集え、高校牛児! 【和牛甲子園】

将来の担い手へ
高校生が和牛肥育の腕を競う全国大会

全農が主催する「和牛甲子園」は、全国の農業高校生が授業やクラブ活動の一環として育てている和牛の肉質や、和牛肥育の日頃の取組み内容を競い合う大会です。第2回となる今年は11県23校が参加し、出品牛は28頭で、いずれも前回を上回りました。全農は「和牛甲子園」を通じて、将来の担い手候補である「高校牛児」たちを全力で応援します。

 全国から選抜された優秀な和牛が集まり、和牛日本一を決める「全国和牛能力共進会」で、第11回の宮城大会(2017年)において高校生の部が初めて設けられました。しかし、この共進会は5年に1度しか開催されません。全国には農業高校が300校余りあり、授業やクラブ活動の一環として和牛が肥育されています。3年間しか在籍しない高校生に毎年活躍の場を提供したいという思いから「和牛甲子園」の開催を検討し、約3年の準備期間を経て、2018年1月に第1回大会を開催しました。
 和牛甲子園は、高校球児ならぬ「高校牛児」たちに、大会に出場するという具体的な目標を持ち、技術の向上と生産意欲を高めてもらい、さらに同じ志を持つ各地の同世代の仲間との交流の場としてネットワークづくりに活用してもらうことを主な目的としています。
 高校牛児ナンバーワンを選ぶ審査は、肉質評価(枝肉評価部門)と和牛肥育の取組み内容発表(取組評価部門)の2部門の総合評価で競います。
 第1回大会では全国8県15校から高校生53名と黒毛和牛21頭が出場。各校から高い技術レベルの創意工夫あふれる取組みが報告され、出品牛の肉質評価では21頭中19頭が4等級以上に格付され、和牛生産のプロに負けない高い技術力を示しました。参加した高校生や先生方をはじめ、畜産関係者、行政などから「大きな目標ができ学習意欲が向上した」「これまでにない有意義な取組み」といった、大会を評価する声をいただき、地方メディアも地域の明るい話題として受賞校を取り上げ、第2回開催への大きな励みとなりました。
 今年1月に開催した第2回大会では前回を上回る全国11県23校から高校生80名、黒毛和牛28頭が出場。総合優勝は昨年に続き岐阜県立飛騨高山高校が選ばれました。体験発表のタイトルは「飛騨牛の新時代は私たちが築く」。来年の東京五輪・パラリンピックへの牛肉提供を踏まえた「畜産GAP(農業生産工程管理)取得チャレンジシステム」を高校の肉牛農場では全国で初めて取得したことや、飛騨牛ブランドを守るため雌牛肥育技術を磨いて生産頭数を確保するといった特徴ある取組みが評価されました。昨年は先輩たちが優勝してプレッシャーと不安があったという飛騨高山高校ですが、見事に2連覇を達成。2大会とも応援にかけつけた岐阜県肉用牛協会の辻直司会長は「飛騨牛を生産する農家も高校生も目指しているものは同じ。枝肉の成績も大人のレベル、子ども扱いはしていません。若い人たちの夢を壊さないように次世代にバトンを渡す責任は重大」と話します。さらに、地元のJA飛騨ミートでは、毎年、雌牛1頭を高校に提供して、飛騨牛の生産頭数を確保できるようサポートしています。
 同じ志をもつ生徒たちが相互に学び合い、競い合い、支え合うネットワークが全国に広がり、将来の日本の畜産を支えていく力となることを願い、全農は今後も和牛甲子園を通じて、全国の高校牛児たちを応援していきます。

第2回和牛甲子園の結果

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総合評価部門 最優秀賞 岐阜県立 飛騨高山高等学校(写真)
取組評価部門 最優秀賞 鹿児島県立 市来農芸高等学校
枝肉評価部門 最優秀賞 鹿児島県立 曽於高等学校

2019.06更新