地域ブランドを守る 【地理的表示(GI)保護制度】

GIは地域固有のブランドの証。
国が品質を保証し、国内外に発信できます

地域で代々受け継がれてきた農産物等を知的財産として守る「地理的表示(GI)保護制度」がスタートして、今年で6年目になります。これまでに、国内で94産品が登録されました(2020年3月30日時点)。GIに登録することにより、国内での販売はもとより海外に地域固有のブランドとして発信でき、差別化を図ることができます。

 地理的表示保護制度の別名GIは「Geographical(地理的)Indication(表示)」の頭文字をとったものです。地理的表示とは、農林水産物・食品の名称で、その名称から産地が分かり、品質や社会的評価などがその産地と結びついていることが特定できる名称の表示です。この地理的表示を知的財産として保護することで、産品の適切な評価・価値の維持向上、産品に対する信用を守り、生産者の利益と消費者の利益を保護することを目的としています。
 例えば、ふるさと探訪で紹介した山形市で生産される「山形セルリー」はJAが指名した熟練生産者により毎年、優良な親株を選抜、採種。そして蔵王山系の豊富な伏流水や肥沃な土壌など、この地域ならではの資源を生かして春どり・秋どりハウスの年二作の栽培を実践し、「セルリー独特の苦みが少なく、瑞々しい食感」「スラリとした姿形で筋が柔らかい」といった産品の評価を確立させていることなどから、2018年にGI登録されました。
 このように日本各地には気候や風土、それらと結びついた伝統的製法によって、唯一無二の個性を持ち高い品質が認められてきた農産品や食品が数多くあります。ただ、こうした産品の知名度が上がると、他の地域で似たようなものを販売したり、ブランド名を勝手に利用したりといったケースが発生する場合があります。こうした模倣品は苦労して品質を保とうとしている生産者の権利を侵害するだけでなく、表示を信頼して商品を購入する消費者も裏切る結果になってしまいます。
 そこで国は2015年に「地理的表示保護制度」を定め、登録申請の受付を開始。国が生産方法や品質などを適切に評価し、第一弾として夕張メロン、神戸ビーフ、八女伝統本玉露など7産品を登録。その後、大舘とんぶり、江戸崎かぼちゃ、矢田部ねぎ、大分かぼすなど、次々と登録が進み、2020年3月現在で94産品が登録されました。この他に海外の産品として、イタリアのハム「プロシュット ディ パルマ」も登録を受けています。GI登録されると国がその品質にお墨付きを与えた印として、登録商標(GIマーク)をつけて販売することができます。また、模倣品などの不正使用を行政が取締まって罰則を科し、産品の品質維持やブランドの価値の向上を図ります。
 GIは地域ブランド保護の枠組みとして国際的に広く認知され、発祥地のフランスなどEUをはじめ世界100ヵ国以上で導入されています。GIマークで「Mede in Japan」の正規品であることを海外の消費者にアピールでき、日本と相互に保護をする協定を結んでいるEUであれば、国内と同じように保護の対象となります。国産の農畜産物の輸出拡大に、心強い仕組みといえます。

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2018年にGI登録された「山形セルリー」
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地理的表示保護制度について(農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/
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GI登録産品はこちらhttps://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/index.html

2020.05更新