June

ニガウリ(ゴーヤー)

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

夏を乗り切るスタミナ野菜として家庭菜園で人気のニガウリは、暑さに強く育てやすい作物です。
実の重さと風に耐える頑丈な支柱を立ててたくさん実らせ、長期間収穫を楽しみましょう。

 熱帯アジア原産の蔓性の一年生草本。和名を「ツルレイシ」、独特の苦味があるので「ニガウリ」と呼ばれます。夏の日差しを和らげる「グリーンカーテン」として全国に広まりました。強い日差しと高温が大好きなので日当たりのよい場所を選びます。気温が低いうちは伸びが遅いですが、夏日が続くと蔓や葉が生い茂るので株間は1メートル以上、広くとりましょう。
 たねからでも育てられますが苗を購入して植えつけた方が、暑い時期を逃さず管理がしやすいのでおすすめです。蔓や葉とともに重い実がなるので風で倒れないように合掌式にがっちりと支柱を組んで株の寿命を延ばしてやると、たくさん収穫が楽しめます。
 根に小さなコブができるネコブセンチュウなどの被害が多いので、同じウリ科の野菜などは3~4年あけて連作を避け、しっかりと予防対策をとりましょう。

植えつけ

本葉3~5枚で、葉柄が短く、節間が詰まっている苗を選びましょう。
植え穴を掘り、根鉢を崩さないように植えつけ、土を寄せて株元を軽く押さえます。
植えつけ後はたっぷりと水やりをしましょう。

支柱立て

植えつけ後、早めに長さ2メートル程の支柱を合掌式にがっちりと組んで、キュウリ用のネットを張りましょう。蔓が伸び始めたらネットに絡め、上へと誘引してやります。

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コンテナで栽培できるので、ベランダなど狭い場所でもネットやフェンスなどに絡ませてグリーンカーテンが作れます。日差しを遮ってくれるだけでなく、実も収穫できて楽しめます。

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実は親蔓ではなく、子蔓や孫蔓につきます。本葉5~8枚になったら、親蔓を摘芯して子蔓を伸ばします。上の方にある元気のよい子蔓2~4本を残し、下の方のわき芽は取って蔓が重なり合わないうちに株元の風通しをよくしてやりましょう。

追肥・水やり

追肥は果実の肥大が始まった頃から、1m2あたりNK化成(16-0-16)20g程度を散布します。畑が乾いていたら水やりすると肥料の効きが速くなります。追肥は2週間に1回程度が目安ですが、蔓の伸び方や果実の肥大の様子を見ながら加減してください。

収穫

【左】品種によって収穫適期は違いますが、実が膨らんで表面の凹凸が大きくなり、つやが出て硬い張りがあれば収穫時です。収穫が遅れると先端部から黄色くなって、果皮が柔らかくなってしまいます。
【右】黄色く熟し皮が裂けて中から赤いゼリー状のものに包まれた種が現われます。種の膜は甘くて鳥たちの大好物。食べられるので、試しに味見をしてみてはいかが。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
暑さに強く生育旺盛な夏の野菜ですが、葉肉がやや薄い植物なので土が乾燥すると萎れやすい性質があります。このため水持ちの良い土質がニガウリ栽培には適します。植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kgを散布します。完熟堆肥には土の粒と粒の間に水を貯えるための小さなスペースを作り、水持ちを良くしてくれる効果があります。また同時に苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)も散布し、深く耕しておいてください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し、土に混ぜ込みます。

●ニガウリの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
ニガウリの栽培スケジュール

2021.06更新

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