January

うね立て

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

畑に野菜のタネをまいたり、苗を植えつけるためのベッドの役割をするのが「畝」です。
畝を作ることを「畝立て」といい、畑での野菜作りの基本作業です。
目的や立て方などを紹介します。

 少し広い畑では、ちょっと高く土が盛られた場所で野菜が育てられています。これが「畝」と呼ばれるもので、野菜作りの基本となる作業のひとつです。畝を作る一番の理由は「水はけをよくすること」です。野菜は水はけのよい土壌を好むので、平らな場所より一定の高さと幅を持たせた畝を作ることによって、根が水につかって根腐れしてしまう危険性を減らすことができます。また、野菜が根を張る「作土層」を深くすることができるので、根を長く伸ばす野菜なども栽培できます。
 畝を立てると、野菜を育てる場所と通路の区別ができ作業がしやすい、栽培したい野菜を畝ごとに決められるなどメリットがたくさんあります。もちろん、すべての畑で畝立てが必要なわけではありません。畑の環境や、作る野菜の種類、栽培時期などを考え、必要に応じて畝の幅や高さなどを決めて作りましょう。

必要な道具
平畝・高畝

【平畝】本来は畝を立てない状態のことですが、高さ10~15cmの畝をいう場合が多いです。
ナス、エダマメ、キュウリ、トウモロコシなど耐湿性の強い野菜向き
【高畝】地面より20~30cm高く盛り上げたもの。
トマト、ニンジン、サツマイモ、葉菜類など耐湿性の弱い野菜向き

日光に当てる・収穫

【畝の向き】平地の場合はどの畝にもまんべんなく日が当たる「南北畝」が基本ですが、「東西畝」でもOK。東西畝の場合、南側の畝に背の高い野菜を植えると、北側の畝が陰になってしまうので、野菜選びに気をつけましょう。
【畝幅と高さ】畝幅は育てる野菜や作る量によって変わります。だいたい1つの株に対して60~70cmで、2列で育てる場合は最低でも120cmが必要です。畝幅70~80cm、高さ10~15cm、畝間(畝と畝の間)30~40cmが一般的で、多くの野菜を育てることができます。

畝立ての方法

畝立ての前にクワやスコップで土を耕し、雑草や石などの余計なものは手で取り除いておくと作業がしやすいです。
①畝の幅をメジャーなどで測り、畝を作る場所の四方に支柱や割り箸を立てて、周囲に紐を張ります。
②畝の高さを決めて、紐に沿って外側をクワで掘って内側に土を入れます。片側を掘り終えたら反対側も同じように掘って内側に土を入れます。

畝立ての方法

③土が目標の高さに盛り上がったら、レーキを使って土の塊を砕き、表面を平らにならします。
④畝の表面に凹凸がないか確認して、周囲の紐をはずして完成です。

2021.01更新

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