ソラマメ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

たねまき適期を守り、小さな苗で冬越しさせれば初夏に収穫を迎えます

 生育適温は15~20℃と冷涼な気候を好みます。幼苗期(本葉4~5枚程度、草丈10~20cm)は低温に耐えられる性質があります。また、低温に当たることによって花芽ができるので、秋まき栽培が一般的です。
 早まきで幼苗期を過ぎた大苗や遅まきで芽を出したばかりの小苗は寒さに弱く枯れてしまうので、たねまき時期が重要です。たねまきから植えつけ適期(本葉2~3枚)までは約3週間、霜が降りる前に定植して、越冬できる大きさの苗に育てるのがポイント。栽培地の気象環境に合わせてたねまき時期を決めましょう。
 冬越しした苗は、春になると側枝(わき芽)を伸ばします。成長に合わせて、整枝、支柱立て、追肥、摘芯などをして実を大きく育てます。連作障害が出やすいので同じマメ科の野菜は4~5年あけましょう。

1

畑に直まきできますが、鳥に食べられてしまうリスクがあるのでポットまきして育てるのがおすすめです。ポリポット(6~9cm)にお歯黒(豆のくぼんだ部分に入っている黒い線のこと)を斜め下に向けて土に押し込み、頭が少し見えるくらいの浅植えにします。1ポットに1粒まき、たっぷり水やりします。

1

5~7日で発芽します。本葉2~3枚までポットで育てます。

3

【左】本葉2~3枚になったら、根鉢を崩さないように取り出し、植え穴に植えつけます。株元を軽く押さえ、たっぷり水やりしましょう。本葉5枚より大きくしないで冬越しさせます。
【右】霜が降りるようになったら株周りにワラを敷いたり、寒冷紗や不織布をトンネルがけして防寒すると安心です。

3

1株から10本以上の側枝(わき芽)が伸びてくるので、草丈が40~50cmになったら、太くて節間が詰まった生育の良い側枝を6~8本残し、それ以外の細い枝は地際で切り取ります。整枝後、茎が広がり株元まで光が入るよう株の中心までしっかり土を盛り、わき芽の発生と倒伏を防ぎます。

1

株が大きく広がって倒れやすくなるので、畝の回りに支柱を立てます。20cm間隔くらいで何段かヒモを張り、株の成育に合わせて徐々に上の方に誘引してやりましょう。

1

追肥は開花が始まった頃と、最初の実の収穫が始まった頃に、化成肥料(8-8-8なら1m2あたり40g、14-14-14なら同20g程度)を施用して、株元に土寄せします。草丈を抑えて実つきを良くするために、1茎に10節程度、花芽がついたら摘芯します。

1

上を向いて成長していた莢が下に垂れ、背筋が黒褐色になってきたら収穫どき。莢を触って大きな豆が確認できたらハサミで摘み取ります。お歯黒の部分が黒くなる前が収穫適期です。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)
ソラマメの根は通気性の良いフカフカの土を好みます。フカフカの土を作るためには、完熟堆肥を植えつけの2週間以上前に、1m2あたり2kg(前作で堆肥を施用していれば1kg)散布します。同時に苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)も散布し、できるだけ深く耕しておきます。未熟な堆肥は土から酸素を奪うので逆効果です。
元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8なら1m2あたり100g、14-14-14なら同50g)を散布し、土に混ぜ込みます。マメ科植物の根には、空気中の窒素ガスをアンモニアに変換し、肥料として植物に与えてくれる根粒菌という細菌が共生しています。施肥量が多くなり過ぎないように注意してください。

ソラマメの栽培スケジュール
(プランターでも畑でも栽培できます)
栽培スケジュール

2024.10更新

閲覧数ランキング