精しなくても果実が肥大します。これを単為結果といいます。
【左・写真2】受精しなくても果実が肥大するキュウリ
【右・写真3】受精しなくても果実が肥大するナスの単為結果性品種
〇人工授粉のやり方
・雌雄異花の野菜
雄花を摘み取り、花弁をめくって、雄しべの先端にある葯(やく)を雌花の柱頭になすりつける。
スイカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガンなど。
スイカの人工授粉
・両性花の野菜
筆で花を軽くなでて受粉する。
メロン、イチゴなど。
イチゴの人工授粉
①受精能力の高い朝10時までに受粉する。
②花粉はぬれると受精能力が無くなるので、雨にぬれていない花粉を使う。
③雄しべの先を爪にこすりつけて、花粉が出ていることを確認する。
④受粉日を記録する。