中国から日本へ16世紀頃に伝わり、代表的な品種に「鷹の爪」「八房」「島トウガラシ」などがあります。激辛ブームでメキシコの「ハバネロ」やインドの「ブートジョロキア」などの品種もよく知られるようになりました。
発芽適温が25~30℃と高温なので、プランターやポリポットにたねまきをして、ビニールなどをかぶせて保温し、暖かい場所において育苗します。発芽後、本葉1~2枚になったら夜温20℃くらいで管理します。育苗期間がたねまき後2ヵ月以上かかるので、育苗管理が難しい場合は、購入苗を植えつけるとよいでしょう。植えつけ後、苗が低温にあうと生育が悪くなるので、畑にマルチを張って遅霜の心配がなくなってから植えつけます。茎が細く弱いので支柱をしっかり立てて支えてやります。
連作障害があるので、同じナス科の野菜なども同じ畑で3~4年栽培しないようにしましょう。
ポリポットの土に深さ1cmの穴をあけて、1ヵ所2~3粒の点まきにします。5mmくらい土をかぶせて、たっぷり水やりしましょう。ビニールをかぶせて保温するなどして、夜温が25℃以下にならない場所において管理します。
1週間程で発芽します。本葉1~2枚で間引き、3~4枚で1ヵ所1本立ちにします。
最低気温が15℃を超え、草丈15~18cm、本葉8~10枚くらいになったら、根鉢を崩さないように取り出して、やや浅植えに植えつけ、根元を軽く押さえます。仮支柱を立てて、紐で茎と支柱を8の字に結びつけます。
1番花が咲くと側枝(わき芽)が伸びてくるので、すぐ下の勢いのよい2本の側枝を伸ばし、他の側枝はすべてかき取り3本仕立てにします。
仮支柱をはずして、主枝と側枝に長さ1mくらいの本支柱を立て誘引します。
果実の摘み取りが始まった頃から1m2あたり化成肥料(8-8-8)40gを2~3週間に1度程度施用します。真っ赤に完熟したトウガラシを株ごと引き抜く場合は、窒素肥料が遅くまで効いていると果実に青味が残ることがあるので、追肥は早めに切り上げて下さい。
赤く熟した果実から1果ずつハサミで摘み取ります(赤く色づく前は青トウガラシとしても利用できます)。全体が赤くなったら株ごと引き抜き、風通しのよい日陰に吊るして乾燥させます。乾いたら枝から1本ずつはずして保存袋に入れ、冷蔵庫などで保存しましょう。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
植えつけの2週間程前に、完熟堆肥2kg/m2と苦土石灰100g/m2を散布し(どちらも前作に施用していれば不要)、深く耕しておきます。
元肥は植えつけの1週間程前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し、土に混ぜ込みます。
●トウガラシの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)