牛乳で美味しく減塩 【乳和食】

新しいスタイルの和食「乳(New)和食」で健康寿命を延ばしましょう!

日本は世界一の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の差が10年もあります。和食は世界に認められていますが、意識しないと塩分のとり過ぎやカルシウムが不足してしまいます。
今月は牛乳月間です。栄養価が高くて美味しい牛乳のいいところを引き出し、和食の弱点をカバーする料理法として注目されているのが「乳和食」です。乳和食の開発者である料理家の小山浩子さんに、特徴や料理法などをうかがいました。

── 「乳和食」とはどのような調理法のことですか?
小山 和食で使う味噌やしょう油などの調味料に「コク」や「うま味」をもつ牛乳を合わせることで、使用する食材本来の風味や特徴を損なわずに塩分を減らし、美味しい和食が食べられる調理法のことです。調味料を減らすと薄味になってしまいますが、牛乳を加えることで乳脂肪のコクやアミノ酸のうま味、乳糖の甘味やクエン酸の酸味などが加わり、塩分が減ってもしっかりした味わいがでます。また日本人にとって不足しがちなたんぱく質やカルシウムなどを補うことができます。

── なぜ和食に牛乳を使おうと思ったのですか?
小山 牛乳には和食に不足しがちなカルシウムが豊富に含まれているほか、血糖値の上昇を緩やかにしたり、メタボリック症候群のリスクを低減する健康効果があります。
 料理研究家として長く牛乳とつきあい、普段の食事にどうしたら簡単に、美味しくとり入れてもらえるだろうかと試行錯誤を繰り返して、やっとたどりついたのが「乳和食」なんです。

── 牛乳をどのように和食にとり入れればよいのでしょう?
小山 使い方はとっても簡単。普段、料理に使うだし汁や水の代わりに牛乳を使います。味噌汁の味噌を牛乳でのばしたり、牛乳とめんつゆを合わせて煮物に使ったり、水の代わりに牛乳でじゃがいもをゆでたり、乾物を戻したり、魚を煮たり、天ぷらやフライなど揚げ物の衣に牛乳を加えたりするだけ。調味料を減らしても牛乳のうま味とコクが加わって美味しさを損なわず、無理なく減塩ができます。
 例えば、美味しい新じゃがいもが楽しめる今の時期は「ミルクポテトサラダ」がおすすめです。切った後、水に浸けてでんぷんを洗い流したじゃがいもをフッ素樹脂加工のフライパンを使用して牛乳で煮て粉吹きいもを作ったら、トロトロになるまで水分を飛ばして塩少々で味を調えます。熱いうちにすし酢を加えて味付けし、輪切りにしたキュウリとゆでたニンジンを加え混ぜれば出来上がりです。牛乳とお酢がマヨネーズ代わりになり、食塩相当量が56%もカットできるんですよ。
(※JミルクのHPでレシピと作り方の動画を見ることができます)

── 乳和食がフレイル予防食としても注目されていますね。
小山 私はJA健康寿命100歳プロジェクト推進委員のひとりです。フレイル(虚弱)は健康な状態から心身・生活・社会的機能が徐々に低下して介護が必要になるまでの中間地点で、高齢期の健康管理はフレイル予防が大変重要といわれています。
 歳をとると食が細くなり、使う食材も偏りがちです。食べなれた和食に牛乳を加えた乳和食なら低栄養の改善に役立ち、減塩もできるので高齢者におすすめです。
 乳和食を上手にとり入れて健康寿命100歳を目指しましょう!

 牛乳がたくさんとれて、和食がさらに美味しくなる「乳和食」は、新しい減塩指導法として評価され、日本栄養士会や日本高血圧協会などでも普及への取組みが行われています。
 乳和食で牛乳の魅力をあらためて実感してみませんか。

小山さんの著書「やさしい、おいしい はじめよう乳和食」(日本実業出版社)を10名様にプレゼントします。
応募方法など詳しくはプレゼントページをご覧ください。

※乳和食のレシピなどはこちらから (一社)Jミルク https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/about.html

プロフィール

小山 浩子(こやま ひろこ)
料理家・管理栄養士。乳和食の開発者としてテレビ、講演会、書籍などでその魅力を発信。 料理教室の講師やコーディネート、メニュー開発、栄養コラム執筆などでも活躍。著書に「やさしい、おいしい はじめよう乳和食」(日本実業出版社)、「かしこい子どもに育つ!育脳離乳食」(小学館)、「血圧が下がる新習慣」(宝島社)など多数有。日本高血圧協会理事、JA健康寿命100歳プロジェクト推進委員など。
公式HP http://koyama165.com/

2020.06更新

閲覧数ランキング