September

コカブ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

カブは縄文時代に渡来したといわれる歴史の古い野菜です。
大きさや色、形など地方品種も多く、家庭菜園でも大人気。
特にコカブは栽培期間が短くて育てやすいので、ビギナーにおすすめです。

 コカブは、品種によって違いはありますが、たねまきからおおよそ40〜50日で収穫できます。生育適温は15〜20℃と冷涼な気候を好み、高温と乾燥に弱いですが比較的寒さには強いです。春まきと秋まきで楽しめますが、初心者には害虫の被害が少ない秋まきが作りやすくておすすめです。
 カブは根と茎の境界部分(胚軸)が肥大して可食部になります。生育途中で移植をすると根の直上の肥大部分が変形したり、生育が悪くなるので、必ず直まきにします。たねは厚めにまいて3回位に分けて間引きをしながら、競争させて大きく育てます。
「根こぶ病」などの連作障害が発生しやすいので、アブラナ科の野菜を育てた畑での栽培は1〜2年あけましょう。

1

深さ1cmほどのまき溝を作り、1cm間隔くらいを目安にすじまきにします。土をかぶせて軽くおさえ、たっぷりと水やりしましょう。

2-1

2~3日で発芽します。発芽がそろったら(子葉の頃)、2~3cm間隔(葉と葉が重ならない程度)に間引きます。

2-2

本葉3~4枚になったら生育の悪い苗を間引きして、4~5cm間隔にします。

2-3

本葉5~6枚で最終株間10~12cmに間引き、土寄せしましょう。

3

基本的に追肥は不要ですが、秋まきや聖護院などの大型品種の栽培で、生育期間が長くなるような場合には、最終の間引きが終わった後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)50gを散布し、株元に土寄せしてください。

4

アブラムシ、コナガ、ヨトウムシ、カブラハバチなどの害虫が発生するので、たねまき直後から不織布をべたがけにしたり、寒冷紗や防虫ネットでトンネル栽培をして防ぎましょう。

5

直径5~6cmを目安に収穫します。収穫が遅れると、スが入ったりヒビ割れを起こしたりするので、早めの収穫を心がけましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)
堆肥による土づくりは大切ですが、堆肥散布からたねまきまでの期間が短いと、分解途中の堆肥と触れることで、コカブの表面にシミや亀裂が入り、品質が悪くなります。肌のきれいなコカブを収穫するためには、早めの準備が肝心です。少なくともたねまきの2~4週間以上(地温が低い時期ほど長く)前には、堆肥による土づくりを終わらせておきましょう。
1m2あたり完熟堆肥1kg程度と、苦土石灰100g程度(いずれも前作に施用していれば不要)を散布し、深く耕し、土づくりを済ませておいてください。土が乾いているときは、耕した後に水やりすると、堆肥の分解が速くなります。
元肥はたねまきの1週間前に、1㎡あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し土に混ぜ込みます。

●コカブの栽培スケジュール (ベランダでも畑でも栽培できます)
栽培スケジュール

2023.09更新

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