食べられるのに捨てられる【食品ロス】後編

食品ロスの約半分は家庭から
一人一人の少しの心がけで食品ロス削減を!

日本語の「もったいない」は、環境活動の大切さと食べものに対する尊敬の念が込められた言葉として世界で賞賛されています。ところが、私たちは大量の食べものを輸入しているにもかかわらず粗末にしている「食品廃棄大国」でもあります。
「もったいない」と思う気持ちを大切にして、家庭の食品ロス“ゼロ”を目指しましょう。

foodloss

 日本の食品ロスは年間約621万トンも発生しています。この量は東京ドーム約5個分に相当します。このうち家庭から排出される食品ロスが約282万トン。これは家庭の工夫で減らせる部分です。その内訳は、皮を厚くむき過ぎたなど食べられる部分の過剰除去が55%、食べ残し27%、保管したまま期限を超えた手つかずの食品(直接廃棄)18%など大きく3つの原因に分けられます。
 野菜や果物は皮に近い部分に栄養が多いので、厚むきをせず、ブロッコリーの芯やネギの青い部分も利用すれば、生ゴミは減り、栄養が摂れて一石二鳥です。食品を食べずに捨てた理由として「鮮度の低下、腐敗、カビの発生」「消費期限、賞味期限が過ぎた」などがあげられています。もったいないことに、手つかずの食品が2割も家庭から生ゴミとして捨てられています。
「いつか食べる」と特売品を買い込むことはないでしょうか。在庫があるのを忘れて同じ食材を買ったことはありませんか。買い物に行く前には必ず冷蔵庫をチェックして、必要なものをこまめに買うようにし、帰宅したら生鮮食品はすぐに冷蔵庫に入れます。使い切れない食材は、下処理をして小分けにして冷凍しておけば、料理にすぐ使えて便利です。料理を作りすぎてしまったら、次のメニューが一品増えたと考えて、冷蔵庫や冷凍庫で保存して、なるべく早く食べるようにし、中途半端に残ったら別の料理にアレンジする工夫もしたいですね。
 家庭から出る食品ロスは大部分が生ゴミとして焼却されますが、平成27年度の市町村におけるゴミ処理事業費はなんと約2兆円。1人当たりのゴミ処理経費は年間1万5200円にものぼります。家庭での食品ロスを削減することは、家計のムダを減らし、環境への負荷を減らし、ゴミ処理経費(税金の支出)も減らすことになります。
 事業系から発生する339万トンのうち120万トンが外食産業から発生しています。飲食店における食品ロスの大半は、提供後に食べ残された料理です。宴会の食べ残しを減らす「3010(さんまるいちまる)運動」は前号で紹介しましたが、私たちにできることがあります。自分自身の食事の適正量を知り、小盛・小分けメニューを上手に活用し、食べきれる量を注文することです。ハーフサイズや少量コースなど食べ残しが出ないメニューや、自己責任を前提に食べ残し料理の持ち帰り容器を用意する飲食店も増え、「食べきり運動」は地方自治体の後押しもあって全国的に広がっています。
 日本には世界に誇れる「もったいない」という言葉があります。もったいないという言葉には、ものを大切にする気持ち、尊敬の念が込められています。美味しい食べ物を残さずいただき、食品ロスをなくして心豊かに暮らすためには、食にかかわる事業者、消費者、行政が連携して気持ちをひとつに「もったいない」精神を実践することが大事ではないでしょうか。

なるほど情報

必要な食品を、必要な時に、必要な量だけ購入して
「使いきる」「食べきる」

賞味期限と消費期限の違いをご存じですか。加工食品の期限表示には2種類があります。どちらも開封していない状態で、表示されている保存方法で保存した場合の期限です。消費期限は品質の劣化が早い食品に表示されている「食べても安全な期限」なので、期限を過ぎたものは食べない方が安全です。一方、賞味期限は「おいしく食べられる期限」なので、期限を過ぎてもすぐに廃棄せずに見た目や臭いなどで食べられるか判断しましょう。その日必要な買い物をすれば、棚の奥まで手を伸ばして期限の長いものを探す必要はありません。利用に応じて賞味・消費期限を確認することが食品ロスを減らします。買い物や外食をするときの一人一人の心がけで、大きく食品ロスを減らすことができると信じて、できることを実践しましょう。

参考:農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/index.html

2018.02更新