日本人の伝統的な食文化【和食】

自然の恵みや行事食など、ごはんを中心とする
豊かなライフスタイルを未来につなぎましょう!

ごはんを中心に季節のものを食べる「和食」は、私たち日本人の生活を形作る大切な食文化です。和食は栄養バランスのよい食事として世界から注目を浴び、外国人が好きな外国料理の1位に選ばれています。海外の日本食レストラン数は約11万8千店(2017年農水省調べ)にものぼり、さらに増え続けています。 日本が世界に誇る和食の特徴とはどのようなものかみていきましょう。

 2013年12月に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食の素晴らしさに改めて気づいた方も多いのではないでしょうか。ここでいう「和食」とは、単なる料理の一ジャンルではなく、自然を尊ぶという日本人の精神に基づいた、日本人の生活や社会的慣習を形作る大切な文化として世界に認められたものです。たとえば、おせち料理。おせち料理が和食かどうかではなく、ユネスコが登録したのは「正月におせち料理を食べるという文化」、赤飯ではなくて「おめでたい時に赤飯を食べる文化」、ごはんやみそ汁ではなく「ごはん、みそ汁、おかずといった組み合わせを基本とする文化」を和食としています。あくまでも対象となるのは社会的慣習(文化)で、食事自体(特定のもの)が登録されたわけではありません。
 和食は四季折々の海、山、里の豊かな自然の恵みを大切にし感謝する心と、地域や家族をつなぐ日本人特有の豊かなライフスタイルとともに受け継がれてきました。日本には正月や節句など行事やお祝いの日に食べる特別な料理として「行事食」があります。日常(ケの日)と区別され、非日常(ハレの日)には晴れ着を着て、晴れの舞台に臨み、健康長寿を願い、ご馳走を食べて元気になって、日常の暮らしに戻ります。また、行事の場で自然の恵みである食を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めるという重要な役割も担ってきました。元旦の雑煮やひな祭りのちらし寿司、彼岸のぼたもちなど行事とともに食が記憶されています。こうした年中行事や日本の風土にそった暮らしを生活に取り入れ、栄養たっぷりの旬の食材を食べ、季節感を大切にする心も育まれてきたのです。
 和食文化は奥深く、出汁(だし)を使うなどの調理技術や盛り付け、食事のマナー、社会的慣習、自然の尊重など、ハードルが高くて難しくとらえがちですが、海外がルーツのものも柔軟にアレンジし発展してきました。和食に欠かせない箸のマナーを身につけたり、献立スタイルを一汁三菜にしてごはんを美味しく食べる、旬の食材をとりいれ、味噌やしょう油、酢など伝統的な発酵調味料を使う、郷土料理や行事食を作るなど、和食文化に親しむ方法はたくさんあり、決して難しいものではありません。
「外国人観光客が最も期待しているのは日本食を食べること」という外務省の調査結果があります。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会を間近に控えた今こそ、和食文化を見直し、訪日外国人の皆さんを和食や国産農畜産物でおもてなしできれば素敵ですね。

なるほど情報

うま味のベース「出汁だし

 和食の味わいの中で最も重要といわれる出汁。かつおや昆布、煮干し、野菜などからうま味成分を抽出した和風だしは、甘味・塩味・酸味・苦味に次ぐ第五の味覚「旨味」として、世界中に知られています。
 出汁の原料はさまざまですが、どの出汁も素材の味を引き立て、風味がよく上品で優しく繊細な味なので、和食のベースとしてどんな料理ともよく合います。一般的にレシピで出てくる「出汁」は、かつおや昆布だしをさします。素材から丁寧にとる出汁のうまさはひと味違いますね。でも、手間がかかるという人は和風だしパックなど手軽に使えるものもあるので、出汁の旨みをベースにしてだし巻き卵や煮物など何か一品作ってみませんか。

参考:
(社)和食文化国民会議 https://washokujapan.jp/
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/

2018.12更新