「天地返し」とはどのような作業ですか?どんな効果がありますか?
天地返しとは、文字通り天と地をひっくり返すように畑の表層の土と下層の土とを入れ替える作業のことです。一般的な天地返しでは、普段の耕うん作業で堆肥や肥料が混ぜ込まれている作土(0~20cm程度)と、その下の心土(肥料等が混ざっていない20cm程度以下の土)とを、スコップなどを使って入れ替えます。根の深い根菜類を栽培するプロの農家の天地返しでは、パワーシャベルなどの重機を使い、0~1m程度までの土と、それ以下の深さの土とを入れ替える大掛かりな作業を行う場合もあります。
深層に眠っていた土を表層に露出させ、新たな作土として利用することになるので、畑の土が蘇り、連作障害を回避することができます。ダイコンなどの根菜類では、肌が綺麗になるなどの利点があります。一方で、これまで堆肥や肥料などを混ぜ続けて、肥沃な状態に改良してきた作土を下層に埋めて、代わりにこれまで人の手が加えられていない下層土を、新たな作土として利用することになるので、暫らくの間は堆肥やリン酸や苦土石灰などの、土づくりのための肥料を多めに施用する必要があるなど、天地返しを行った後には留意点があります。また当然ですが、下層の土が砂利や粘土などの物理性の悪い土の場合には、天地返しを行うことはできません。家庭菜園で天地返しを行うか否かは、これらを配慮してご検討ください。連作障害回避の基本はやはり異なる野菜を栽培する輪作です。