地中海沿岸地域原産のシソ科の常緑低木です。暖かい地域で生まれた植物なので日当たりがよく乾燥した環境を好みます。品種は多く、上に伸びる立性種、横に広がるほふく性種、その中間の半ほふく性種に大別されます。また、花の色や耐寒性なども違うので植える場所や用途によって品種選びをしましょう。
たねから育てることもできますが、発芽率が悪く生長も遅いので、市販の苗を購入して植えつけましょう。過湿を嫌うので、ある程度生長してきたら伸びすぎた枝や混みあっている枝などを、収穫を兼ねて剪定し風通しをよくしてやります。この剪定した枝を使って、挿し木で増やすこともできます。生育旺盛なので、鉢植えの場合は2年に1回くらい一回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。
肉料理との相性は抜群です。香りをかぐだけで気分がすっきりするので1鉢あると重宝しますよ。

鉢植えの場合はハーブ用の培養土が便利です。
根鉢を崩さずに植えつけてたっぷりと水やりし、日当たりと風通しのよい所に置いて育てましょう。

その年に生長した枝先を7~10cm斜めに切ります。枝の下葉1/3程度を取り除き、1時間程水に浸け吸水させます(水揚げ)。赤玉土やバーミキュライトなど肥料が含まれていない土を用意して水やりをして、仮植えをします。半日陰で土の表面が乾いたら水やりして管理すると、1ヵ月くらいで根が出てきます。根が出たら鉢に植え替えてください。

追肥は、1か月に1度程度、薄めた液肥を散布するだけで十分です。あまり肥料を効かせすぎると、木が大きくなりすぎて菜園を占領します。
日当たりがよく、乾燥しやすい場所を好みます。湿気に弱いので雨が当たらないように鉢植えの場合は移動しましょう。

鉢植えの場合、1~2年で根が鉢いっぱいに広がり詰まってしまうので、一回り大きい鉢に植え替えます。根を切らないように注意しながら植え替えて、半日陰で管理して徐々に日向に慣らしましょう。

4~6月頃に伸びすぎた枝や込み合っている枝などをきれいなハサミを使って剪定します。花が咲いたすぐ下あたりを目安に剪定しましょう。

植えつけてから1年は株を充実させるために収穫を控えます。翌年からは枝先5~10cmくらい必要な分だけ切って収穫します。
風通しのよい場所で乾燥させて保存したり、ハーブオイルやビネガーを作っておくと重宝します。防臭効果があるので、臭いが気になる場所に1枝置いたりするのもおすすめです。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
丈夫な植物ですが湿気には弱いので、排水性を良くすることが土作りのポイントです。露地植えの場合は、植穴を掘ったら底に完熟堆肥または腐葉土を一握り置いて、その上に土を軽くかぶせ、根が直接触れないようにしてから植えつけてください。鉢植え(プランター)の場合は、市販のハーブ用の培養土を利用するのが便利です。培養土を自作する場合は、黒土:赤玉土:腐葉土を容積比で3:1:1程度の割合で混ぜた物を利用してください。元肥は、植えつけ後に潅水を兼ねて、薄めた液肥を散布してください。
ローズマリーの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)