農業の未来を創出するプロジェクト 【ゆめファーム全農】

施設園芸の経営モデルを実証・確立し、 担い手への提案を目指します。

農家の減少と高齢化が進む中、若い担い手をいかに確保するかが大きな課題となっています。そんな中、全農では、所得が確保でき、次世代にも魅力ある営農モデルを確立しようと、ゆめファーム全農プロジェクトを展開しています。最先端技術を取り入れた栽培施設で、高い収量を上げられる栽培体系などを実証・確立し、生産現場に普及させようという取り組みです。

 昨年12月、キュウリの多収栽培を実証する大規模施設「ゆめファーム全農SAGA」が佐賀県佐賀市で稼働しました。目標に掲げる収量は、県の平均の倍以上にあたる10アール当たり45~50トン。高さ5メートルもある高軒高(こうのきだか)のハウスで、面積は約1ヘクタールに上ります。ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素の濃度といった各種データを蓄積・分析し、施肥量などを細かく管理することで、安定して高収量を確保できる技術の開発・実証に着手しています。隣接する市の清掃工場から出る排熱蒸気をハウス内の暖房に、二酸化炭素を植物に施用することで、資源循環型の農業も実践しています。
「ゆめファーム全農SAGA」はゆめファーム全農プロジェクトで3例目となる施設です。プロジェクトの取り組みの一つが、高い栽培技術を持つ生産者と連携し、大規模栽培施設で安定的に高収量を実現する栽培技術などのソフト面の実証。同時に、生産者の栽培規模に合わせた園芸施設・資材などのハード面の実証も進めます。この両面を組み合わせて、高収量が実現でき、所得も十分確保できる営農モデルを確立し、そのノウハウを担い手に提案することを目指しています。
 プロジェクトの第一弾となった施設が、「ゆめファーム全農とちぎ」(栃木県栃木市)です。トマトの実証施設で2014年に稼働しました。緻密な栽培管理や、設備の工夫などを重ねた結果、10アール当たり40トンの収量を達成。その後も継続して高水準の収量を達成し続けています。トマト栽培の研修生も受け入れ、将来、独り立ちできるよう、栽培技術から農場運営まで幅広い研修を実施しています。
 ナスの実証施設「ゆめファーム全農こうち」(高知県安芸市)は2017年に稼働。養液栽培と土耕栽培の比較試験などに取り組み、国内最高収量10アール当たり35トンの実現に挑戦しています。また、ウェアラブル端末で作業者の心拍数などのデータを取得し、作業者の熱中症対策など健康や労務管理に生かす実証にも取り組んでいます。人手不足が懸念される中、外国人の働き手など多様な人材が働きやすい環境を整えるための取り組みをすすめています。
 全農は、こうしたプロジェクトで培われたノウハウを「ゆめファーム全農モデル」としてパッケージ化して生産現場に提案することで、各地の担い手が自らの経営に取り入れられるようにし、国内の生産量の拡大につなげる考えです。

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キュウリの多収栽培を実証する大規模施設「ゆめファーム全農SAGA」の外観(上)と施設内の様子

2020.04更新

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