工藤阿須加さんに聞く【農業への熱い思いと夢】

農業に真摯に向き合って
自然から学んだことを発信したい

大ヒットした2024年新春映画『ゴールデンカムイ』への出演をはじめ、映画やドラマ、舞台で活躍されている工藤阿須加さんは、2021年から本格的に農業を始めています。
テレビ番組『工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました』では、全国の就農者を訪ね、熱い思いを語り合う姿を通じて、農業の魅力を発信しています。
農業と俳優業との二刀流に挑む工藤さんに、農業への思いをお聞きしました。

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工藤阿須加(くどう あすか)
1991年生まれ、埼玉県出身。2012年ドラマ『理想の息子』で俳優デビュー。NHK大河ドラマ『八 重の桜』やTBS系ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』などに出演。日本テレビ『有吉ゼミ』では、「工藤阿須加 楽しい農園生活」のコーナーにて農業を学んでいる様子が放映中。
──どのようにして農業に興味をもたれたのですか?
 父がアスリート(元プロ野球選手)ということもあり、工藤家は食への関心が高く、子どもの頃から両親の知り合いの有機栽培農家さんの畑で手伝いをしたり、おいしいものへの興味がありました。農業や農業関係者と接する機会も多く、「もっと日本の農業を知りたい!」と思ったことがきっかけで、東京農業大学に進学しました。
 俳優業もあり、やりたいと思っていた農業をなかなか始められませんでしたが、コロナ禍で自分と向き合ううちに失敗を恐れずチャレンジしたいと思い、農業を始めて4年目になります。
──農業を始めて大変だったこと、嬉しかったことは何ですか?
 最初は5畝(5アール)くらいでしたが、栽培技術を学び、経験を積んで作業効率が良くなった分、規模も大きくなっていき、今は40アール近くを管理しています。作ってみたい野菜がたくさんあるし、販路も拡大したい。生産量も増やしたいので大変さはずっと変わらないです。
 自分が作った野菜を食べて「おいしい!」と言ってもらえる、その言葉が嬉しくて、苦労も全部吹き飛びます。
──農業から得ているものはどんなことでしょうか?
 あくまで僕の感覚ですが、野菜を種から育てて出荷するまでは、人の人生のようです。自然から学ぶことは本当に多く、命の芽生えに感動したり、生きる本質を考えたり、土や自然と対話することによって大きく影響を受けているのは間違いないですね。
 番組のロケで農家さんに、農業を始めたきっかけや、苦労や喜び、地域に対する思いなどを語ってもらうのですが、それぞれはみんな違うけれど、農業への熱い思いは一緒で。毎回新鮮な刺激をいただき、その意識の高さは僕にとって大きな学びです。
──農業と俳優業は、工藤さんの中でどのようにリンクしていますか?。
 農家も役者も、ある意味“職人”で、そこは共通しています。役者は、おもしろい作品を見てくれる人に届けたい。農家は、おいしい野菜を消費者に届けたい。ものづくりという意味では同じだと思っています。
 人間が一人ひとり違うように、同じように手をかけても、野菜の成長はそれぞれ違うし、病気や自然災害で思うように育たなかったりと、野菜を人になぞらえてみると人生のようで感慨深いです。
──今後の展望をお聞かせください。
 役者としては、いただいた役に全力で応えつつ、もう一歩二歩ハードルの高い、自分の新しい扉が開くような役にも挑戦できたらいいなと思います。
 農業は自分の生き方に大きく関わっています。規模を拡大していずれ会社やチームを作るなど法人化も見据えています。自分はどこに行くんだろう、というくらい夢がいっぱいあります。

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全農提供のテレビ番組
『工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました』
BS朝日/毎週水曜22:00 ~ 22:30


工藤阿須加さんが、農家に転職したさまざまな人を訪れて作業を手伝い、農業の喜びや苦労などの本音を聞き出し、リアルに伝える番組です。就農を目指す人はぜひ参考に! 農業を愛し真剣に向き合う工藤さんの姿をご覧ください
https://www.bs-asahi.co.jp/agriculture/

2024.07更新

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