台風対策を教えてください
台風シーズンの8~10月、畑には夏野菜と秋冬野菜が混在しています。それぞれの野菜に合った事前・事後の対策で被害を最小限に抑えましょう。
〇台風前の対策草丈の低い葉菜類や根菜類を強風から守るためには、寒冷紗や防虫ネットなどをべたがけするのが効果的です(写真1) 【写真1】草丈が低い野菜はベたがけをして株を固定するのが効果的。茎葉が折れたり、根がぐらつかないよう、きつめに張って、裾を土で埋めるかピンでしっかり留める
平畝で栽培しているダイコンやニンジンなどは、畝端に溝を切って土寄せをしてもよいでしょう(図1)。 【図1】溝を切って土寄せをする。大雨が降っても水に浸かりにくくなり、寄せた土が風よけになる
根深ネギは、土を掘って植えつけているので倒れやすいため、植え溝に土を埋め戻して株を固定します(図2)。
たねまきや間引き(写真2)、苗の植えつけ(写真3)は、台風通過後に延期します。 【左・図2】根深ネギは植え溝に土を埋め戻して株を固定する
【中・写真2】間引きは台風通過後に行う(ニンジンの間引き)
【右・写真3】苗の植えつけは台風通過後に行う(キャベツの植えつけ)
ナスやキュウリなどの果菜類は、強風が吹くと大きな被害を受けます。収穫間近の果実があれば早めに収穫しておきます。
育苗用に使用しているトンネルは、被覆資材(寒冷紗や防虫ネット)が風で飛ばされないよう、被覆資材の上をテープ(マイカー線などのバンドやひも)で押さえ、裾を土に埋めます(図3)。
風で飛ぶような資材は片付けておきましょう(写真4)。 【左・図3】被覆資材の上からバンドやひもで固定
【右・写真4】風で飛ばされた灌水チューブ。作物を傷つける危険があります
〇台風通過後の対策
台風が過ぎ去ったら、畑の様子を見回り、被害をチェックします。ベたがけ資材をとり除き、倒れた株を戻して株元に土を寄せます。潮風を浴びたら、葉が乾く前に真水で洗い流します。
特に注意したいのは、傷ついた茎葉から病気が多発することです。ひどく傷んだ株は早めに除去し、病気を予防するために早めに殺菌剤を散布しておきましょう。
多量の雨で土の表面が硬くなったり、肥料が流れるので、土の表面が乾いたら追肥を行い、浅く耕します。