米が持つ健康機能性の新発見【肝臓にはたらく米】

高コレステロール状態や
脂肪肝が「ごはん食」で改善される可能性

最新の研究で私たちの主食である米に様々な健康機能性が発見され、生活習慣病予防対策に効果的なことがわかってきました。
今回は米の持つ高コレステロール状態と脂肪肝の改善効果について研究されている、東京農業大学の山本祐司教授にお話を聞きました。

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参考:「なるほど!米の新発見」 https://noricenolife.jp/narukome/
最新の研究からわかったお米の機能性を紹介しています。

──米を食べることでコレステロール値が下がるというのは本当ですか?
山本 過食で肥満・高コレステロール状態になったラットに、標準のエサ、コーンスターチを白米に置き換えたエサ、玄米に置き換えたエサをそれぞれ100日間与えた実験の結果、標準のエサでは高コレステロール状態のままでしたが、白米と玄米のエサではコレステロール値の明らかな低下が確認できました。3種類のエサはどれも同じエネルギー量です。また、過食で脂肪肝になっていた肥満ラットの肝臓脂肪が標準値まで減っていることも確認できました。

──コレステロール値は人でも改善されますか?
山本 健康な人と脂肪肝の人を対象にして、玄米を1日当たり160g以上90日間食べてもらうという検証を行いました。健康な人はコレステロール値は正常範囲のまま変化はありませんでしたが、脂肪肝の人は血中コレステロール値の減少と炎症を表すマーカー値の低下がみられました。両数値の低下により脂肪肝が改善されていると推測できます。今回は玄米食で実験を行いましたが、ラットの実験での効果をふまえると、白米でも効果は十分に期待できます。

──なぜこのような結果が得られたのでしょうか?
山本 米に含まれる成分が肝臓のコレステロール代謝遺伝子を活性化させて、肝臓がコレステロールを胆汁酸へ代謝するのをうながしていると考えられます。さらに、胆汁酸がコレステロールとして再吸収されるのを抑制し、小腸へコレステロールを排出するため、肝臓および血液中のコレステロール値を下げることもわかってきました。

──「サプリメントより食事を」と、ごはん食の効果を訴えていらっしゃいますが…
山本 研究では玄米や白米を食べることで高コレステロール、脂肪肝の状態が改善する可能性があることがわかりましたが、コレステロールを下げる要因は複合的なものです。米のタンパク質、食物繊維、難消化性タンパク質などが影響している可能性はありますが、特定成分を抽出したものがピンポイントに効くのではなく、米を炊いて食事として食べることで相加的効果が得られるのではないかと考えています。サプリメントよりも食事として味わうごはんの方が複合的な米の力がみなぎっていると考えます。
 今、「1975年頃の日本食が最も健康的」という実験結果(※)も話題になっていますね。こうしたさまざまな研究によって、米の魅力が見直されて、消費量回復につながることを大いに期待します。

 毎日ごはんを食べることでコレステロール値が改善される可能性があるということがわかりました。毎日ごはんを美味しく食べて元気で健康に暮らしましょう。

プロフィール

山本祐司(やまもとゆうじ)
東京農業大学 応用生物科学部教授

玄米の新規機能性の解析や生活習慣病の予防や治療に有効な食品の探索、食生活ががん発症に及ぼす影響のメカニズム解析など研究テーマは多岐にわたる。

(※)東北大学大学院 都築毅准教授らの研究チームによる実験結果

2019.01更新