1本の茎に3枚ずつ葉が付くことから「三つ葉」。セリ科の多年草で、数少ない日本原産の野菜です。市販されているのは「糸ミツバ(青ミツバ)」「切りミツバ(白ミツバ)」「根ミツバ」。糸ミツバは根元まで緑色で、遮光して軟白栽培したのが切りミツバ。春まきして1年間育てた株元に土寄せをして新芽が伸びてきたら掘り出すのが根ミツバで、根も食べます。家庭菜園では、軟白させない糸ミツバが栽培しやすくおすすめです。
生育適温は15~20℃で冷涼な気候を好みます。半日陰や水はけの悪い場所でも育ちますが、高温・乾燥が苦手。発芽率が良くないので多めにまいて間引きしながら育てます。購入したミツバに根が付いていたら、水に挿したり土に植えたりして栽培できます。連作障害対策で同じ畑は2~3年あけましょう。
支柱などを使って深さ5mm程度のまき溝を作り、すじまきにします。好光性種子なので、うすく土をかぶせて軽くおさえ、水やりします。芽が出るまでは、土の表面が乾く前に水やりしましょう。寒さが心配なら、保温のためにビニールトンネルをかけると良いでしょう。
7~10日で発芽します。芽が出そろったら、混み合っているところを間引きます。本葉4~5枚の時に株間が4~5cmになるように、生育に合わせて数回間引き、土寄せしましょう。
乾燥を嫌うので、株元にワラや刈り草などを敷きましょう。土の表面が乾いたら水やりします。晴れた日は朝と夕方にたっぷり水やりしてください。夏には黒寒冷紗などで日除けを、冬はべたがけやトンネルで防寒します。
根ごと抜き取って1回で収穫する場合には不要です。葉を刈り取りながら、根を残して収穫を続ける場合には、市販の液肥(6-10-5など)を500倍程度に薄めて、水やりを兼ねてジョウロなどで株の上からかけてください。生育をよく観察して、葉の色が淡くなったり、茎の伸びが弱くなったと感じた時が、追肥のタイミング。ただし、あまり肥料を効かせすぎても、葉が硬くなり食感が悪くなるので、注意してください。
草丈が15~20cmになったら、根元から2~3cmのところで必要な量だけ切り取ります。収穫したてのミツバは香りが抜群に良いので、卵とじやサラダにしたり、お吸い物や鍋物に入れて楽しみましょう。ミツバは切ってもまた新芽が出てきて、何回か収穫できます。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)
ミツバは見かけによらず丈夫な野菜で、土をあまり選びませんが、過去1年以上、堆肥や石灰類を施用していない場合には、たねまきの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100gを散布し、根が深く張れるように深く耕しておいてください。
元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し、土に混ぜ込んでください。ミツバのたねは細かいので、肥料を混ぜ込んだ後に大きな土の塊がある場合には、ザックリとほぐしておいてください。
ミツバの栽培スケジュール
(プランターでも畑でも栽培できます)