家庭菜園 記事一覧

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ニンニク

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

品種選びに気をつければ栽培しやすい香味野菜。長期保存できて重宝します。

 生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。低温に一定期間さらされると、りん片の分化が始まるので冬越しをさせますが、耐寒性はそれほど強くありません。そこで、地域に合った品種選びが大切です。低温にあたる時間が長い寒地型と短い暖地型の品種があります。
 たね球用に市販されているものの中から大きくて形の良いものを選び、球を割って1片ずつにばらし、カビや病変のあるものを除いて植えつけましょう。12月上旬頃までに本葉4〜6枚の大きさに育てて冬越しさせます。暖かくなると休眠から覚めて再び成長を始めるので必ず追肥をしましょう。
 茎葉が3分の2程度枯れてきたら収穫時期です。採り遅れると傷むので梅雨入り前までには収穫を終え、乾燥させてから保存します。

植えつけ

たね球をばらしたりん片は、皮をつけたままでも、むいてもOKです(むくと発芽が早くなります)。深さ5cmの植え穴を作り、尖った方(芽)を上にして立てるように植えつけ、たっぷりと水やりします。畑を黒マルチ(穴あき)で覆うと地温が上がり、冬場の乾燥を防いで根の成長が良くなります。

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発芽・芽かき

2~3週間で発芽。草丈が10~15cmくらいになって1株から2本の芽が伸び出していたら、勢いの弱い方の芽をかき取りましょう。

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追肥

春先に茎葉が再び伸び始めるので、その少し前に化成肥料(1m2あたり8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を施用します。追肥が遅れると茎葉が軟弱になり、病気が発生しやすくなって収穫後の保存性も悪くなります。

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花芽摘み

4~5月頃になると、トウ(花芽)が伸びてきます。そのままにしておくと球が太らず株が弱ってしまうので、やわらかいうちに摘み取ります。摘み取ったトウ(ニンニクの芽)は炒め物などにして食べられます。

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収穫

ニンニクは茎葉に蓄えた養分を球に送りながら枯れていく性質があります。そこで、葉が黄色くなって2/3ほど枯れ、球が太ってから収穫します。ただ、採り遅れると球割れが起きるので、1本試し抜きする方が確実です。

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乾燥・保存

収穫したニンニクは葉と根を適当に切り落とし、茎を4~5本ヒモで束ねて、雨や直射日光が当たらない風通しの良い場所に吊るし、乾燥させてから保存します。

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●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

ニンニクは根張りが浅く、肥料の吸収力があまり強くありません。特にリン酸は、土の中で水に溶けにくく吸われにくいため、不足しがちになります。また、酸性土壌を嫌います。そこで、リン酸と石灰(アルカリ分)の補給を兼ねて、たね球を植えつける2週間以上前に、熔燐(ようりん)を1m2あたり100g施用します。同時に完熟堆肥1kg(前作で施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきましょう。
元肥は植えつけの1週間前に、化成肥料(1m2あたり8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し土に混ぜ込みます。


●ニンニクの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール
※ 地域や品種によって多少の違いがあります。

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ニンジン

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

春と夏にたねまきできますが、栽培しやすいのは夏まき冬どりです。
初期生育が遅く、発芽不良になることが多いので、毎日水やりをして管理し、発芽したら間引きながらじっくり育てましょう。

 ニンジンは太くまっすぐ下に伸びる根を持つ野菜なので、移植で根が傷つかないよう必ず直まきにします。石や分解途中の堆肥のかたまりに根が触れると、岐根(きこん)〔また根〕や根の表面のシミなど品質低下の原因になるので、たねまき前に取り除いておきましょう。
 たねは乾燥すると極端に発芽率が低下するので、乾燥させないように毎日水やりして管理します。乾燥を防ぎ、発芽を促すために寒冷紗をべたがけしたり、もみ殻やわらをかけるなどの対策もおすすめです。ただし、生育後半はあまり水分を必要としないので、過湿になり過ぎないよう注意しましょう。
 幼苗の段階では比較的暑さに耐えられますが、初期生育が遅く雑草の方が早く生長してしまうのでこまめに取り除きます。肥大したニンジンに光があたると緑化してしまうので、しっかりと土寄せをしましょう。

たねまき

深さ1cmのまき溝を作り、1~2cm間隔にすじまきします。薄く土をかぶせて表面をしっかり押さえ、たっぷりと水やりしましょう。

乾燥防止のために寒冷紗をべたがけしたり、もみ殻やわらなどをかけましょう。

発芽・間引き

7~10日で発芽します。本葉2~3枚で2~3cm間隔に、本葉5~6枚で8~10cm間隔に間引き、株元に土寄せをします。

追肥・土寄せ

【追肥】2回目の間引き後に化成肥料を1m2あたり50g程度散布し株元に軽く土寄せします。冬越しする栽培では更にその1ヶ月後に同量程度の追肥を行います。
【土寄せ】根が太り肩の部分が土から出て日光に当たると緑化(青首)してしまうので、大きくなってきたら少し多めに土寄せしてやりましょう。

収穫

根の直径が5~6cmに育ってきたら、株元を持って引き抜いて収穫します。収穫が遅れると根が割れることがあるので収穫適期を逃さないことが大切です。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)

品質の良いニンジンを作るために、堆肥の施用は欠かせません。ただし、岐根やシミを防ぐため、堆肥は大きなかたまりがあったら手でよくほぐしてから、1m2あたり1kg程度をたねまきの1ヶ月以上前に施用してください(間に合わなければ堆肥は無施用でも可)。同時に、苦土石灰100g(前作に石灰類を散布している場合は不要)も施用して、根が伸びやすいように深く耕してください。
元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8)を1m2あたり100g散布し土に混ぜ込みます。


●ニンジンの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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ニラ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

1度植えておけば、数年同じ株で、年に何回も刈り取ることができます。
生育が悪くなったら、株分けして植え直せば、長く収穫が楽しめるので、畑の端に植えつけておくと重宝します。

 冷涼な気候を好み、冬は休眠して越冬します。植えつけ1年目は、伸びている葉を刈り取って(捨て刈り)株を大きく育てることに専念します。切り株から若い葉がグングン伸びてくるので、冬を越して2年目の春から収穫を始めましょう。株元を3~4cm残して収穫すると、また葉が伸びてきて、真冬と真夏を除いて年に何回か収穫が楽しめます。
 7~8月になるとトウ立ちして花が咲きますが、花を咲かせると養分がとられて株が消耗してしまうので早めに摘み取りましょう。3~4年収穫を続けて、株が弱って収量や品質が落ちてきたら、春か秋に株を掘り上げて株分けをし、新しい場所に植えつけて更新します。更新した後も1年目は捨て刈りをして2年目から収穫を楽しみましょう。
 収穫後に、市販の液肥(8-6-5など)を500倍程度に薄めて株元に施用すると、残った株の芽吹きが良くなります。

たねまき

深さ1cmほどのまき溝をつけ、すじまきします。薄く土をかぶせて板などを使っておさえ、水やりしましょう。

発芽・間引き

10~14日で発芽します。
芽が出そろってきたら混みあっている所を間引き、株間1~2cmにします。

植えつけ

草丈が20cmくらい、葉数が4~5枚になったら根を傷つけないように掘り上げて1本ずつに分けます。
15~20cm間隔で深さ10cmの植穴を掘り、1ヵ所3~5本ずつ、根を土の上に置いて浅く土をかぶせ、たっぷり水やりしましょう。6月中旬から10月下旬まで可能(夏の高温乾燥期は避ける)です。

追肥

茎葉が伸びて株分かれが始まった頃から、1m2あたり化成肥料(8-8-8)20g程度を施用し、株元に軽く土寄せします。生育を見ながら4週間に1回程度、同量を施用してください。

捨て刈り

1年目は草丈が30cm前後になったら半分くらいを刈り取り、翌年のための株を育てます。冬になると地上部が枯れて越冬し、春になるとまた若い芽が伸びてきます。

収穫

春先から伸びた葉が20~25cmくらいになったら、株元を2~3cm残してハサミを使って収穫します。1ヵ月程でまた新葉が伸びて収穫できます。

花茎摘み

7~8月頃にトウ立ちして花茎が伸びてきます。そのままにしておくと花が咲いて株が弱るので早めに摘み取りましょう。蕾のうちに摘み取ると花ニラとして食べられます。

株の更新

植えつけ後3~4年経ったら、春か秋に株元から4~5cmのところで刈り取り、根ごと掘り上げて株分けします。別の畑に深さ8~10cmの植え溝を掘り、4~5本ずつ株間20cmくらいに植えつけ、株の上部が少し出るくらいまで土をかぶせます。新葉が伸びてきたら植え溝がうまるくらいになるまで土をかぶせましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)

丈夫な作物で特に土は選びませんが、収穫を長く続けるためには最初の土づくりが肝心です。植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kgと苦土石灰100gを散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)150gを散布し、土に混ぜ込みます。


●ニラの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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