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プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

じゃがいもの食感が シャキシャキして箸が進みますじゃがいものチンジャオロース

料理◎太田晶子 撮影◎武井優美

1人分:210kcal 調理時間:約25分

材料4人分

  • 牛もも肉(焼肉用) 160g
  • じゃがいも 中2個(250g)
  • ピーマン 3個
  • にんにく 1片
  • しょうが 1片
  • 豆板醤 小さじ1/3
  • サラダ油 適量
  • ごま油 小さじ1
  • A
    • 小さじ1
    • しょう油 小さじ1
    • こしょう 少々
    • 片栗粉 小さじ1
    • サラダ油 小さじ1
  • B
    • 大さじ1/2
    • オイスターソース 大さじ1弱
    • しょう油 小さじ1
    • 鶏がらスープの素 小さじ1/3

作り方

  1. じゃがいもは皮をむいて5mm幅の細切りにし、水にさらす。ピーマンは縦半分に切って種を取り除き、同様の細切りにする。にんにく、しょうがはみじん切りにする。

  2. 牛肉は5mm幅の細切りにしてAをもみ込み下味をつける。

  3. フライパンに2cmほど湯を沸かし、塩小さじ1/2(分量外)、サラダ油小さじ1を加え、じゃがいもを入れる。20秒ほどしてじゃがいもが透明になったらピーマンを入れてひと混ぜし、ザルにあげる(湯は捨てる)。

  4. 同じフライパンにサラダ油大さじ1/2とにんにく、しょうがを入れて中強火で炒め、香りが立ったら豆板醤を加えてひと炒めし、2の牛肉を入れる。ほぐしながら炒め、8割程度火が通ったら3を加えて軽く炒め、Bを順に入れる。調味料が全体に回ったら、ごま油を周囲から回し入れる。

ココがポイント

じゃがいもを、油を入れた湯でゆがいておくと、少量の炒め油で済み、短時間でムラなく炒め上がります。
メークインや新じゃがいもで作ると、より食感が楽しめます。

ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

ほのかな苦みの中に甘さのある三重なばな

撮影◎磯野博正

「江戸の灯りは伊勢の菜種でもつ」と言われていたほど、伊勢(現在の三重県)は搾油(さくゆ)用菜種の栽培が盛んな地域でした。
菜の花(アブラナ科アブラナ属の花の総称)の蕾を食べる産地は全国にありますが、摘み取った茎葉を商品として出荷したのは1960年代の旧長島町の生産者が始まり。
「三重なばな」の先駆的な産地、JAみえきたを訪ねました。

菜種栽培から生まれた「みえの伝統野菜」

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「寒い時期こそおいしいので、冬の青菜としてたくさん食べてほしいです」。左から生産者の丹羽守仁さん、奥様の郁子さん、娘の里菜さん

 美(うま)し国「みえの伝統野菜」のひとつ、「三重なばな」は、西洋種の菜の花の芯を若葉とともに摘み取ったものです。栽培の中心となっている旧長島町(現・桑名市長島町)は江戸時代から菜種の一大産地。生産者はわき芽の成長を促し、種がたくさん採れるよう、芯の部分を摘み取っていました。これを冬場の野菜として食べていたのがとてもおいしく、「ツミナ」として市場に出荷したところ好評で、1970年頃に商品名を「なばな」に統一して、JAによる共同販売が始まりました。1989年に「三重なばなブランド化推進協議会」を設立、同協議会が生産者に提供する種子で栽培されたものだけが「三重なばな」の名称で出荷されるなど、ブランド化が進められ、水稲の裏作として県内全域に生産が拡大されました。
「なばなは、米作りが終わった後の水田などを利用して栽培されます。早生(わせ)種と晩生(おくて)種を組み合わせ、8月末に種をまき、9月末に定植し、例年11~4月まで長期出荷しています」と、JAみえきた販売部園芸畜産課の伊藤大洲さん。
「一番手がかかるのは、定植です。トラクターで畝を立てて、苗を1本ずつ手で植えていきます。まだ暑い時期なのでなばなの苗が弱らないよう、午前中は畝づくり、気温と地温が下がる14時以降から数時間かけて植えつけます」と話すのは、栽培歴7年の生産者、丹羽(にわ)守仁さん。公務員を退職してなばな農家の3代目となり、約70アールの畑を手掛けるとともにそら豆、モロヘイヤなども栽培しています。
「9月は台風も心配です。この辺りは海抜ゼロメートル地帯なので、長雨が続くと畑が冠水する恐れがあります。根腐れを起こさないよう畝を高くして水はけを良くしています」と、丹羽さん。苗が根付いた後は追肥や防除を行い、こまめに生育管理します。

寒風吹きすさぶ中、1本1本手で収穫

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冬でも青々としたなばな畑があちこちに点在

 西に鈴鹿山脈を望み、木曽川、長良川の大河に挟まれた水田地帯になばな畑が点在しています。
「収穫は1シーズンに4~5回行います。定植から約1ヵ月で摘芯を兼ねた1回目の収穫。その後、わき芽が約15~20cmに育つたびに収穫を繰り返します。適期を逃さないよう、収穫時は家族4人で一気に刈り取ります」と、丹羽さん。葉のうま味が増し、茎がほんのり甘くなるのは寒さや霜に当たる1~2月。伊吹おろしと呼ばれる北からの季節風が吹く中で、腰をかがめ、かじかむ手をさすりながら専用のナイフで1本1本刈り取ります。「大変な時もありますが伝統の味をつなぐ役割もあるし、消費者の『おいしい』の声を聞くと頑張ろうって思いますね」と、笑顔でやりがいを語る丹羽さんです。

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高い畝に身をかがめて風を避けながら、どんどん収穫していきます
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専用ナイフでなばなのわき芽部分を切り取ります

 収穫したら、作業場に運んで選別し、袋詰めします。多い日は20袋入り段ボールで40箱ほどを翌朝9時までにJAの集荷場へ出荷します。
「県内の全生産量の4割をJAみえきた長島地区で出荷しています。出荷最盛期の2月は1日の収穫量が約2.4tにもなり、集荷場の冷蔵庫がなばなでいっぱいになります」と、伊藤さん。JAを挙げて生産者の負担軽減とさらなる収量アップを目指すことで、新規就農者の増加へつなげていきたいと意気込みます。

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葉や茎の状態を確認しながら計量し、丁寧に袋詰め

 みずみずしくてやわらかく、ほのかな苦みの中に甘みを感じる癖のない味わいで、地元では冬の青菜として親しまれています。おひたしや炒め物、和え物などの定番から天ぷら、パスタなど、どんな食材とも合い、いろいろな料理で楽しめる万能野菜です。「三重なばな」はビタミンCが豊富!お鍋に入れてもおいしいとのこと。寒いこの季節にぜひ食べてください。

(取材:2023年12月中旬)
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伊藤大洲さん
「長島地区一帯が冬場に一面の緑と化すくらい、なばなの生産が広がるよう頑張っていきたいです」と、JAみえきたの伊藤大洲さん

●JAみえきた(長島)

【三重なばな】生産概要
生産者:70名
栽培面積:約14ヘクタール
生産量:約125t(2023年度)
主な出荷先:東海、新潟、北海道

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自慢の鍋カマンベールミルフィーユ鍋

長崎県・すもむーさん

1人分:約625kcal 調理時間:約50分

材料4人分

  • 豚バラ薄切り肉 400g
  • 白菜 1/2個
  • カマンベールチーズ 大1個(約200g)
  • 塩、こしょう 各適量
  • 4~5カップ
  • コンソメスープの素 大さじ1
  • 黒こしょう(粗びき) 少々

作り方

  1. 豚肉の両面に塩小さじ1/2、こしょう少々をふる。

  2. 1と白菜を交互に重ね、幅を、鍋の深さに合わせて切る。

  3. 鍋に2の白菜の切り口を上になるように詰め、水を加えて蓋をして火にかけ、煮立ってきたら、弱火で30分ほど白菜がやわらかくなるまで煮る。

  4. コンソメ、塩小さじ1、こしょうをふってチーズをのせ、蓋をしてさらにチーズがとろっとするまで煮て、最後に黒こしょうをふる。

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自慢の鍋豆腐チゲ

秋田県・雪だるまさん

1人分:約470kcal 調理時間:約40分

材料4人分

  • 豚こま切れ肉 300g
  • 絹ごし豆腐 2丁
  • たまねぎ 1個
  • じゃがいも 2個
  • まいたけ 2パック(250g)
  • にら 1束(100g)
  • おろしにんにく 2片分
  • 3~4カップ
  • A
    • コチュジャン 大さじ4
    • 大さじ3
    • みそ 大さじ3
    • 鶏ガラスープの素 小さじ2
  • ごま油 大さじ2

作り方

  1. たまねぎは縦半分に切り、繊維に沿って1cm幅に切る。じゃがいもは皮をむいて縦半分に切り、1cm厚さの半月切りにする。まいたけはほぐし、にらは4~5cm長さに切る。豆腐、豚肉は食べやすく切る。

  2. 鍋に油を熱して豚肉を入れてほぐすようにして炒め、肉の色が変わったら、にんにくを加えて炒め、水を注ぎ、合わせておいたAを入れる。

  3. 2にたまねぎ、じゃがいも、まいたけを入れて蓋をし、10分ほど煮てから豆腐を加え、温まったら、にらをのせて火が通るまで煮る。

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自慢の鍋れんこんパワー鍋

東京都・湯本公子さん

1人分:約235kcal 調理時間:約40分

材料4人分

  • 鶏ひき肉 300g
  • れんこん 300g
  • ほうれん草 300g
  • おろししょうが 小1片分
  • 1個
  • 中華スープ 6カップ
  • 豆乳 1/2カップ
  • 適量

作り方

  1. れんこんは皮をむいて1/3量は薄い半月切りにする。残りはすりおろす。ほうれん草は食べやすく切る。

  2. ボウルにひき肉、卵、しょうが、1のすりおろしれんこん1/2量、塩小さじ1/3を加え、手で粘りが出るまで混ぜ、水で濡らした手でピンポン玉大に形作る。

  3. 鍋にスープを入れて煮立ってきたら塩小さじ1/2~1/3で調味し、2を入れてから1の薄切りれんこんを加え、蓋をして弱火で6~8分ほど煮る。

  4. 残りのすりおろしれんこん、ほうれん草、豆乳を加え、ほうれん草がしんなりするまで煮る。

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ジャガイモ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

初心者も育てやすい、家庭菜園の人気野菜です。春と秋の2回栽培チャンスがあります

 ジャガイモの生育適温は15〜20℃、新芽が霜に当たらない時期になったら早めに植えつけます。自家採りしたものや青果物として購入した種イモは、ウイルス病などの病害を広げる原因となるので、必ず検査に合格した種イモを使いましょう。品種がいろいろあるので、好みのものを選ぶ楽しみがあります。
 大きな種イモは切り分けて、腐りにくくするために切り口を2〜3日陰干ししてから植えつけます。新しいイモは種イモの上にできるので、必ず土寄せをしてイモが土から顔を出して緑化するのを防ぐことがポイントです。
 連作障害を防ぐため、ナス科野菜を3年は育てていない場所を選びます。また、気温と湿度が高くなると病気になりやすく、ナス科野菜に影響を及ぼすので、トマトやナスなどの近くは避けましょう。

種イモ

種イモ用を購入し、大きいものは芽が均等につくように30~50gに切り分けます。小さなものは丸ごとでもOK。切った種イモは日陰で2~3日乾燥させます。

植えつけ

畝の中央に深さ10~15cmの溝を掘り、種イモを30cm間隔に切り口を下にして並べます。10cmほど土をかぶせて表面を平らにし軽く押さえます。

芽かき

芽が10cmくらいに伸びたら、元気の良い芽を2~3本残し、他の芽はかき取ります。芽をかき取ると大きなイモに育ちます。

株元を押さえて残す芽を傷めないように抜きましょう。

追肥

芽かき後に、1m2あたり化成肥料(8-8-8-なら100g、14-14-14なら50g程度)を散布し、株元に土寄せしてください。

土寄せ

子イモは種イモより浅い場所にできるので、土寄せが足りないとイモが日に当たって緑化し品質が低下します。芽かきをして追肥した後と、草丈が20cm程度になった頃の2回、土寄せをします。しっかり土寄せをしてイモができる場所を作りましょう。

収穫

下葉が黄色くなって枯れてきたら収穫時期です。試し掘りで確認してから、晴天が2~3日続いた後に収穫します。イモを傷つけないようにスコップで掘り起こし、土をつけたまま陰干ししてよく乾燥させてから、冷暗所に貯蔵しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

種イモ植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgを散布し、深く耕しておきます。植えつけ直前の堆肥施用や未熟堆肥の利用は、イモの表面の肌荒れを起こすことがあるので、時間がない場合や良質堆肥が入手できない場合には、堆肥施用は省略してください。土壌がアルカリ性に傾くとそうか病が発病しやすくなるので、通常は石灰類を使用しませんが、過去1年以上石灰類を施用していない畑には、状況に応じて1m2あたり苦土石灰50~100g程度を、堆肥と同時に施用してください。
元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を散布し、土に混ぜ込みます。

●ジャガイモの栽培スケジュール

栽培スケジュール

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家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(元JA全農 耕種総合対策部技術主管) イラスト◎かとうともこQ.良い苗の選び方を教えてください

〇苗選びのポイント

 トマトなどの果菜類や、キャベツやハクサイのように結球する野菜、ブロッコリーのように花蕾を収穫する野菜は育苗を行なって、畑に苗を植えつけます。
 これらの野菜は、園芸店で苗も販売されているので、苗を購入して栽培してもよいでしょう。苗を購入する際、良い苗を選ぶポイントは次の4つです。図1を参考に良い苗を選びましょう。
①虫に食べられたり、病気に侵された葉がない。
②子葉が2枚とも緑色のまま残っている。
③葉は、その野菜本来の色でつやがある。
④節間が間延びしておらず適度に詰まり、がっしりしている。

【図1】良い苗を選ぶポイント(キュウリ)
【図1】良い苗を選ぶポイント(キュウリ)

〇早めに入手した苗の管理

 最近では植えつけ適期のかなり前から、苗が店頭に並ぶようになりました。適期に良い苗を入手して植えつけるのが一番ですが、トマトのような果菜類を若苗(植えつけ適期前の小さめの苗)で入手した場合は、培養土量が多い一回り大きなポットに植え替えるか、肥切れにならないように液肥を追肥し、植えつけ適期の大きさになるまで管理します。
 肥料が不足し始めると、子葉や下葉が黄化するので、早めに適切な濃度に希釈した液肥を与えます。夏野菜の苗は、日当たりがよく暖かい場所に置き、植えつけ適期になるまで育てます。

【植えつけに適した苗の生育状態のめやす】
キュウリ 本葉が3枚程度
ナス 本葉8〜9枚で、
1番花が開花直前
ピーマン 本葉12〜13枚で、
1番花が開花直前
スイカ 本葉4〜5枚

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料理のポイント

おいしく作る料理のポイントを写真付きで解説

お祝い事に重宝します。美しい巻き方をマスターしましょう。太巻き寿司

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

1本分:約630kcal 調理時間:約60分(乾しいたけの戻し時間は除く)

材料3本分

  • 乾しいたけ 6~8枚
  • かんぴょう 15g
  • 糸三つ葉 100g
  • しいたけの戻し汁とだし汁 合わせて1.5~2カップ
  • A
    • みりん 大さじ2
    • 砂糖 大さじ2~3
    • しょう油 大さじ2
  • 4個
  • B
    • だし汁または水 大さじ2
    • 砂糖 大さじ2
    • 少々
  • サラダ油 少々
  • 炊きたてのご飯 2合分
  • のり 3枚
  • C
    • 米酢 60ml
    • 砂糖 大さじ2~3
    • 小さじ2/3

作り方

  1. 具を作る

    ①乾しいたけは水で戻し、水気を軽く絞って軸を取る。かんぴょうは水で濡らして塩小さじ1(分量外)でもみ、洗って熱湯で10分ほどゆで、ざるにあげて冷ます。鍋に両方を入れて、しいたけの戻し汁とだし汁を加えて中火にかけ、煮立ってきたらAを加えて混ぜ、再び煮立ったら蓋をして弱火で約20分、汁気がほぼ無くなるまで煮る。冷めたら、しいたけは1cm幅に切る。

    ②卵をボウルに割りほぐしBを混ぜる。卵焼き器に油を熱して卵焼きを作り、巻きすで幅6cmくらいに形作る。冷めたら縦3等分にする。

    ③三つ葉は熱湯に塩少々(分量外)を入れてさっとゆで、冷水にとってから水気を絞る。

  2. すし飯を作る

    飯台にご飯を入れ、混ぜ溶かしたCを全体にふってしゃもじで切るようにして混ぜ、あら熱を取る。

  3. 巻く

    まな板に巻きすをのせてのりを縦長に置き、すし飯の1/3量をひとまとめにしてのせる。のりの向こう側2cmを残して全体に広げ、卵焼き、かんぴょう、しいたけ、三つ葉を1/3量ずつのせる。手前の巻きすを持ち上げて巻き込み、残りののりの部分に水を塗って巻いたら、巻き終わりを下にして両手で形を整える。両端は軽く押さえて整える。残り2本も同様に巻く。

    Point
    ポイント

    ●最初に軸になる具材(卵焼き)を置くと、巻きやすく、きれいに仕上がります。

    ●向こう側のすし飯の端に向かって、両指で具を押さえながら一気に巻き込みます。

  4. 切る

    半分に切り、さらに4等分に切って器に盛る。

    Point
    ポイント

    ●1回ごとに水で濡らした布巾で包丁を濡らしながら、素早く切り分けます。

MEMO

三つ葉の代わりに、きゅうりやほうれん草でも彩りよくおいしく作れます。

「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第74回 里中満智子さん
タコ焼きは平和の味

著者のプロフィールはこちら

 近年は私が今住んでいる東京でも、あたり前のように「タコ焼き」を目にする。テイクアウトのお店もあるし、スーパーやコンビニでも簡単に手に入る。タコ焼きの姿をみるたびに「時代が変わったなあ」と思う。
 今から60年ほど前、上京した際、ごくわずかの身のまわりの品以外はすべて新しく買いそろえた。家具。寝具。キッチン用品etc…。大阪育ちなのでキッチン用品の中には当然「タコ焼き器」も含まれている。池袋の大きなデパートのキッチン用品売り場でタコ焼き器を探した。無い。店員さんに聞いてみた。置いてないと言う。商店街の小さな店まであたったがどこにもない。東京の人の生活の中には「タコ焼き器」は存在していなかったのだ。仕方なく大阪の親に頼んで送ってもらった。タコ焼き器が届き自分で作ったタコ焼きをようやく味わえたのは引っ越してきて三週間ほど経っていたころだったか。
 大阪で暮らしていた時は、近所の友達の家や親せきの家ではタコ焼きもお好み焼きも各家の味があった。「わが家の味」を極めて、いかに独自色を出すか、で盛り上がるのが楽しかった。
 小麦粉をとく出汁は、カツオ、昆布、鶏ガラ、好みで。具は各家庭で好きなものを入れれば良い。タコ、ネギみじん切り、紅ショウガは定番。ちくわの小口切りもおすすめ。うちでは時々合いびき肉をカラ煎りしたものを入れたりもした。これはインパクトが強く、男の子たちに受けた。最近ではチーズ入りも流行しているとか。具沢山のタコ焼きは主役になれる。返すのに技術がいるが、その腕を競い合うのも盛り上がる要素だ。
 今はタコ焼き器は全国どこでも手に入る。食文化…というと大げさだが、地域独自の味もあっという間に全国区になる。「こんな食べ物やこんな食べ方があったのだ」と知ることで、地域の違いを知るようになるのは楽しい。地域の違いを知った上で「やっぱりわが古里のが一番」と言って盛り上がるのがまた楽しい。
 こんなことで楽しめるのも平和だからだ…とありがたく思う。

イラスト:はやしみこ

里中満智子(さとなか まちこ)

マンガ家。16歳の時『ピアの肖像』で第1回講談社新人漫画賞受賞。代表作は『あした輝く』『アリエスの乙女たち』『あすなろ坂』『天上の虹』ほか。(公社)日本漫画家協会理事長、(一社)マンガジャパン代表理事、大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長等を務める。

里中満智子(さとなか まちこ)
『漫画を描くー凛としたヒロインは美しい』
中央公論新社
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

じゃがいも栽培の原点【種馬鈴しょ】
品質や収穫量を左右する
じゃがいも生産の要、種いもづくり

じゃがいもは17世紀初めにジャカルタから来たので「ジャガタライモ」と呼ばれ、やがてそれが「じゃがいも」に。行政や生産現場では、いもの形が馬の首につける鈴に似ていたことから「馬鈴しょ」と呼ばれています(以下馬鈴しょ)。
馬鈴しょは種いもの検疫が義務付けられ、国産の馬鈴しょが安定供給されているのは、この検疫制度があってこそ。生産の要、種馬鈴しょを探ります。

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 馬鈴しょは、種馬鈴しょ(種いも)を植えつけて栽培します。種子で増殖する稲は増殖率が100倍以上なのに対して、馬鈴しょは約10倍と低く、また、種いもが病害に感染していると、収穫量が激減するなど大きなリスクがあります。特にウイルス病は種いもを介してまん延するので、防止するためには病気のない健全な種いもの確保が大変重要なのです。
 1947年、農林省は無病の種いもの「原原種」を増殖・供給するため、原原種農場(現在の独立行政法人種苗管理センター)を設立し、1951年から植物防疫法に基づく検疫制度を開始しました。原原種を栽培して増殖する種いもを「原種」、原種を栽培して一般の生産者に供給する種いもを「採種」と呼びます。原原種→原種→採種の増殖過程の各段階で検査を行い、一般の生産者に病害虫のない優良な種いもを供給しているのです。70有余年の歴史ある検疫制度が確立されています。
 検査は、①植えつけ前の畑、②栽培期間中の畑、③収穫後の種いもの3区分で行われ、すべてに合格すると、検査合格証明書が発行されます。それを添付しないと、種いもを出荷(移出)できません。全国の種馬鈴しょ生産の9割以上を占めるのは北海道です。種いもは道内流通用の“更新用”と、都府県に出荷される“移出用”に分けられ、遠くは鹿児島の奄美地方まで送られています。

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 種馬鈴しょの栽培は、病変株を見分けて防除を行う知識や経験が不可欠なため、原種や採種の生産者は登録を受けた人しか携われません。一株ずつ目で確認して、異常な株を見逃さずに抜き取る作業は、栽培期間を通して何度も行うので手間がかかり、生食・加工用馬鈴しょを生産する労働時間の約2倍もかかります。さらに土壌伝染による病害虫を防ぐために4年かけて輪作するので、畑は4倍の広さが必要です。
 また近年、ジャガイモシストセンチュウ(以下、センチュウ)発生地域の拡大により、畑の確保も難しくなってきており、種馬鈴しょの生産量は減少傾向にあります。喫緊の課題とされるのが、生産の省力化とセンチュウ対策です。消毒と施肥を同時に行い、種いもを効率良く土中にまくことができる機械の導入や、ドローンの撮影画像を活用してAIによる病株検出技術の開発など、対策が急がれています。根に寄生して収穫量を激減させるセンチュウは、一度発生すると根絶が困難なため、馬鈴しょ生産者にとても恐れられている害虫です。センチュウが確認された畑では、種いもは栽培できません。センチュウに抵抗力のある品種への切り替えが、国の主導・支援で進められています。
 馬鈴しょの国内需要は2022年で約330万t、国内生産量は218万tで自給率は約7割です。ロシアのウクライナ侵攻から食料安全保障を求める声が強まり、国内生産量の引き上げ目標が掲げられ、種いもの安定供給は必要不可欠です。ポテトサラダ、肉じゃが、コロッケなど料理に欠かせない食材は、種いもが無ければ生産できないのです。
 普段何気なく食べている馬鈴しょの裏側には、生産者やJAグループ、植物防疫官ら関係機関が連携して担ってきた種馬鈴しょの生産体制がありました。

参考:農林水産省「いも・でん粉に関する資料」
(ばれいしょをめぐる状況について 令和5年6月時点)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/siryou.html

プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

おかずにもなるサラダです レモンをたっぷりかけていただきましょうなばなと鶏肉のグリルサラダ

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

1人分:約250kcal 調理時間:約25分

材料4人分

  • 鶏もも肉 大1枚(360g)
  • なばな 400g
  • 塩、こしょう 各適量
  • オリーブ油 適量
  • レモン 1個(4切れ)

作り方

  1. 鶏肉は室温に戻して3cm四方に切り、塩小さじ1/3、こしょう少々をふる。

  2. なばなは長さを半分に切る。

  3. フライパンに油大さじ1/2を熱して1の鶏肉の皮目を下にして入れ、中火で3分ほど、時々ヘラで押しつけて焼き、裏に返して同様に3分ほど焼きつけて取り出す。

  4. 3のフライパンに油大さじ1/2を足し、2を入れてフライパンより一回り小さい鍋の蓋を乗せ(重石)、中火で3分ほど焼く。裏に返してさらに3分ほど焼き、なばながやわらかくなったら、3を戻し入れて塩小さじ1/2、こしょう少々を加えてひと混ぜする。

  5. 器に盛り、レモンを添える。

ココがポイント

なばなを炒めずに、蓋で重石をして焼きつけます。
苦みが抑えられ、茎の甘みをしっかり感じられます。

ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

ミネラルたっぷり、濃厚で奥深い甘みさとうきび

撮影◎磯野博正

砂糖の原料のひとつである「さとうきび」は、沖縄県や鹿児島県南西諸島の農業と経済を支える重要な作物です。
さとうきびの搾り汁を煮詰めてそのまま固めたものが黒糖(黒砂糖)。
搾り汁から結晶を分離した分蜜糖(原料糖)は、精製糖工場に運ばれて、さらに純度が高められ上白糖などに加工されます。
主要産地である沖縄本島北部の伊江島で、さとうきびの栽培と工場で黒糖になるまでを教えてもらいました。

3種類の作型を組み合わせて栽培

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「手を掛けて育てて良いものができると、喜びややりがいを感じます」と話す、伊江村さとうきび生産組合の内間 優組合長

 沖縄本島北部、沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館のある本部(もとぶ)町からフェリーに乗り約30分で伊江島に到着します。年間平均気温24℃。さとうきび、落花生(ジーマミ)、島らっきょうなどが栽培される自然豊かな島です。
「さとうきびはイネ科で、節にある芽が伸びて成長します。植えつけは20~30cmにカットしたさとうきびを1つずつ畝(うね)の溝に並べ、芽を伸ばしていくんですよ」と話すのは、伊江村さとうきび生産組合の内間(うちま)優組合長。実家の農業を継ぎ、約40年にわたり66アールの畑でさとうきびを栽培するベテラン生産者です。
 風にも、水不足にも強いさとうきびとはいえ、品質の良いものを作るには徹底した栽培管理が必要と話します。特に、雑草は成長の妨げになるだけでなく、収穫時に混ざると製糖工場での選別や品質確認も大変になるので、対策には力を入れているとのこと。
「成長期は1日3cmほど伸びます。重みでしなって倒伏しないように培土(土寄せ)も欠かせませんね」。背丈が2~4mにもなるさとうきびは、培土を繰り返すことで根の張りが促進されて、茎の数を増やしながら成長していきます。
「さとうきびは茎に糖分を蓄え、長く育てると茎が太くなって糖度が上がります。春に植えて翌年の冬に収穫する春植、夏に植えて翌々年の冬に収穫する夏植、一度収穫した株でもう一度芽出しをして翌年の冬に収穫する株出と、3種類の作型がありますが、10アール当たりの収穫量が多いのは夏植です。でも、毎年新しい苗で育てると労力がかかるので、2年目は同じ株で栽培するのが一般的ですね」と説明するのは、JAおきなわ伊江支店加工部の友寄(ともよせ)孝明部長。伊江島では夏植で栽培し、その後株出を1回程度行ってから改植することが多いといいます。

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中央部の城山(ぐすくやま)(標高172m)は伊江島のシンボル

鮮度が落ちるので2日以内に出荷

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【左】収穫機前方のローラーでさとうきびを巻き取り、葉と根がカットされて30~40cmに断裁後、ネットに収納
【右】1つの収穫ネットに約1tのさとうきびが入ります

 例年1~3月は県内の各産地で一斉に収穫と製糖が行われます。海風に揺れる広いさとうきび畑を訪ねると、大型収穫機(ハーベスタ)で刈り取りの真っ最中。
「さとうきびの堅い茎を斧で1本ずつ刈り取っていくのは大変な重労働で、かつては『ゆいまーる』と呼ばれる地域の共同作業で収穫が行われていました。今は、手刈りで行う生産者は少なく、JAが管理しているハーベスタを使った機械刈りが島全体の8割を占めます」と、友寄部長。製糖工場の受け入れ量は1日60t。さとうきびは刈り取り直後から鮮度がどんどん下がるので、収穫後すぐに出荷し、工場で製糖できるようJA主導で計画的に機械刈りのスケジュールを決めています。
「うちの畑だと、年間の収穫量は約46tです。黒糖にすると6440kgくらい」と、内間組合長。
 製糖工場では、まず生産者ごとに計量して糖度測定と品質チェックを行います。その後、葉の破片や潰れた茎などを手作業で選別します。3段階のカッターで細分化され、シュレッダーハンマーで細かく砕いて搾汁。ボイラーで加熱して不純物を沈殿させながら、4つの濃縮缶で段階的に煮詰め、最終的に糖度93度の黒糖に仕上げます。毎日7~8tの黒糖を製糖し、2日に1回本島へ出荷するとのこと。「搾りかすは煮詰める際の燃料に使い、重油は使いません。葉ガラなどは肥料にします」と、友寄部長。循環型の製造で環境保全にも力を入れています。今後は「栽培の機械化と製糖の効率化を進めて、より高品質な黒糖を製造できるよう生産組合と一丸となって取り組んでいきたい」と話してくれました。

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【左】大型ホイールローダーで大量のさとうきびを運搬
【右】節のあるさとうきびの茎。葉ガラを取り除き、断裁・圧搾されて糖汁になります
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【左】圧搾したさとうきびの糖汁を加熱して不純物を取り除きます
【右】業務用のほか、小売り用のかち割りや粉末タイプも製造しています

 サンゴ石灰岩に由来する赤土の「島尻マージ」で育った伊江島産の黒糖は、ミネラルたっぷり。上白糖のように精製しないのでさとうきびの成分が残り、ほのかな塩気や苦味もある奥深い甘みを楽しめます。お茶請けとしてはもちろん、角煮や肉じゃがなどの料理に使えばコクをプラス。普段の食卓に気軽に取り入れて、いろいろなアレンジを楽しんでみませんか?
(取材:2024年1月下旬)

「環境に配慮しながら今の生産量を維持し、多くの方に黒糖をおいしく食べてもらいたいです」と、JAおきなわの友寄孝明部長

●JAおきなわ

【さとうきび】生産概要
生産者:約151人
収穫面積:約88ヘクタール
産糖量:約829t(2023〜24年実績)