考えよう、ずっと続く未来のために【サステナブル】

普段の食生活を見直して
サステナブルな暮らしを実現しましょう

最近、ニュースやCMで「サステナブル」という言葉を見かけることが多くなりました。
「持続可能性」と訳されます。
「サステナブルな暮らし」を実現するとはどういう意味なのか、私たちに何ができるのか考えてみましょう。

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 日本で「サステナブル」という言葉が広まったのは2015年に国連サミットで採択された「SDGs※」がきっかけでした。SDGsは、持続可能な未来のため2030年までに世界が解決すべきこととしてまとめられた17の目標です。社会は目覚ましい発展を遂げてきた一方で、貧困、食料不足、環境破壊、資源の枯渇などさまざまな課題を抱えています。これらの課題に対し経済活動を止めて解決を図るのではなく、バランスをとりながら発展し続けていこう、という考え方が「持続可能性」なのです。
 全農も次世代に持続可能な農業・食料供給・地域社会を引き継ぐため、生産者やJA、多様なパートナーとともに、農業や社会を取り巻く課題解決に取り組んでいます。例えば、堆肥や飼料作物など地域資源を活用し農畜産物を生産・販売する耕畜連携の推進、地産地消に貢献するJAファーマーズマーケットの運営支援、食生活の多様化や農産物の廃棄ロス削減に対応した商品開発などを行っています。
 持続可能な社会の実現に向けて国や企業・団体だけでなく私たち一人ひとりも行動を起こすことができます。
 例えば、普段の食生活に地産地消や旬産旬消の食材を積極的に取り入れてみませんか。地元で採れた旬のものを食べることはおいしさや新鮮なだけでなく、生産・輸送・保存にかかるエネルギーを低く抑えられることでもあります。地元産⇒国産⇒外国産の順で環境負荷が大きいことを頭におき、手に取りやすいものから地産地消を試してみましょう。食の地産地消は地域活性化や食料安全保障にも貢献します。旬の食材は季節感を感じられるだけでなく栄養価が高く、価格もお手頃です。
 調理法を工夫したり、買い物の量を見直したりして食品ロスを減らすことも大事です。令和3年度の食品ロスは約523万トン。年々減ってきているとはいえ、まだ東京ドーム約4個分です。そのうち約半分が家庭から出ています。食材を買い過ぎず食べる分だけ調理するほかに、すぐに使わない食材は冷凍するなど、保存方法も工夫をしましょう。食品ロスを減らすことはごみの削減と温室効果ガスの削減につながります。
 企業・団体が環境保護やSDGsに配慮して生産した、環境に優しい、あるいは収益の一部が環境保護に充てられる食品などもあります。こうしたものを選択することもサステナブルな暮らしの実現につながります。
 サステナブルとは、分かりやすく言うと「ずっと続けていける」という意味です。地球でずっと暮らすために自分だけでなく自然や生き物、いろいろな人のことに思いを巡らせながら生活を見直してみませんか。

※最初のSはサステナブル。Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標

里海米 里海卵 里海野菜 里海酒
瀬戸内海のカキ殻を農業分野で再利用

「瀬戸内かきがらアグリ推進協議会」(事務局:全農岡山県本部)が行う、地域循環環境保全事業「瀬戸内かきがらアグリ」はSDGsな取り組みとして注目されています。廃棄されるカキ殻を、土づくり資材として利用したお米を「里海米」、鶏のエサに添加して育てた卵を「里海卵」としてブランド化し、これらを食べることで里海である瀬戸内海を守り、育てる活動に参加できる農畜産物です。なすやレンコンなどの園芸品目や“里海の環”というお酒にも拡大中。これらの収益の一部は、温室効果ガス低減でも注目されている「アマモ(海藻)」の再生活動に充てられています。

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2023.09更新

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