家庭菜園 記事一覧

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

サラダナ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

レタスの仲間で半結球型のもの。栽培期間が短く、比較的簡単なのでビギナーにおすすめ。

 レタスの仲間には、結球する玉レタス、半結球のサラダナ、結球しないリーフレタス、ロメインレタスや茎レタスなどがあります。結球させる玉レタスに比べるとサラダナやリーフレタスは栽培が簡単で、生育期間も短いのでビギナー向きです。
 発芽適温が15〜20℃と低いため、高温期はたねを冷蔵庫に一晩入れてからまくと良いでしょう。好光性種子なので覆土はたねが隠れる程度とし、軽く押さえ、発芽するまでは半日陰に置くなどして乾燥を防ぎます。たねをまいてから45〜60日で収穫できます。
 サラダやサンドイッチなどに1〜2枚欲しい場合は、外葉からかき取って順次利用できるので便利です。玉レタスより暑さ寒さに強く、夏場は寒冷紗、冬場はビニールトンネルをかければ一年中栽培することも可能です。

たねまき

高温期(夏から秋にたねまき)の場合、たねは水に濡らしたティッシュに包んで一晩冷蔵庫に入れてから、ポリポットにばらまきします。薄く土をかけて、たっぷり水やりします。涼しいところに置き、土の表面が乾いたら水やりしましょう。

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発芽

3~5日くらいで発芽します。本葉2枚くらいになったら間引きを行い、株と株の間隔を広げます。

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植えつけ

本葉が4~5枚になったらポットから取り出し、根を傷つけないように株分けして、1穴に1株ずつ浅めに植えつけます。

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追肥

生育期間が短いので、通常は不要です。ただし、外葉の緑色が薄くなったり、新しい葉の伸び方が弱くなったりした時は、液体肥料(窒素を6%程度含むもの)を300倍程度に薄めてジョウロでまきましょう。効果の速い液体肥料がおすすめですが、粒状の化成肥料を利用する場合は、1m2あたり8-8-8なら40g、14-14-14なら20g程度を施用してください。

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害虫対策

比較的、病害虫の発生は少ないですが、生育初期に食害されると生育が悪くなるので、発芽したら防虫ネットや寒冷紗をかけるのがおすすめです。防虫ネットは目が1mm以上あるとハモグリバエが通ってしまうので、0.5mm以下のものを使用してしっかり防ぎましょう。

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収穫

本葉が10枚以上になったら、7~8枚は残すようにして外葉から1枚ずつかき取って収穫できます。中心部が軽く巻いてきたら株元から切り取って収穫しましょう。

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●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(いずれも前作で施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、化成肥料を1m2あたり8-8-8なら100g、14-14-14なら50g散布し、土に混ぜ込みます。


●サラダナの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール
※ 地域や品種によって多少の違いがあります。
※ プランターの場合は、高温期も直まきで栽培できます。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ニガウリ(ゴーヤー)

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

暑さに強く収穫が長く楽しめます。プランター栽培も人気でグリーンカーテンにも最適。

 熱帯アジア原産の蔓性の一年生植物。和名は「ツルレイシ」。独特の苦味があるので「ニガウリ」と呼ばれます。強い日差しと高温が大好きなので日当たりの良い場所を選びます。気温が低い時期は伸びが遅いですが、夏日が続くと蔓や葉が生い茂るので株間は1m以上と広くとりましょう。
 たねからでも育てられますが、苗を購入して植えつけた方が暑い時期を逃さず管理がしやすいのでおすすめです。実が重いので風で倒れないように、支柱を合掌式にがっちりと組んで株の寿命を延ばしてやると、長い間収穫が楽しめます。
 根に小さなコブができるネコブセンチュウなどの被害が多いので、同じウリ科の野菜などは3〜4年空けて連作を避けるなど、しっかりと予防対策を行いましょう。

植えつけ

本葉4~5枚で、葉柄が短く、節間が詰まった苗を選びましょう。植え穴を掘り、根鉢を崩さないように植えつけ、土を寄せて株元を軽く押さえます。植えつけ後はたっぷりと水やりをしましょう。

支柱立て

植えつけ後、早めに長さ2メートルほどの支柱を合掌式にがっちりと組んで、キュウリ用のネットを張りましょう。子蔓が伸び始めたら、子蔓を左右のネットに絡め、上へと誘引します。

摘芯

実は親蔓ではなく、子蔓や孫蔓につきます。本葉5~8枚になったら、親蔓を摘芯して子蔓を伸ばします。上の方にある元気の良い子蔓2~4本を残し、下の方のわき芽は取って蔓が重なり合わないうちに株元の風通しを良くしましょう。

追肥・水やり

収穫が始まった頃から、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら40g、14-14-14なら20g程度)を散布します。畑が乾いていたら水やりすると肥料の効きが速くなります。その後の追肥は2週間に1回程度が目安ですが、蔓の伸び方や果実の肥大の様子を見ながら加減してください。

収穫

品種によって収穫適期は違いますが、実が膨らんで表面の凹凸が大きくなり、つやが出て固い張りがあれば収穫時です。収穫が遅れると先端部から黄色くなって、果皮がやわらかくなってしまいます。

黄色く熟し皮が裂けて中から赤いゼリー状のものに包まれたたねが現われます。たねの膜は甘くて鳥たちの大好物。食べられるので、試しに味見をしてみてはいかが。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

暑さに強い夏の野菜ですが根張りが浅く、また葉肉が薄いため、土が乾燥し過ぎると萎れやすい性質があります。このため水持ちの良い土質がニガウリ栽培には適します。植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kgを散布します。完熟堆肥には土の粒と粒の間に水を貯えるための小さなスペースを作り、水持ちを良くしてくれる効果があります。また同時に苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)も散布し、深く耕しておいてください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を散布し、土に混ぜ込みます。


●ニガウリの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール
※地域や品種によって多少の違いがあります。
※遅霜の心配がなくなってから植えつけましょう。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ナス

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

比較的育てやすい人気の夏野菜。収穫期間が長いので、水やりと適切な追肥が大事です

 ナスの原産地はインド。高温を好み、蒸し暑い日本の夏でもよく育ちます。植えつけの頃はまだ十分な温度が足りないので、畑にマルチを敷き、あんどん囲いやホットキャップをすると安心です。草丈が20〜30cmになったら、これらを外して本支柱を立てましょう。
 ナスは生育期間が長く次々と実がなるので、様子を見ながらこまめに追肥を行います。株を疲れさせないためにも実は早めに収穫し、乾燥が苦手なので土が乾いたら水やりをしましょう。株の勢いが衰え、実つきが悪くなってきたら、枝を切る「更新剪定」をして株を若返らせ、秋ナスを楽しみましょう。
 連作障害が出るので、同じナス科の野菜は4〜5年空けてから育てましょう。また、共通の害虫を防ぐため、ジャガイモの近くに植えないこともポイントです。

植えつけ

本葉が7~9枚で葉と茎の節間が詰まり、茎が太くて1番花が咲き始めている苗を選びましょう。耐病性のある接ぎ木苗なら、連作障害にも強く安心です。苗は十分に水やりを行い、根鉢を崩さないように取り出し、根鉢の上面が地面と同じ高さになるように注意して、植え穴に植えつけます。

4本の支柱を立てて肥料袋などをかぶせる「あんどん」囲いや「ホットキャップ」をかぶせておくと、保温効果が高まります。草丈が20~30cmになったら外しましょう。

芽かき

1番花の実(1番果)が大きくなり始めたら、1番果より下の勢いの良いわき芽2本を残し、それより下のわき芽はすべて取り除きます。

支柱立て

主枝に長さ1mほどの支柱を立て、2本の側枝も伸びてきたら枝に沿って支柱を立てて3本仕立てにします。

追肥・水やり

1番果の収穫が始まった頃から、化成肥料(8-8-8なら40g、14-14-14なら20g程度)を施用します。2週間に1回程度が目安で、枝の伸び方や果実の肥大の仕方を観察しながら加減してください。土が乾いていたら追肥の後に水やりすると、肥料の効きが速くなります。

収穫

株に負担をかけないように1~2番果はやや早く小さいうちに収穫します。3番果以降も取り遅れないよう、適期に収穫しましょう。

更新剪定

7月下旬頃になると株の勢いが衰え、実つきも悪くなってきます。おいしい秋ナスを収穫するために、太い枝を3~4本残し、伸びてきたわき芽や込み入った枝を切り詰める更新剪定をします(株全体を1/2から1/3くらいまで思いきって剪定)。こうすると、新しい枝葉が伸びて約1ヵ月後に再び収穫できます。剪定後は追肥を必ず行いましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前までに、1m2あたり完熟堆肥2kgと苦土石灰100g(前作で石灰類を散布している場合は省略)を散布し、深く耕しておきます。ナスの根は深く張るので、できるだけ深いところまですき込んでください。
ナスの施肥量は他の野菜に比べるとやや多目です。ただし生育の初期に肥料があまり効きすぎると「蔓(つる)ぼけ」といって、茎葉ばかりが繁茂して果実の着果や着色が悪くなる場合があります。これを避けるため、元肥には化成肥料と有機肥料を併用するか、またはCDU化成などの緩効性肥料の利用をお勧めします。化成肥料と有機肥料を併用する場合には、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)と油かす(5-2-1など)100gを併用し、緩効性肥料を利用する場合にはCDU555(15-15-15)100gを、植えつけの1週間前までに散布して、土に混ぜ込んでください。


●ナスの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール
※地域や品種によって多少の違いがあります。
※遅霜の心配がなくなってから植えつけましょう。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ミニトマト

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

ベランダ菜園で人気の夏野菜。病害に強い接ぎ木苗を植えつけましょう。

 ミニトマトは味が濃く甘みの強い品種が多く、色や形もさまざま。強い光を好み、多湿を嫌うので、日当たりの良い場所に置いて管理しましょう。生育適温は20~30℃、たねから育てられますが育苗日数が2ヵ月程度かかるため、購入苗を植えつけるのがおすすめ。病害に強い「接ぎ木苗」を選ぶと初心者でも安心して育てられます。
 主枝が成長してくると本葉のつけ根からわき芽が出てきます。わき芽を放置すると栄養が分散してしまうので、主枝1本に栄養を集中させるためにわき芽はかき取ります。実つきが良くなり、風通しも良くなって病害虫が発生しにくくなります。かき取ったわき芽は捨てずに育苗ポットなどに差しておくと根づいて成長しますよ。連作障害があるので、次の植えつけは新しい培養土を使用してください。

苗の準備

本葉が7~8枚で第1花房の花が蕾から咲き始めたくらい、茎は真っすぐで葉の緑色の濃いものを選びましょう。

植えつけ

苗をポットごと水につけ、根鉢にたっぷり水を含ませておきます。根鉢を崩さないように取り出し、深植えをしないように根鉢と土の上面が同じ高さになるように植えつけます。底から水が流れ出すまで水をたっぷり与えます。寒さが残るうちは、ホットキャップやビニール等で風よけをしましょう。

支柱立て

本葉が10枚位になったら、長さ2m前後、直径1cm程度の支柱をそれぞれの株の脇にしっかり差し込みます。
茎を誘引して麻ヒモなどで支柱に結わえます。成長に合わせて茎が倒れないように結んで支えましょう。

わき芽かき

トマトは主枝1本仕立てが基本です。主枝の成長に伴って本葉のつけ根からわき芽が出てきます。このわき芽は5cm位になるまでに、晴れた日にこまめに手で摘み取りましょう。風通しが良くなり病害虫がつきにくくなりますが、葉もよく観察して被害にあったらすぐに取り除きましょう。

追肥

第1果房の収穫が終わった頃に、1株あたり化成肥料(8-8-8なら3g=スプーン1杯程度、14-14-14なら1.5g=スプーン半分程度)を株元に撒きます。その後は次の段の収穫が終わるごとに同程度を基本に、生育を観察しながら加減して施用してください。

水やり・摘芯

水やりは、実がなるまでは土が乾燥したら底から水が流れ出すまでたっぷり与えます。実が大きくなり色づいてきたらやや乾き気味程度で水やりしてください。主枝が支柱の先端まで伸びたら、1番上の花房から葉2~3枚上の部分を摘芯します。

収穫

開花から50日程度、ヘタの回りまでしっかり色づいてきたら収穫適期です。1個ずつハサミを使って収穫しましょう。

●ミニトマトの栽培スケジュール(コンテナ栽培)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

スイカ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

高温と強い日差しを好みます。水はけの良い場所を選び、人工授粉をして育てましょう。

 スイカは極端に連作を嫌うので、土壌病害に強い接ぎ木苗を購入し、4〜5年はウリ科の野菜を栽培していない場所を選びましょう。アフリカのカラハリ砂漠原産なので、畑にポリマルチを張って地温が十分に上がってから植えつけます。ホットキャップなどで保温すると、遅霜の心配もなく成長がスムーズです。
 蔓(つる)ぼけ防止のために、元肥は控えめにし、追肥で生育を調節します。また、雌花が咲いたら人工授粉をして確実に着果させるのも、蔓ぼけを防ぐことになります。受粉後40日前後(大玉)が収穫の目安なので、ラベルに受粉日を書いておくと便利です。栽培時期が高温多湿なので、風通しを良くしてべと病やうどんこ病、アブラムシなど病害虫の発生に注意し、被害にあった葉は早めに摘み取って処分し、広がるのを防ぎましょう。

植えつけ

本葉4~5枚で茎が太く、しっかり根の張った接ぎ木苗を選びましょう。植え穴を掘り、根鉢を崩さないように浅めに植えつけます。土を戻し、株元を押さえて植えつけた後、たっぷりと水やりをします。
ポリマルチを張り、ホットキャップを被せて換気の穴を開けます。暖かくなったら外しましょう。

摘芯・整枝

親蔓が伸びて本葉5~7枚(節)以上になったら、先を摘芯します。わき芽の子蔓が30cmくらい伸びたら、生育の良い子蔓3~4本を残し、残りの子蔓は摘み取ります。蔓は絡まないように伸ばしましょう。

人工授粉

受粉は午前中(開花から1~2時間以内がベスト)に行います。雄花を摘んで、18節目以降(24節目ぐらいまで)の雌花に受粉させます。受粉日をラベルなどに書いて収穫の目安にしましょう。

摘果

1蔓に1果を基本に形の悪いものなどを摘果します。大きなスイカを収穫するため、実のついていない遊び蔓を1本残すと良いでしょう。

追肥

果実が鶏卵大になった頃に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を、蔓の間にパラパラと撒いて、土となじむように軽く水やりしてください。果実が肥大する時にカリウムをたくさん吸収するので、追肥には速効性のカリウムを含む化学肥料が適しています。

玉直し

実が大きくなってきたら、果実の下に泥はねを防ぐための藁などを敷きます。色むらがなく形の良いおいしいスイカにするため、2週間に1度、果実の位置を変える「玉直し」をしましょう。

収穫

大玉スイカは受粉後40日前後、積算温度900~1000℃になると食べ頃といわれています。受粉日のタグを参考に、実がついている節の巻きヒゲが根元まで枯れていることなどを目安に適期を見極めて収穫しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kg、苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり油かす(5-2-2など)または有機配合肥料(6-6-6など)200gを散布し、土に混ぜ込みます。元肥にはゆっくりと効く油かすのような有機肥料、または有機肥料をブレンドした有機配合肥料が適しています。これらが入手できない場合は、化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)で代用してもOKです。生育初期に肥料が効きすぎると、蔓ばかりが伸びて雌花がつきにくくなるので、元肥は多すぎないように注意してください。


●スイカの栽培スケジュール

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ジャガイモ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

初心者も育てやすい、家庭菜園の人気野菜です。春と秋の2回栽培チャンスがあります

 ジャガイモの生育適温は15〜20℃、新芽が霜に当たらない時期になったら早めに植えつけます。自家採りしたものや青果物として購入した種イモは、ウイルス病などの病害を広げる原因となるので、必ず検査に合格した種イモを使いましょう。品種がいろいろあるので、好みのものを選ぶ楽しみがあります。
 大きな種イモは切り分けて、腐りにくくするために切り口を2〜3日陰干ししてから植えつけます。新しいイモは種イモの上にできるので、必ず土寄せをしてイモが土から顔を出して緑化するのを防ぐことがポイントです。
 連作障害を防ぐため、ナス科野菜を3年は育てていない場所を選びます。また、気温と湿度が高くなると病気になりやすく、ナス科野菜に影響を及ぼすので、トマトやナスなどの近くは避けましょう。

種イモ

種イモ用を購入し、大きいものは芽が均等につくように30~50gに切り分けます。小さなものは丸ごとでもOK。切った種イモは日陰で2~3日乾燥させます。

植えつけ

畝の中央に深さ10~15cmの溝を掘り、種イモを30cm間隔に切り口を下にして並べます。10cmほど土をかぶせて表面を平らにし軽く押さえます。

芽かき

芽が10cmくらいに伸びたら、元気の良い芽を2~3本残し、他の芽はかき取ります。芽をかき取ると大きなイモに育ちます。

株元を押さえて残す芽を傷めないように抜きましょう。

追肥

芽かき後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8-なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し、株元に土寄せしてください。

土寄せ

子イモは種イモより浅い場所にできるので、土寄せが足りないとイモが日に当たって緑化し品質が低下します。芽かきをして追肥した後と、草丈が20cm程度になった頃の2回、土寄せをします。しっかり土寄せをしてイモができる場所を作りましょう。

収穫

下葉が黄色くなって枯れてきたら収穫時期です。試し掘りで確認してから、晴天が2~3日続いた後に収穫します。イモを傷つけないようにスコップで掘り起こし、土をつけたまま陰干ししてよく乾燥させてから、冷暗所に貯蔵しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

種イモ植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgを散布し、深く耕しておきます。植えつけ直前の堆肥施用や未熟堆肥の利用は、イモの表面の肌荒れを起こすことがあるので、時間がない場合や良質堆肥が入手できない場合には、堆肥施用は省略してください。土壌がアルカリ性に傾くとそうか病が発病しやすくなるので、通常は石灰類を使用しませんが、過去1年以上石灰類を施用していない畑には、状況に応じて1m2あたり苦土石灰50~100g程度を、堆肥と同時に施用してください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を散布し、土に混ぜ込みます。

●ジャガイモの栽培スケジュール

栽培スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ソラマメ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

たねまき適期を守り、小さな苗で冬越しさせれば初夏に収穫を迎えます

 生育適温は15~20℃と冷涼な気候を好みます。幼苗期(本葉4~5枚程度、草丈10~20cm)は低温に耐えられる性質があります。また、低温に当たることによって花芽ができるので、秋まき栽培が一般的です。
 早まきで幼苗期を過ぎた大苗や遅まきで芽を出したばかりの小苗は寒さに弱く枯れてしまうので、たねまき時期が重要です。たねまきから植えつけ適期(本葉2~3枚)までは約3週間、霜が降りる前に定植して、越冬できる大きさの苗に育てるのがポイント。栽培地の気象環境に合わせてたねまき時期を決めましょう。
 冬越しした苗は、春になると側枝(わき芽)を伸ばします。成長に合わせて、整枝、支柱立て、追肥、摘芯などをして実を大きく育てます。連作障害が出やすいので同じマメ科の野菜は4~5年あけましょう。

たねまき

畑に直まきできますが、鳥に食べられてしまうリスクがあるのでポットまきして育てるのがおすすめです。ポリポット(6~9cm)にお歯黒(豆のくぼんだ部分に入っている黒い線のこと)を斜め下に向けて土に押し込み、頭が少し見えるくらいの浅植えにします。1ポットに1粒まき、たっぷり水やりします。

発芽

5~7日で発芽します。本葉2~3枚までポットで育てます。

植えつけ

本葉2~3枚になったら、根鉢を崩さないように取り出し、植え穴に植えつけます。株元を軽く押さえ、たっぷり水やりしましょう。本葉5枚より大きくしないで冬越しさせます。

霜が降りるようになったら株周りにワラを敷いたり、寒冷紗や不織布をトンネルがけして防寒すると安心です。

整枝・土寄せ

1株から10本以上の側枝(わき芽)が伸びてくるので、草丈が40~50cmになったら、太くて節間が詰まった生育の良い側枝を6~8本残し、それ以外の細い枝は地際で切り取ります。整枝後、茎が広がり株元まで光が入るよう株の中心までしっかり土を盛り、わき芽の発生と倒伏を防ぎます。

支柱立て

株が大きく広がって倒れやすくなるので、畝の回りに支柱を立てます。20cm間隔くらいで何段かヒモを張り、株の成育に合わせて徐々に上の方に誘引してやりましょう。

追肥・摘芯

追肥は開花が始まった頃と、最初の実の収穫が始まった頃に、化成肥料(8-8-8なら1m2あたり40g、14-14-14なら同20g程度)を施用して、株元に土寄せします。草丈を抑えて実つきを良くするために、1茎に10節程度、花芽がついたら摘芯します。

収穫

上を向いて成長していた莢が下に垂れ、背筋が黒褐色になってきたら収穫どき。莢を触って大きな豆が確認できたらハサミで摘み取ります。お歯黒の部分が黒くなる前が収穫適期です。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

ソラマメの根は通気性の良いフカフカの土を好みます。フカフカの土を作るためには、完熟堆肥を植えつけの2週間以上前に、1m2あたり2kg(前作で堆肥を施用していれば1kg)散布します。同時に苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)も散布し、できるだけ深く耕しておきます。未熟な堆肥は土から酸素を奪うので逆効果です。
元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8なら1m2あたり100g、14-14-14なら同50g)を散布し、土に混ぜ込みます。マメ科植物の根には、空気中の窒素ガスをアンモニアに変換し、肥料として植物に与えてくれる根粒菌という細菌が共生しています。施肥量が多くなり過ぎないように注意してください。


●ソラマメの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

サトイモ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

栽培期間は半年と長いですが初心者でも育てやすく、たくさん収穫が楽しめます。

 生育適温は25~30℃と高く、夏の暑さでも良く育ちます。寒さが苦手なので地温が低い時期の植えつけは、マルチを張って地温を上げてやると発芽がスムーズになります。6月頃にはマルチを外してかまいません。乾燥にとても弱く、特に梅雨明け後は要注意。イモの肥大には十分な水が必要です。
 サトイモは親イモから出た芽が太って子イモができます。子・孫イモは親イモより地表近くにできるので、イモの成長に伴い何回か土寄せをします。子イモの芽は土寄せで埋めながらイモを太らせていきます。
 寒さに弱く、霜にあたると傷んでしまうこともあるので、収穫は降霜の頃までに済ませましょう。連作障害がでるので、同じ畑は3~4年あけてください。

植えつけ

種イモはふっくらとして元気のよい芽がついたものを選びます。
畑に透明か黒のマルチを張り、穴をあけて深さ15cmくらいの植え穴を掘ります。芽が出ている方を上にして植えつけ、土を約10cmかぶせて軽くおさえ、水やりします。

追肥

茎葉が盛んに伸び始める梅雨入り前と、子イモが肥大し孫イモも付き始める梅雨明け後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら各100g程度、14-14-14なら各50g程度)を散布します。

土寄せ

子イモが地表に出ないように株元に厚めに土寄せをすると、子イモや孫イモの数を増やす効果があり、イモの数が増えて肥大していきます。追肥の後を中心に、生育に応じて2~3回行います。

水やり

乾燥が苦手なので、夏の乾燥時期は特に気をつけて土が乾いたら畝と畝の間がひたひたになるくらい、たっぷり水やりします。ワラや刈り草などを株元に敷いて乾燥を予防しましょう。

収穫

降霜の頃、葉が枯れ始めたら収穫します。
晴天の日を選んで、地上部の葉と茎を刈り取ってから、イモを傷つけないように注意しながらスコップなどを使って掘り上げます。イモをひとつずつ外して、泥付きのまま風通しの良い場所で陰干しをして保存します。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

種イモ植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し土に混ぜ込みます。


●サトイモの栽培スケジュール

(畑でも大型プランターでも栽培できます)

スケジュール

\皆さんの家庭菜園エピソード募集中/

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ショウガ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

夏から秋に、成長段階ごとに筆、葉、根ショウガとそれぞれ旬の味が楽しめます

 熱帯アジア原産の野菜で、高温多湿を好み、寒さと乾燥を嫌います。生育適温は20~30℃で、10℃以下では根が腐ってしまいます。植えつけは地温が十分に上がり、遅霜の心配がなくなった頃に行いましょう。根が浅くて弱く乾きやすいので夏場はこまめに水やりし、株元にワラを敷いて、乾燥を防ぎます。直射日光が苦手で草丈の高い野菜の陰になる場所や半日陰でも育ちます。
 収穫は、根がまだ肥大しない若いものを「筆(矢)ショウガ」、根が少し肥大し始めたものを「葉ショウガ」、十分に根が肥大したものを「根(新)ショウガ」として順次行います。霜や低温にあうと傷んでしまうので、霜が降りる前に収穫を済ませます。
 同じ畑は4~5年あけましょう。

植えつけ

種ショウガは傷がなくみずみずしいものを選び、大きなものは芽が3~4個つくように60~80gに分け、切り口を乾かします。切り口が乾いたら芽を上にして植えつけ、土をかぶせて平らにならし、軽くおさえて水やりします。

発芽・水やり

2~3週間で発芽します。朝夕の涼しい時間帯にたっぷり水やりしましょう。

追肥

最初に出た茎の本葉が5枚程度になった頃から、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら30g、14-14-14なら20g程度)を、生育を見ながら4週間に1度程度散布し、株元に土寄せしてください。

収穫

葉が3~4枚開き根が肥大していない頃、根を地中に残したまま芽をかき取るのが「筆(矢)ショウガ」、葉が6~7枚ついて根が肥大し始めた頃に折り取るのが「葉ショウガ」です。種ショウガごと掘りあげないように株元をしっかり押さえ必要な分だけ収穫しましょう。「根(新)ショウガ」は根が十分に肥大して、葉が黄色くなり始めた頃に掘り上げます。新ショウガの下についている種ショウガも食べられるので捨てずに利用しましょう。

保存方法

茎と根は切り落とし、表面についた土を落とす程度にして切り分けずに一塊ずつ新聞紙に包み、室内で保存(貯蔵温度13~15℃)します。13℃以下になると腐敗するので冷蔵庫での保存には向きません。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100g(前作で石灰類を施用していれば不要)を散布し、畑全体を深く耕しておきます。
元肥は植え溝を掘った後に、溝の長さ1mにつき化成肥料(8-8-8なら50g、14-14-14なら30g程度)を溝の底部に施用します。その上に掘り上げた土を少し戻して、肥料が種ショウガと直接触れないようにしてから種ショウガを植えつけてください。


●ショウガの栽培スケジュール

(プランターでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

サツマイモ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

暑さや乾燥に強く、連作障害も起きにくいので、家庭菜園の初心者にもおすすめです。
通気性と排水性がよい土壌を好むため高畝にして育てましょう。
秋にはイモ掘りが楽しめます。

 サツマイモは根が肥大したヒルガオ科の野菜で、形や食感、味など品種が多くいろいろ楽しめます。生育適温は16~35℃で、イモの肥大には20~30℃が適しています。植えつけまでに畑をよく耕し、畝はカマボコ型に土を盛って20~30cmの高畝にしましょう。黒色マルチを張ると地温と適度な水分が保たれ、苗からの発根がよくなり、雑草防止にもなります。
 苗は種イモから伸びた蔓を6~8節つけて切り取った「蔓苗」(さし穂)を植えつけます。「水平植え」や「斜め植え」「垂直植え」などの方法があるので、苗の長短や収穫したいイモの数、畑の広さなどに合わせて選択しましょう。遅霜の心配がなくなり地温15℃以上になったら植えつけます。
 寒さに弱いので霜が降りる前には収穫を済ませます。収穫後、2~3週間貯蔵して追熟させると、甘みが増しておいしくなります。

苗の準備

茎が太く本葉が6~8枚ついた、長さ25~30cmの元気な蔓苗を選びましょう。

苗の切り口を水につけてたっぷり吸わせ、葉がピンとなったものを植えつけます。

植えつけ

【水平植え】深さ5~10cmの植え溝を掘り、畝と平行に、苗を水平に寝かせて5~6節を土に埋めこみます。節がたくさんついた長い苗向きで、イモ数が多くなります。
【斜め植え】支柱などを使って斜め45度、深さ10~15cm位の植え穴をあけ、畝と平行に3~4節が埋まるように植えつけます。短い苗向きです。
【垂直植え】土の中に3~4節が埋まるように苗を垂直に差し込みます。狭いスペースの栽培に適し、イモ数は少ないですが一つひとつのイモが大きくなります。

イモは茎の節(葉のつけ根)から出た新しい根にできるので、節が土の中に入るように植えて葉の部分は地上に出します。植えつけ後は株元を手で軽く押さえ、たっぷりと水やりしましょう。基本的に水やりの必要はありませんが、根が出るまで1週間位は畑の表面が乾いていたら水やりしましょう。追肥は不要です。

収穫

植えつけ後120~150日が目安です。畝が盛り上がり茎葉が黄色くなり始めたら、晴れた日の午前中に収穫します。まず、蔓を鎌で刈り取り、イモを傷つけないように株から30~40cm離れた場所に鍬などを差し込んで掘り起こします。半日ほど畑に並べて干してから泥を落として集めます。

保存

風通しのよい日陰で2~3週間陰干しすると甘みが増します。イモは寒さに弱く、10℃以下になると黒く変色し傷んでしまいます。長期保存する場合は、新聞紙などで1つずつ包み、ダンボールや発泡スチロールの箱に入れて室内に置きましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

苗を植えつける1ヵ月以上前に、完熟堆肥を1m2あたり1kg施用して深く耕して下さい。植えつけ直前の堆肥や未熟堆肥の施用は、イモの表面の肌荒れやコガネムシ被害の原因となります。植えつけまでに時間がとれない場合には、堆肥施用は控えて下さい。過去1年以内に石灰類を施用していない場合は、苦土石灰1m2あたり100gも施用して下さい。元肥の窒素成分の施用量は1m2あたり2~3g程度と、かなり少なめです。化成肥料(8-8-8)を利用する場合、1m2あたり30g程度に相当します。植えつけの1週間前に施用し土に混ぜ込んで下さい。窒素肥料のやりすぎは、蔓ばかりが伸びて芋の肥大や品質が悪くなる「蔓ボケ」の原因になります。サツマイモは「完熟堆肥で土づくりを行い、窒素肥料は控えめに」です。


●サツマイモの栽培スケジュール

スケジュール

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