家庭菜園 記事一覧

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

グリーンピース

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

エンドウの仲間で実を食べます。冷涼な気候を好むため、秋にたねをまき初夏に収穫します

 エンドウの仲間には、若い莢(さや)を味わうキヌサヤエンドウ、莢と実を食べるスナップエンドウ、丸々とした実を食べるグリーンピースがあります。たねまきや植えつけなどの栽培方法は同じなので、一度に作るといろいろな種類を長く楽しめます。
 連作障害が出やすいため、マメ科の野菜を過去5年栽培していない場所を選びましょう。
 生育適温は10〜20℃です。幼苗時は寒さに強く、草丈10〜15cmで冬越しさせます。敷きワラや寒冷紗のトンネルなどで防寒対策をし、春先に蔓(つる)の伸びが活発になってきたら支柱を立てて誘引します。日当たり、風通し、水はけを良くし、立ち枯れ病やうどんこ病、アブラムシなどの病害虫を防ぎましょう。莢が膨らんでシワができ始めたら採り頃です。

たねまき

ビンの底などを利用して深さ2~3cmのくぼみをつけ、1ヵ所3~4粒の点まきにします。土を被せて表面を手の平で軽く押して土とたねを密着させ、たっぷりと水やりしましょう。
たねを鳥に食べられないように、寒冷紗のトンネルをかけたり、半分に切ったペットボトルを被せたりして防ぎましょう。心配なら、ポットまきで育苗してから植えつけましょう。

1

発芽

6~10日で芽が出ます。

2

間引き

本葉3~4枚になったら、1ヵ所2本立ちになるように間引いて土寄せします。

3

防寒対策

仮支柱を立て、防虫ネットや寒冷紗などをトンネルがけしましょう。株元に枯れ草や腐葉土、ワラなどをたっぷり敷いても良いでしょう。

4

追肥

冬を越して蕾が出始めた頃と、花が咲き終わり豆が肥大を始めた頃に、化成肥料(8-8-8なら1m2当たり40g、14-14-14なら同20g程度)を施用してください。

6

支柱立て

暖かくなって茎葉が伸び、巻きヒゲが出始めたら、支柱を立てて蔓を誘引します。2mの支柱を、株の脇に真っ直ぐ立てるか合掌式に組んで、キュウリ用のネットなどを張ります。

5

収穫

開花から1ヵ月くらいで収穫します。実がふっくらして、莢の光沢が無くなり表面にシワが入り始めたら収穫のサインです。1つ採って莢を開け、実が丸々太っていたらOK。ハサミを使って収穫しましょう。タイミングを逃すと実が硬くなってしまうので、採り遅れには要注意です。

7

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

グリーンピースは通気性の良いフカフカの土壌を好みます。完熟堆肥には土壌の通気性を良くする効果があります。たねまきの2週間以上前に、完熟堆肥を1m2あたり2kg程度散布します。また、酸性土壌を嫌うので、苦土石灰を100g程度散布し(前作で施用していれば不要)、できるだけ深く耕しておきましょう。
元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8なら1m2当たり50g、14-14-14なら同30g程度)を散布し、土に混ぜ込みます。マメ科植物の根には、空気中の窒素を取り込み、それを窒素肥料(アンモニア)に変えて植物に与えてくれる根粒菌という細菌が共生しています。肥料を多くまき過ぎると、根粒菌の働きが悪くなるので注意してください。


●グリーンピースの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール
※ 地域や品種によって多少の違いがあります。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

カボチャ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

たねからでも苗からでもOK。丈夫で管理も難しくないので初心者におすすめです。

 日本で栽培されているカボチャは、主に西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャの3系統です。丈夫で土壌病害に強く、キュウリやメロンの接ぎ木の台木に利用されるほどで、連作も可能。多湿には弱く、水はけを良くして育てます。
 雌花が咲いたら、人工授粉をして確実に受粉させましょう。追肥には果実を肥大させるほか、葉をよく茂らせることで果実の日焼けを防ぐ効果も。タイミング良く行います。
 生育が旺盛で蔓(つる)がよく伸び、2m四方ほどのスペースを取ります。狭い場所やプランターならミニカボチャの品種を選び、支柱を立ててキュウリネットを張り、蔓を這わせる立体栽培がおすすめです。
 収穫後、日陰で2~3週間陰干し(追熟)すると、カボチャのデンプンが糖に変わって甘味がのり、保存性も高まります。

たねまき

ポリポットに深さ1cmの穴をあけて、2粒の点まきにします。土を被せて軽く押さえ、たっぷり水やりしましょう。発芽地温が25~30℃と高いので、ビニールを被せるなどして保温するか、暖かい場所において管理しましょう。

間引き

5~7日で発芽します。本葉1~2枚で葉の形の良いものを残し、1本立ちにします。

植えつけ

本葉4~5枚になったら、根鉢を崩さないように取り出して、地面より根鉢の上面が少し高くなるように浅く植えつけ、株元をしっかり押さえて根鉢と土を密着させます。黒マルチをすると地温も高くなり、生育が良く、雑草も抑えられます。

整枝

西洋種は、親蔓から子蔓が伸びてきたら、勢いの良い2本の子蔓を残してハサミで切り取り、親蔓1本、子蔓2本の3本仕立てにします。日本種とペポカボチャは、本葉5~6枚で親蔓の先端を摘芯して子蔓を伸ばし、成長してきたら小蔓2~3本を残して切り取ります。

人工授粉

カボチャの花は1日花で午後にはしおれてしまうので、晴れた日の早朝に雄花を摘み取り、花粉を雌花の雌しべにつけて受粉させます。受粉日をメモしておくと収穫期の目安になります。成り蔓の9節目以下までの雌花は取り除きます。

追肥

果実肥大が始まった頃に、化成肥料(1m2あたり8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を株元から1m(蔓なしカボチャなら株元から40cm程度)の範囲に散布し、軽く土と混ぜます。深く耕し過ぎると根を切ってしまうので注意しましょう。この後、水やりして肥料を土とよくなじませます。

収穫・保存

西洋種は受粉から40~50日(ミニカボチャは35~40日)、日本種は30~35日程度で、果皮が硬くなり(爪が立たなくなるくらい)、ヘタの部分のコルク化が進んだら収穫の目安です。ペポカボチャは品種によって収穫適期が違うので、種袋などで確認しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kg程度と苦土石灰100g程度(前作に石灰類を施用している場合は省略)を、畑全面に散布し、深く耕しておきます。カボチャの根は横方向に広く張ります。また地を這う蔓の途中からも根(不定根)が出ることがあります。このため、畑の全面を耕しておくのがポイントです。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し土に混ぜ込みます。


●カボチャの栽培スケジュール

(畑でも大型プランターでも栽培できます)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

コカブ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

カブは縄文時代に渡来したといわれる歴史の古い野菜です。
大きさや色、形など地方品種も多く、家庭菜園でも大人気。
特にコカブは栽培期間が短くて育てやすいので、ビギナーにおすすめです。

 コカブは、品種によって違いはありますが、たねまきからおおよそ40〜50日で収穫できます。生育適温は15〜20℃と冷涼な気候を好み、高温と乾燥に弱いですが比較的寒さには強いです。春まきと秋まきで楽しめますが、初心者には害虫の被害が少ない秋まきが作りやすくておすすめです。
 カブは根と茎の境界部分(胚軸)が肥大して可食部になります。生育途中で移植をすると根の直上の肥大部分が変形したり、生育が悪くなるので、必ず直まきにします。たねは厚めにまいて3回位に分けて間引きをしながら、競争させて大きく育てます。
「根こぶ病」などの連作障害が発生しやすいので、アブラナ科の野菜を育てた畑での栽培は1〜2年あけましょう。

たねまき

深さ1cmほどのまき溝を作り、1cm間隔くらいを目安にすじまきにします。土をかぶせて軽くおさえ、たっぷりと水やりしましょう。

間引き

2~3日で発芽します。発芽がそろったら(子葉の頃)、2~3cm間隔(葉と葉が重ならない程度)に間引きます。

本葉3~4枚になったら生育の悪い苗を間引きして、4~5cm間隔にします。

本葉5~6枚で最終株間10~12cmに間引き、土寄せしましょう。

追肥

基本的に追肥は不要ですが、秋まきや聖護院などの大型品種の栽培で、生育期間が長くなるような場合には、最終の間引きが終わった後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)50gを散布し、株元に土寄せしてください。

アブラムシ、コナガ、ヨトウムシ、カブラハバチなどの害虫が発生するので、たねまき直後から不織布をべたがけにしたり、寒冷紗や防虫ネットでトンネル栽培をして防ぎましょう。

収穫

直径5~6cmを目安に収穫します。収穫が遅れると、スが入ったりヒビ割れを起こしたりするので、早めの収穫を心がけましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

堆肥による土づくりは大切ですが、堆肥散布からたねまきまでの期間が短いと、分解途中の堆肥と触れることで、コカブの表面にシミや亀裂が入り、品質が悪くなります。肌のきれいなコカブを収穫するためには、早めの準備が肝心です。少なくともたねまきの2~4週間以上(地温が低い時期ほど長く)前には、堆肥による土づくりを終わらせておきましょう。
1m2あたり完熟堆肥1kg程度と、苦土石灰100g程度(いずれも前作に施用していれば不要)を散布し、深く耕し、土づくりを済ませておいてください。土が乾いているときは、耕した後に水やりすると、堆肥の分解が速くなります。
元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し土に混ぜ込みます。


●コカブの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

キュウリ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

キュウリはナスやトマトなど果菜類の中では成長が早く、栽培がやさしいので初心者におすすめです。
病気に強い接ぎ木苗を植えつけてたくさん収穫を楽しみましょう。
朝採りのおいしさは格別ですよ。

 原産地はインド西北部のヒマラヤ南山麓といわれ、生育適温は18~25℃です。植えつけは遅霜の心配がなく、最低地温15℃以上になった頃に行いましょう。根は空気を好んで浅く広がるので、乾燥防止と病気の原因となる泥はねなどを防ぐため、敷きワラをしたりマルチを張ると効果的です。
 病害虫の発生を防ぐため、高畝にして水はけをよくし、整枝や摘葉を行って日当たりや風通しをよくしましょう。また、成長が早いのでどんどん収穫して、適期を逃したものもそのままにせずに切り取り、株が疲れないように気をつけます。
 特に、葉の表面に粉をふいたような白い斑点が現れる「うどんこ病」や黄色い斑点が現れる「べと病」などの病気にかかるリスクが高いので、これらの病気に強い耐病性のある品種を選ぶと安心です。
 連作障害があるので、同じ畑は2~3年はあけましょう。

植えつけ

本葉2~4枚でがっしりした苗を選びます。畝にマルチを張り、植穴をあけます。植穴にたっぷり水を注ぎ、水がひいてから、根鉢をくずさないように植えつけ根元を軽くおさえ、株の回りに水やりします。霜の心配がある時はトンネルなどの保温対策をとりましょう。

支柱立て・誘引

蔓性のキュウリは成長すると相当な重さになり、風の影響なども受けやすくなるので、長さ2m位の支柱を使ってがっしりとした合掌式支柱かキュウリ用のU字支柱を立てましょう。蔓が伸びてきたらキュウリ用のネットを張って上へと誘引してやります。

整枝・摘芯

親蔓を真っすぐ伸ばし、下から4~5節目までの子蔓(側枝)はすべて摘み取ります。それより上からは2節を残して摘芯し、親蔓の1本仕立てにします。
親蔓が支柱の高さまで成長したら、それ以上伸びないように摘芯します。その後は放任してもかまいません。

追肥

一番果の肥大が始まった頃から、1m2あたり化成肥料(8-8-8)40gを施用し軽く土寄せします。蔓の伸び方や果実の肥大の様子を見ながら、こまめに追肥するのがコツ。2週間に1度位が目安です。土が乾いている時は追肥と同時に水やりすると肥料の効きが速くなります。マルチ栽培の場合はマルチの穴と通路際にも追肥してください。

収穫

成長が早く開花から1週間ほどで収穫を迎えます。長さ18~20cmの実をハサミで切り取りましょう。夜間、水分を吸収して大きくなるので朝採りがみずみずしくおいしいです。
曲がり果や先細り果などの奇形果ができてくると収穫終盤のサインです。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kgと苦土石灰100gを散布し、深く耕しておきます(どちらも前作で施用していたら不要)。キュウリの根は横方向に広く張ります。畑全面を耕すように心がけてください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し土に混ぜ込みます。


●キュウリの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

カリフラワー

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

キャベツの仲間で、ブロッコリーと同じく花蕾(からい)を食べますが、わき芽が出ないので1株に1個だけの収穫となります。
花蕾は白だけでなく、紫やオレンジ、黄緑色などもあって楽しめます。

 カリフラワーは、ブロッコリーの花蕾が突然変異によって白くなったものといわれています。栽培方法はほぼ同じですが、カリフラワーは1株に1個だけの収穫なので、株間を広めにとって外葉をのびのびと育て、株自体を大きくすることがポイントです。
 生育適温は15~20℃で高温や過湿に弱く、平均気温が25℃以上になると花蕾の生育や形状が悪くなるので、夏まき、秋冬どりで栽培しましょう。また、暑い時期のたねまきは管理が大変なので、苗から育てるのがおすすめです。
 花蕾を真っ白に育てたい場合は、外葉を束ねて花蕾を覆いヒモで結んでやると、日焼けで黄ばんでしまうのを防げ、寒さから守ることもできます。紫やオレンジなどカラフルな品種の場合はこの作業は不要です。
 連作障害が出るので同じアブラナ科の野菜の作付けは2~3年あけましょう。

植えつけ

本葉4~6枚が植えつけ適期の苗です。深さ10cm程の植穴を掘り、根鉢を崩さず、深植えにならないように植えつけます。
土の表面を押さえて株を安定させ、たっぷりと水やりしましょう。

アオムシやコナガなどの害虫被害にあいやすいので、防虫ネットや寒冷紗をトンネルがけします。 葉がネットの天井に触れるようになったら外しましょう。

追肥・土寄せ

植えつけ後4週間頃の茎葉の生長が盛んになった時に、1m2あたりNK化成(16-0-16)40g程度を施用します。生育期間が長い冬どり栽培では、花蕾が出始めた頃に2回目の追肥を同量程度施用します。茎葉や花蕾が生長すると株が倒れやすくなるので、追肥と同時に株元に土寄せすると倒れにくくなります。

遮光

白い花蕾が7~8cmの大きさになったら、外葉を3~4枚折って花蕾にかぶせたり、外葉を束ねてヒモなどで結び遮光することで、真っ白できれいな柔らかい花蕾になります。
オレンジや紫などカラフルな品種は遮光すると逆に色が悪くなるので遮光はしないでください。

収穫

時々、花蕾の大きさを確認して、直径15cm前後で収穫します。ブロッコリーと違って茎は食べられないので、花蕾の根元をナイフなどで切り取ります。
収穫が遅れると花蕾の間にすき間ができたり、表面がボコボコしてきて花が咲いてしまうので、早めの収穫を心がけましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間前までに、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100g(いずれも前作に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)150gを散布し土に混ぜ込みます。


●カリフラワーの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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