エンドウの仲間には、若くて柔らかい莢を味わう「キヌサヤエンドウ」、莢と実の両方を食べる「スナップエンドウ」、そして丸々と太った実を食べる「グリーンピース」があります。食べる部位によって品種や収穫のタイミングは違いますが、たねまきや植えつけなど栽培方法は同じなので一緒に作ると、いろいろなエンドウを長く楽しむことができます。
連作にとても弱いので、マメ科の野菜を5年以上栽培していない場所を選びましょう。生育適温は10~20℃で、幼苗時には寒さに強い性質があるので、草丈10~15cmで冬越しさせましょう。敷き藁や寒冷紗のトンネルなどで防寒対策をし、春になり蔓の伸びが活発になってきたら、支柱を立てて誘引してやります。日当たり、風通し、水はけをよくし、立ち枯れ病やうどんこ病、アブラムシなどの病害虫を防ぎましょう。莢がパンパンに膨らんで豆が太ってきたら採り頃です。

【たねまき】ビンの底などを利用して深さ2~3cmの窪みをつけ、1ヵ所3~4粒の点まき。土をかぶせて表面を手のひらで軽く押して土とたねを密着させ、たっぷりと水やりしましょう。
【右】たねを鳥に食べられないように寒冷紗のトンネルをかけたり、ペットボトルをかぶせたりして防ぎましょう。心配ならポットまきで育苗してから植えつけましょう。

6~10日で芽がでます。

本葉3~4枚で間引いて1ヵ所2本立ちにし、土寄せします。

強風に備えて仮支柱を立て、株元に枯れ草や腐葉土、ワラなどをたっぷり敷いて防寒するか、防虫ネットや寒冷紗などをトンネルがけしましょう。

冬を越して蕾が出始める頃と、開花後の豆の肥大が始まる頃に、NK化成(16-0-16)を1m2あたり各20g程度施用してください。

暖かくなって茎葉が伸び、巻きヒゲが出始めたら、支柱を立てて蔓を誘引してやります。
2メートル長さの支柱を株わきに真っ直ぐ立てて麻ヒモを3~5段くらい横に張ったり、合掌式に支柱を立ててキュウリ用のネットなどを張ってもいいです。

開花から30~40日で収穫です。実がふっくらとして、莢の表面にシワが入り始めたら収穫のサインです。1つ採って莢をあけて、まるまると太っていたらOK。ハサミを使って収穫しましょう。タイミングを逃すと実が硬くなってしまうので、採り遅れに要注意。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
グリーンピースの根は酸素を好むので、通気性の良いフカフカの土を準備する必要があります。そのために、たねまきの2週間以上前に完熟堆肥を1m2あたり2kg程度散布します。また、酸性土壌を嫌うので、苦土石灰を100g程度散布し(前作で施用していれば不要)、できるだけ深く耕しておきます。
元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8)を1m2あたり50g散布し、土に混ぜ込みます。マメ科植物の根には、空気中の窒素を取り込み、それを肥料に変えて植物に与えてくれる根粒菌という細菌が共生しています。土の中の窒素肥料が多すぎると、根粒菌の働きが悪くなるので注意してください。
グリーンピースの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)