最新の研究でわかった【お米の健康効果】

生活習慣病や糖尿病の予防、改善に役立つなど米のタンパク質には様々な健康機能が確認されています

おにぎりダイエットが話題になるなど、健康面で注目を集めているお米。実は最新の研究により、お米にはたくさんの健康に役立つ機能があることがわかってきました。
長年にわたり、米に含まれるタンパク質の機能性をテーマに研究している 門脇基二 かどわきもとに 博士(新潟工科大学副学長)にお話を聞きました。

img_01

―お米のタンパク質に血中コレステロールや中性脂肪の値を減らす働きがあるとお聞きしました

 メタボリックシンドロームや生活習慣病を予防したい、改善したいという方は、米を主食にすることをおすすめします。なぜなら、米にはα-グロブリンという代謝を促進する働きがあるタンパク質が含まれており、血中コレステロールや中性脂肪の値を減らす働きが期待できます。大豆にも同様の成分が含まれていることは以前からよく知られていましたが、最近、米にも含まれていることがわかりました。
 ごはんに納豆と味噌汁という伝統的な組み合わせが健康によいことも科学的に証明されたといえるでしょう。

―さらに、米が糖尿病の予防や改善に役立つという話も耳にしましたが…

 糖尿病になる原因のひとつは、食生活の乱れなどによりGLP-1というホルモンの分泌量が減少することです。米のタンパク質には、このホルモンの分泌量を増やす働きがあり、血糖値の上昇を抑制する働きも確かめられています。適量の米を食べることは糖尿病の予防や改善に役立つと考えられます。今、医療現場などでも注目されています。

―腎臓病の透析治療時にはリンやカリウムが少ない米食がいいというのは本当ですか?

 透析治療をするときは、タンパク質をきちんと摂るように指導されますが、肉や魚などタンパク質が豊富な食材にはリンやカリウムが多く含まれています。リンやカリウムは透析患者さんにとっては、動脈硬化や骨代謝の悪化などを引き起こす危険性があるので、肉・魚の摂取を制限せざるを得ません。
その点、タンパク質を適度に含み、リンやカリウムの少ない米は、栄養補給源として優れた食品といえます。
(※糖尿病や腎臓病を治療中の方が米食をする際は、医師の指導に従ってください。)
 お米は日本人の主食です。ほとんど炭水化物で構成されていますが、タンパク質を約6%含んでおり、日本人は一日に必要なタンパク質を肉、魚介類の次に、実は米から摂っています。このことも知られていないような状況ですから、米のタンパク質については、ほとんど研究されていませんでした。門脇先生をはじめ最新の研究で驚くべき機能性があることが次々にわかってきました。私たちは毎日ごはんを美味しく食べることで、知らないうちに健康効果を享受しているのです。

“なるほど”情報
門脇基二氏
門脇基二(かどわきもとに)
農学博士、新潟工科大学副学長

さらに期待されるお米のチカラ
米のタンパク質にはアレルギー症状の軽減や抗菌作用などについても研究が進んでいます。米のタンパク質を与えたマウスの実験では、与えなかったマウスと比べて、アレルギーによるくしゃみの回数が半減しています。人にも同様の効果があるのかまだはっきりしていませんが、今後のさらなる研究が待たれます。免疫力を高める効果や、歯周病やにきびを予防する効果などが確認できれば、さまざまな方面に応用できるかもしれません。

2018.05更新